梅小路蒸気機関車館の“頭出し”、ネガを見返すと、同館が開館された直後の正月にも“頭出し”があり、見に行っていました。昭和49年1月、今から51年前のことで、3月には市電烏丸線の廃止が予定されていて、京都駅前で撮影してから同館へ行きました。その昭和49年の様子を見て行きます。ご承知のように、梅小路蒸気機関車館は、昭和47年10月、鉄道開業百周年の記念事業として、国鉄梅小路機関区の扇形庫に開館しました。静態・動態保存の蒸機17両が全国から集められ、少し前に撮影地で出会った懐かしい蒸機、撮影が叶わなかった憧れの蒸機が京都で見られるとあって、テンションも沸騰でした。▲日章旗と注連縄で正月を祝った、梅小路蒸気機関車館の蒸機たち。開館してまだ一年余り、現役時代を感じさせる、煙を吐いた生きた姿で並べられた。
▲C62 2とD50 140 昭和46年10月に、国鉄百年の映画撮影のため、両機とも梅小路に来ている。映画撮影の終了後に、いったん北海道、九州へ戻り、ふたたび京都に集結した。
▲展示されたのは17両で、このうち、C51 239、C53 45、C59164、D52 468の4両のみ静態保存で、庫の中に収まっていた。あとの13両は有火状態で、C61 2、C62 2は東海道線で、D51 1などは奈良線、関西線で盛んにイベント列車や団体列車を牽いていた。▲御召装備のC571は、外に出されて撮影しやすい位置に収まった。実際同機は昭和47年5月に羽越本線で御召を牽いているが、デフには菊の御紋で、鳳凰はなかった。
▲C11 64が8630と重連でターンテーブルに乗る。▲8630が単機で向きを変えていた。13両も稼働できるから、館内での蒸機の運転は、好き放題で組み合わせ自由だった。左手奥にDD13が見えるように、当時は、現業部門の梅小路機関区があって、動態蒸機も梅小路機関区の所属になっていた。まだ全国に300両余りの蒸機が現役で動いている時代だった。
梅小路の『頭出し』、楽しませていただきました。今より保存されている数は少ないものの、17両もの蒸機が並ぶさまは壮観でしたね。お召装備のC57 1は撮影しやすいように外へ出され、しかもロッドが下がっていて機関車館側のこまやかな心遣いを感じます。
さて、私も日章旗を掲げ、頭を出したネガがあったはずと探しました。正月ではなく、昭和48年10月10日の開館一周年の日でした。C57 1はお召装備で外に出されていましたが、残念ながらロッドは下りていません。
添付の画像には複数の蒸機が頭を出し、煙を上げています。写っている少年も今では60代半ばでしょう。
最後になりましたが、今年もよろしくお願いします。