早回り ヨーロッパのトラム巡り 〈5〉

フランクフルト (Frankfurt)    ドイツ

最後の“早回り”は、ドイツに戻ってフランクフルトのトラムです。フランクフルトは人口が約70万余り、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルンに次ぐドイツ第5の都市。ユーロ圏17ヵ国の中央銀行の欧州中央銀行本社がある国際金融の中心地で、世界最大の見本市会場や、世界最大級のハブ空港・フランクフルト空港や、ヨーロッパ最大級の駅であるフランクフルト中央駅があって、経済・産業・交通の要衝です。
フランクフルトの近郊交通は、Sバーン(DB近郊鉄道)、Uバーン(地下鉄道)が中心。トラムはフランクフルト交通会社(VGF)の運営で、市街地に限定されるものの、稠密なネットワークが張り巡らされている。一部はUバーンにも乗り入れている。


旧市庁舎のあるレーマー広場が観光の中心地で、すぐ近くを走るトラムの両側にも中世の街並みの雰囲気が残る。
旧市街地を貫通する11・12系統は、S型と呼ばれる200番台の3車体連接車ばかり、両運転台で、扉は両側にある。
以前製造のR型で問題が多発したため、追加の60編成は別車両を導入することになり、S型のBombardier社のFlexity シリーズとなった。 Flexity Classicシリーズは世界19都市で運行されている、低床車のヒットだが、低床部分は全体の70%になっている。

フランクフルト中央駅前にはR型も顔を出す。Siemens系列のDuewag製で、1993年製造初年、3車体連接はドイツ初の 100%低床車となった。38編成の大量導入したが、トラブルが多発した。増備はなく、後継車両は先述のS型となった。
「リンゴ酒電車」と言われる、にぎやかな旧型電車が走る。フランクフルト名物のリンゴ酒で“一杯”いけるようだ。夜のフランクフルト駅前、ライトアップされた駅舎は、1888年の開業時のままの姿を保っている。駅前は暗くなると、ダウンタウン状態となるが、トラムも多様な乗客を運んでいく駅前のトラム乗り場は、夜遅くまで賑わい、電車も数分ヘッドの頻発運転。

朝8時30分の中央駅、続々と通勤客が下車して、トラム乗り場や、Uバーン乗り場へ向かっていく。

フランクフルトは、ヨーロッパで最も鉄道旅客の多い都市の一つとなっていて、中央駅には、ICE 13路線が乗り入れており、1日に約 35万人が利用する。駅はヨーロッパ最大規模で、ホームの番線は、1番ホームから25番ホームまである、日本では考えられない壮大なスケールで、朝のラッシュ時には、当時発車もある、超頻発運転である。従来、同駅の最大番線は24番ホームまでと言われていたが、最端部に切り欠き式の短い25番ホームがあるのを見つけた。最近、増設されたようだ。

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