青い瞬間(とき) -Blue Momentを追いかけて-19-

始まりは新幹線の開業で賑わう長崎から。一部で減便が見られた長崎電軌だが、車両数、輸送人員ともに、広島に次ぐ国内2位を堅持、系統が集まる西浜町の交差点に立つと、T字路の上を架線が複雑に覆い、直進、左折、右折する電車に目を奪われる。

長々と続けてきた本シリーズもやっと、終わりが見え始めました。今回は、九州各地で見た青い瞬間(とき)を挙げてみました。一日24時間のうち、10分程度しか見ることができない一瞬ですが、舞台となる鉄道が変わると、さまざまな表情が見えてきます。

長崎電気軌道 西浜町

長崎電軌の魅力のひとつは、戦後すぐに製造された旧型車両が、まだ多くが頑張っていることだ。もちろん、近代化済みではあるが、広告車もほとんどなく、正統の上下二色の塗装を堅持している。

大村線 千綿

いちばん海に近い駅として、新幹線開業後はテレビでも採り上げられる人気の千綿駅、数年前に行った時も、クルマで来た若者が、スマホでパシャパシャ撮り終えると、アッと言う間にクルマで去って行った。▲▲たしかに夕陽の頃は、大村湾の対岸に陽が落ちて一幅の絵にはなる。肝心の列車到着は、最適時間帯より10分程度早く、期待した空にはならなかった。

筑豊電鉄 遠賀川橋梁

ここは絵になる鉄橋だ。川幅が広く、河川敷もたっぷりあって、自由に角度を選べる。蒸機世代から見ると、筑豊の遠賀川なんて、真っ黒に汚れた川をイメージしてしまうが、いまはまるで逆の牧歌的な雰囲気、そのギャップに時代の隔たりを感じてしまう。

熊本市電 通町筋

熊本城の石垣前で、右折時の流し撮りを狙うが、右折信号でも絶えずクルマが併走して来て、邪魔ばかりされる。ちょうど最新の超低床連接車の0800形のなかで、COCOROの愛称を持つ0803号が来た。ほぼ真っ黒、室内は木を多用し、電球色の照明は、さすがに水戸岡デザインと納得。

久大本線 日田・夜明日田には、蒸機時代は機関支区もあって、一通りの設備があって、出入りの車両で賑わいを見せていた。駅前のホテルに着いて、食糧仕入れのついでに、駅構内を跨ぐ陸橋に向かった。かつてほどの車両の賑わいは無いが、それでも沿線の要衝だけあって、折り返しの列車が待機する。日田彦山線を分岐していた夜明、いまも錆びついたレールが右へ分岐している。豪雨で不通になったまま、結局、長大トンネル区間も含めて、BRT化されることになった。夜明は、駅名もいいが、陸橋から見る風景もいい。筑後川が左手に流れていて、その先には広大な筑紫平野が広がっている。

 

 青い瞬間(とき) -Blue Momentを追いかけて-19-」への2件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様
    年末大晦日まで頑張ってデジ青を盛り上げてくれてありがとうございます。Blue Momentの真似事で家の近くで富士山のシルエットをバックに京王相模原線を入れて挑戦していますが、うまく行きません。ところで総本家さんの作例にあります大村線の千綿で早朝のBlue Momentを撮ったことがあります。白黒なのでGray Momentですね。麻生釣、大畑合宿の後に一人で出かけたもので有名な門司港発2等寝台付きの421列車長崎行きを真っ暗な千綿で5時8分に下車し、1時間後の6時12分にC57111[早岐]牽引の821列車佐世保発長崎行きを撮影したのがこれです。DRFCのアルバムに出したような気がします。

    • 準特急さんこそ、最後までデジ青への気配りをいただき、ありがとうございます。私も最後の日にやっと終えることができました。少し積み残しがありますが、つぎは新しいテーマにまた挑戦します。55年前の千綿によくぞ降りられましたね。私は初めて見る気がします。C57 111も懐かしいカマです。早岐にいた、数字並びも良い機でした。

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