流鉄の「なの花」編成(クモハ2005+クモハ2006)が4月28日「さようなら運転」を最後に引退した。同編成は平成9年3月、西武鉄道701系の757編成を購入したもので、入線に当りクハ1757-モハ757-モハ758-クハ1758の4両編成を、クハ1757とクハ1758の運転台部分をモハ757とモハ758に接合して2両編成に改造する工事を実施している。
当日は流山発9時発から10往復し、馬橋発14時45分、流山15時7分着の列車がラストランとなった。流山発11時15分の列車からは、西武鉄道の急行「奥武蔵号」風のヘッドマークが取付けられ引退に花を添えた。
当日は当会会員4名が「なの花」の最後の雄姿を撮影するべく訪れたのでその時の模様等も含めて報告する。
前日の27日、「なの花」が運用されることが判っていたので午前中で出掛けたところ、「流星」(クモハ5102+クモハ5002)と共に運用に就いていた。
幸谷から平和台まで撮影しながら歩いたが、同業者は少なく10人位であった。
「なの花」はいつも通りの表情で走行していた。
最終日28日、でかんしょ祭り号さんが出掛けられると聞いていたので合流した。
新松戸駅から幸谷駅に行くと程なく窓上に「惜別」の表示がされた馬橋行の「なの花」が来た。
折返してきた「なの花」に乗り、流山駅の歩道橋上で、でかんしょ祭り号さんと合流した。
ヘッドマークの取付け風景を撮影後、平和台駅の踏切に移動。しばらく撮影後、次の鰭ヶ崎駅寄りの複線分用地の場所に移動、ここで新所沢都民さんと合流した。
世間話等をしながら撮影していると、鰭ヶ崎方向からKawanakaさんが来られた。
総勢4名となり賑やかに陸橋の上や鰭ヶ崎寄りの半切通しで撮影していると、早くも「なの花」の最終列車の時刻になり、次の小金城址駅との間で撮影した。
その後幸谷駅まで電車で移動して大反省会が開催されたが、私は野暮用のためここで失礼した。
当日の模様は、後日Kawanakaさんが、ご自身が撮影された画像と共に報告されるかも知れない。
また、この日のランニングメイトは、27日と同じ「流星」で、こちらにもヘッドマークが取付けられた。
【参考1】西武701系
「なの花」の種車となった西武鉄道701系について簡単に紹介する。
昭和38年から41年にかけて西武鉄道所沢工場で、Tc-M-M-Tcの4連×48本=192両新製され、主力として各線で活躍した車両である。Tcはクハ1701形(1701~1796)Mはモハ701形(701~796)で、池袋寄りが偶数車、飯能寄りが奇数車で、パンタは偶数車の池袋寄りに付いていた。
Mの台車は新品のFS342であったが、Tcは中古のTR11Aを履いており、後に空気バネのFS072に履き替えた。主電動機は120Kw×4を装備し、駆動方式は中空軸平行カルダンで、制動装置は在来の吊掛車と併結するため発電ブレーキは無く、空気ブレーキのみであった。
クハ1748(池袋寄りのTc)/ (45-9-14) 小手指検車区
モハ748(パンタ付のM)/ (45-9-14) 小手指検車区
モハ743(パンタなしのM)/ (45-9-14) 小手指検車区
【参考2】初代「なの花」
今回「さようなら運転」を行った「なの花」は2代目で、初代が存在した。
クモハ1210+クハ81で、元西武鉄道のクモハ561+クハ1658である。
クモハ561は昭和36年製のクモハ551形(551~562)で主電動機100Kw×4の吊掛駆動車、クハ1656は37年製の平行カルダン駆動の601系のTcであった。
59年11月に入線し、平成9年2月に廃車になった。
【記念入場券】
【鰭ヶ崎駅入場券】
流鉄では各駅で大人と子供をセットにした台紙付の入場券を発売している。(馬橋駅と流山駅は売切れ)鰭ヶ崎駅の台紙は「なの花」である。上は総武流山電鉄時代、下は現在発売中のものである。
【その他】
〔営業距離〕
