米手作市氏の誘いに乗る

毎朝この掲示板を開けるのが日課だが、またもや米手作市氏からチョッカイが出たではないか。で、すぐさま乗せられ、いそいそとスキャンする羽目に。

この真四角鉄箱電車に関しては老人の出る幕はない。台車だけである。これは雨宮製作所1926年製で、元来下野電気鉄道デハ103が装着していたものである。独特の板台枠をアングル材で補強、軸バネはウイング。写真は株式会社雨宮製作所の『機関車・車輌案内』(カタログ)掲載で、側面がノッペラボーだが、現実には丸穴が5個開いている。軌間762mm用で、花巻と下野電気の50人乗りボギー電車=花巻は電動機30馬力×2、ギヤ比4.93だが、下野は25馬力×2、6.67。


雨宮カタログの台車 762mm軌間ながら車輪径は1067mm並みの864mm ホイルベースは1,498.6mm 現実には側板に丸穴が5個穿ってある 左上は雨宮製作所の社紋

ところで下野電気鉄道デハ103は、出力とギヤ比以外、盛岡電気工業→花巻温泉電気鉄道(鉄道線)デハ1~4と同じ図面で製造された。下野の写真が得られないので、花巻デハ2で代用しておく。


花巻電鉄デハ2 1960年3月18日湯口撮影 花巻 本来鉄道線用の車両だが オッソロしい急カーブがある狭い併用軌道の軌道線対応のため連結器が独特である 下野電気鉄道デハ103も外見は同一

下野電気鉄道は1929年1067mmに改軌(1943年6月30日東武鉄道に合併)されたから、この電車はたったの3年余しか走行しなかった。その後東武浅草工場で保管され、1939年台車だけ日本鉄道自動車が引き取って1067mm用に改造し、銚子電気鉄道デハボ101に装着して再起した次第である。なお台車は現在東武博物館と上毛電気鉄道で保管されている由。

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