サンデー毎日の私にとっては10連休もさして有り難味がなく、むしろ何日も郵便局が閉まっているなど日常生活の不便さしか感じられません。そんな連休後半、5月3日から5日には今では広島市最大のお祭りとなった広島フラワーフェスティバルが開かれます。これに合わせて広電は特別ダイヤを組んで大増発されるので、混雑覚悟で様子を見に行くことにしました。天気も良いので早起きしての出動です。
普段は長距離トラックで混みあう国道2号線も閑散としており、山陽本線を上ってゆくコンテナ貨物も空車のコキが目立ちました。
いつものように1日乗車券を買って、まずは西広島へ向かいました。まだ8:00過ぎなので人出はそれほどでもありません。
広電西広島駅はスーパーマーケットなどがある広電ビルに隣接していたのですが、その広電ビルは老朽化のため解体され、交差点の風景は一変しました。すでに解体工事は終わっていますが、線路を守るように設けられている鉄骨アーチはまだそのままです。
西広島から今来た道を歩いて戻ることにしました。
新己斐橋を渡ると幅100mの平和大通りとなり、両側の街路樹の新緑が5月を感じさせてくれました。
この春に新規投入された5200形2両のうちの5202がやってきました。普段は専ら宮島線と広島港線で運用されているようですが、この日は広島駅・西広島間の市内折り返しに使われていました。5連接の5200形と並行して3連接の1000形も増備が続いており、低床車が大変好評なのは良いのですが、今までの高床車への風当たりが強くなってきています。輸送力の大きい低床連接車の増備で従来の単車の出番が少ないなか1900形の活躍が目立ちました。
観音町から土橋にかけての区間はクルマが少ない一方、電車の系統数は多いので効率的に撮影できます。天満町電停の1900形を見ていると、かつての千本通り、大宮通りや伏見線の光景が思い出されます。
10:00を過ぎて平和大通りも人出が増えてきたようです。
この日は平和大通りをはさんで、北側の電停「袋町」と南側の電停「中電前」には多くの広電社員が配置され、運賃徴収と交通整理にあたっていました。中心部の紙屋町などの主要電停も同様でした。
高床、釣かけの旧型車ですが輸送力を買われて、旧西鉄の3000形が大活躍でした。
電停で乗客対応していた若い広電社員に「普段はどんな仕事をしてるの?」と聞くと「千田車庫で車両整備をしている」との答えが返ってきました。他にもいかにも本社で事務をしているであろう女性社員の姿もあって、まさに広電総出で対応しているようでした。期待した旧型車があまり姿を見せないので、千田車庫の様子を見に行くことにしました。
早朝出動のため、昼過ぎには歩き疲れてきました。この日は広島でカープ対ジャイアンツのデーゲームがあるため、広島駅前は相当な人出だろうと思い、その様子を見て早々に切り上げることにしました。
大増発は良いのですが、やっぱりネックは広島駅前です。数年後にJR広島駅への高架乗り入れが実現すると、このような猿猴橋町付近の電車の行列は見られなくなることでしょう。
JR広島駅から球場に向かう通称カープロードは真っ赤な人の列が続いていましたが、猿猴橋町電停方向にはほとんど人の姿が無く、対照的でした。
好天に恵まれ、大増発のおかげで短時間で多くの車両を効率よく撮影できました。誰も考えることは同じで、多くのご同業の方があちこちでカメラを向けられておられました。江波、横川、白島方面には行かなかったからでしょうが、元大阪の900形を一度も見かけませんでした。1900形が元気で活躍している姿を確認でき、そしてバティスタの大活躍でジャイアンツに逆転勝ちし、良い1日となりました。