馬橋~流山間5.7㎞で、中間に幸谷、小金城址、鰭ヶ崎、平和台の4駅あり、小金城址が行違い可能駅で、その他は棒線駅である。鰭ヶ崎~平和台間に複線分の用地が存在するが、保線資材等が置かれている。駅間距離は馬橋~幸谷間の1.7㎞が最長で、平和台~流山間の0.6㎞が最短である。
〔運賃〕
2㎞までの最低運賃が120円と安く、3㎞まで130円、4㎞まで160円、5㎞まで170円、6㎞まで190円となっているが、5㎞に該当する駅間は現在のところ存在しない。入場料金は120円である。
6㎞の運賃を他の鉄道と比較すると同規模の銚子電鉄は310円、江ノ島電鉄250円、小湊鉄道240円、高いことで有名な北総鉄道、東葉高速鉄道は共に350円、都営地下鉄210円、本州地区のJRは180円である。
〔切符〕
ワンマン運転を行っているが、各駅に駅員が常駐しているため、運転士は運賃収受には携わらない。各駅には自動券売機が設置されているが、窓口でも硬券の切符を発売している。入場券は硬券である。
JR東日本との連絡運輸駅は馬橋であるが、新松戸と幸谷が至近距離にあるため、こちらで乗換える人も多く、特に柏、我孫子方面からの乗客はこちらで乗換える。
金町から流山に行く場合、JRの運賃は金町から馬橋と新松戸間はどちらも160円である。流鉄は馬橋~流山間が190円、幸谷~流山間が160円で、新松戸で乗換える方が30円安い。
〔初電・終電〕
流山発の初電は4時55分と早く、東京駅6時発の「のぞみ1号」を意識しての時間設定である。この電車に乗ると、馬橋着5時6分、馬橋発の常磐緩行が5時8分、西日暮里着5時31分、西日暮里発山手線は5時39分、東京駅着5時51分である。
馬橋発の終電は0時17分と遅く、新大阪発20時37分、東京着23時13分着の「のぞみ60号」で余裕で間に合い、新大阪発20時47分の季節運転「のぞみ408号」でも十分間に合う。
つくばエクスプレスの初電は、流山セントラルパーク(流山駅から1.3㎞)発5時21分、南流山(鰭ヶ崎から0.9㎞)発5時23分で、秋葉原着5時48分のため間に合わない。JR武蔵野線の初電は、南流山発5時27分、新松戸着5時29分で、接続の常磐緩行は5時47分発と早朝に関しては使い物にならない。
運転間隔は早朝、深夜を除き、朝ラッシュのピーク時13分、昼間の閑散時20分、その他の時間帯は15分間隔である。
〔その他〕
つくばエクスプレス開業により乗客が激減したが、この地域の経済の中心地は松戸市のため、流山~松戸間の輸送需要がある。平成の初め頃まで松戸から流山経由で東武野田線江戸川台駅を結ぶ京成バスが1時間に2~3本運行されていたが、道路混雑により定時運行が損なわれた結果、今では2~3時間に1本程度にまで減便されている。
地域住民の足としての役割は十分に果たしているが、昼間の乗客増が最大の課題である。都心から比較的近く、特に柴又帝釈天のある葛飾区とは至近距離にあり、これらの自治体と協力の上回遊ルートを作り、ローカル線及び沿線の魅力を発信することにより十分可能と思われる。
藤本様
当日はありがとうございました。おかげで遅刻したにもかかわらず、効率よく撮影できました。
流鉄は行きたいと思いながらも、始めてでした。
この「なの花」は塗装が西武オリジナルに近いのがうれしく、特に最後の最後に掲げてくれた西武の「快速急行」風の表示は、奥武蔵風ヘッドマークと合わせて感動ものでした。
(本家の西武では、すでに再現できない状態なのに流鉄で見ることができたとは。。。)
今後ともよろしくお願いします。
藤本様
新所沢都民様
当日は、楽しいひと時ありがとうございました。
偶然、KAWANAKA様ともお会いし、まさにDRFCクローバー会東京支部行事の感がありました。
昨日は、秩父の1000系目当てに広瀬河原に出かけてきました。
葬式鉄といわれそうですが、昔の車両は良いですね。
それら引き換え、今の車両は・・・・
今度の週末は、大宮と神奈川臨海。その次の週末は、田端のEF65撮影会と毎週のように鉄をしております。