明延鉱山日車図明延鉱山用客車 車体幅914mm、全高1,450mmという超小型で室内高も1,250mm

ぶんしゅう氏のブダベスト地下鉄1号線は、1896(明治29)年開業と猛烈に古いだけに、隧道断面が著しく狭く、シールド工法によるロンドンと違ってオープンカットであり、かつ地表からも常識を超える程浅く、断面が四角い。古い車両は恐らくは電動機寸法に制限されて車輪径をあまり小さくできず、あたかも大物貨車シキのごとき台枠と常識的な台車にせざるを得なかったことが分かる。

それが現在の車両では、電動機の回転数が上って体積を小さくでき、運転席や連節面の床もかなり下げられてはいるが、それでも連結面には貫通路が設けられず、横向き座席で床面高をカバーしているのが写真に見える。

このような著しく狭い隧道断面に対応した車両は、我国にも鉱山用にあった。一例に明延鉱山の客車図(偉いさんや来客用か)を入れておくが、電気機関車牽引だから車輪径を250mmと小さくでき、床面高は180mmだが、それでもその位置の床が高くなるから座席にしているわけで、要は同じ発想である。図面には昭和10.6.9の日付がある。鉱山隧道では電車でなく電機牽引とするのはそのためでもある。

」への4件のフィードバック

  1. 湯口大先輩様、ご教示いただきましてありがとうございます。日本にも同じ発想での車両があったとは驚きです。明延鉱山の客車は以前に見に行きましたが、そこまで注意深くは見てはいませんでした。古い車両を見る時は台車や台枠にも注意を払って見る事にします。
    こういった工夫があるのでしたら廃線する以前に路面電車でも低床車を製造できたのに・・、乗降しやすいと言う事は停車中の乗降に要する時間も短縮されて、スピードアップが図れます。時に昨今の京都四条通の片側1車線化に伴う交通状態はバスの乗降に時間を要しすぎて所定のバス停スペースに入りきらず、続行するバスが走行車線にダンゴ状態になってしまっているのが大きな要因と言われています。
    低床車が多く導入されているヨーロッパ各都市を見ておりますと、スムーズな流れで持って運行がされています。狭い道路の多い京都にこそバスよりも輸送力ある、乗り降りが短時間で済む低床式トラムが必要のように思えました。また降車時に運賃の精算時間が全くかからない信用乗車方式も必要かと思ったりします。

  2. 先日テレビで明延鉱山の電車運転の事が放映されていた。電車と言ってもバッテリィカーで須磨の大人が紹介した客車の牽引だが、残念無念となった思い出がある。京都に帰った翌年から京都府下へと販路拡大で、ついでに県境を越え兵庫県下まで足を伸ばした。その時に明延鉱山の1円電車に部外者でも乗れると知り、養父電話局増築工事の打ち合わせに絡ませ現地へ車を走らせたのだが、台風による道路閉鎖で引き返すことになった。DRFCメンバーにも訪ねた方がいると聞いている。当時の土産話をご披露願いたい。尚、数年前から年1回、町おこしで運転していると報じていました。

  3. ヨーロッパの路面電車やバスが日本と根本的に違うのは、運賃収受システムである。すなわち集札を一切行わず、乗客は自ら乗車券、あるいは前払いカードの運賃相当分をキャンセラーにかけるシステムだから、停留場や終点ではありったけのドアを一斉に開き、乗客は即時下車できるし、出入口を何か所でも設けられるのである。我が国では出口1か所=ワンマンで運転手が一人ずつチェックし、プリペイドカードの普及で以前よりは大分マシになったとはいえ、両替する人もいるし、特に終点ではすこぶる時間を要することになる。モタモタする老人でも居れば後ろの客はイライラがつのる。何とかならないのかと思うが、我国で自己支払管理システムは無理なんだろうか。なにやら情けない話ではある。

    • 京都四条通の渋滞をお金使わず一挙に解決できるには信用乗車制を採用する以外ないと思っています。バス停に自動切符販売機を設置する事による出費は、既存のバスの運賃箱を中古売却したりで全額とはいかなくとも捻出も出来ます。何よりも湯口大先輩様が申されますように乗客、そして運転手のイライラも解消できます。後は音頭をとってやる人材の問題ですな。

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