2009年 冬の芭石鉄道へ Part3 北京西站→成都T7次 その2

第3日目 2009年12月31日

北京西站16:49-(T7次)→18:39成都


7:15
、心地良い、走行振動に熟睡した朝を迎えました。T7次は、北京西站から京广線を南下し、河南省の省都の鄭州北站からは、隴海線を圣由して、乌鲁木齐(ウルムチ)、拉萨(ラサ)方面へ向かう線区との分岐駅の宝鳰站に、15分遅れで、到着していました。外は、遅い夜明けを迎えようとしています。中国国内には、時差はありませんが、実質的には、東北地方(旧;満州)と比べると、1時間以上は、日の出、日の入りが、遅いようです。

宝鳰から成都までは、1956年に開業した宝成線を走ります。直ぐに険しい山間路線となり、大小いくつものトンネルを抜けて、川に沿って、速度も40~70km/hで、ゆっくりと、右へ左へのカーブを走行します。人家が見えると、駅があります。単線ですので、全ての站で、客車や貨物列車の交換がありました。

宝鳰站から2つ目の楊家湾站では、拉萨へと向かうT22次と交換しました。この列車は、成都と重慶からの列車を併結しています。拉萨への所要時間は、約45時間です。すれ違う列車の硬座席は、T7次同様に、無座(立席)客も多数乗車していました。鐡道移動が、急増している中国鐡路ですが、線路容量が満杯で、旅客専用高速鉄道の建設が、急ピッチ進められている理由が分ります。

途中、山の下に線路が見えましたので、ループ線もあるようです。中国鐡路乗車では、初めて見る変化ある路線です。対岸の道路は、未舗装で、砂煙を上げながらダンプカーが走っていました。

しばらくすると、川砂の採取現場が続きます。経済発展によるビル・高架道路そして高架鉄道等の建設には、欠かせない川砂です。日本では、規制が多く、見る事が少なくなった光景です。遥か日本にも、その多くが輸出されています。

渓谷と言うには、清流が流れてはいませんが、いつ崩れてもおかしくないような場所に敷設された路線を走ります。対岸の道路も途中、山崩れで、寸断されていました。川の対岸に行くには、ボートを改造した、簡易フェリーです。橋も自動車が通る事は無理な、吊り橋がいくつもありました。ここでの生活は、さぞかし大変だろうと思いますが、それでも山肌には、どうなって建てたのだろうと思う家があります。数10キロも、こんな車窓が続いています。

車内では、餐車で調理された朝食を売りに、ワゴン車が何回も回ってきます。大きな站では、発車前に待合室で、駅弁を買う事も出来ますが、日本のように様々の容器に入ったような名物駅弁はなく、バイキングのように作り立てが入れられた総菜を選んで、使い捨てのトレイ容器に入れてもらいます。駅ホームにも、大きなワゴン車に、同じよう総菜が入っていて、トレイに入れてもらう事ができますが、停車時間は短く、面倒です。

大概の乗客は、車販弁当(20元=280円)を購入するか、持ち込みの食材やカップラーメンを食べています。お湯は、各車両に必ずありますので、お茶やコーヒーを飲むのには、不自由しません。軟座寝台には、お湯を入れるポットも置いてありますので、便利です。

車販の朝食は、お粥定食(10元=140円)、またはラーメン(5元=70円)です。
9:15、今日は、お粥弁当に付く総菜が、もう1つと言う相棒に対して、私からのお薦めで、北京西站食堂で、不評だったあっさり味ではなく、ちょっと辛目の四川風ラーメンを、ご賞味していただきました。お味は、車内で調理したとは思えぬほど、美味でした。

8時頃から始まった、渓谷沿いの車窓は、川幅が多少広がりましたが、変わることなく、まだまだ、続いていきます。

13:20、遅い昼食を食べに餐車に行きました。注文したおかずは、4品。相棒は、魚料理が絶品と評し、骨まで食べつくす勢いで、何度もうんうんと言いながら、食べていました。

昼食は、ちょっと豪華に肉・トマト・ピーマン・きゅうりの炒め、キャベツの味噌炒めと、絶品の魚料理を注文しました。毎日でも食べたい味です。ビール2本を入れて、これで、89元=1.249円です。こんな、お店が日本にありませんかねぇ!

13:50、ようやく山間区間を抜けて、ビルが建ち並ぶ市街地が見え出した頃、定刻に約1時間遅れで、广元站に到着しました。广元市は、阪神大震災の30倍の規模で、2008年5月12日に発生した四川大地震で、大きな被害を受けた都市の一つです。約9万人以上と言われている死亡・行方不明者の約2割を占めたと、報道されています。この地区では、人口300万人強の最大都市だけあって、T7から下車する客も多く、また新たな乗客も多くありました。
18:39、その後、T7次は、複線区間に入ってから、順調に快走を続けて、定刻41分遅れで、終着駅成都站に到着しました。

北京西→成都は、2,042km。25時間50分のT7次乗車の旅は、終わりました。日本で言えば、西鹿児島~盛岡に匹敵する距離です。

成都站は、2009年1月にリニューアルされたばかりの立派な駅舎で、駅前広場も整備されていました。悪どい、ぼったくりのタクシーもいなく、整然とタクシー乗り場に並んで、乗車、無事にホテルに着けました。

ホテルは、インターネットで、市内一の繁華街にある5つ星をとりましたので、日本のTVも見られました。ゆったりした豪華な部屋、インターネット無料、深いバスタブ、品数多い朝食付きで、ツイン1室が、9,151円(2人分)でした。宿泊料、交通費、食費と何でも安いのが、中国旅行の魅力でもあります。
チェックイン後、ゆっくりと、深夜まで、にぎあう繁華街を散歩して、2009年最後の夜を楽しみました。

寝台列車では、昼間もうたた寝をする事も多かったので、動いていないから、空腹感はありません。歩行者天国の繁華街を歩いて、彼は、屋台で秋刀魚を見つけて食しました。後は、あっさりと、成都名物の韓包子と、涼皮を食しました。涼皮は、トコロテンの触感で、スープと絡めると絶品です。秋刀魚焼きは、5元=70円、街の食堂は、ビールも入れて、52元=728円、、少し高めです。

成都は、水がきれいで、料理も数多く、美食の街だそうです。餐車での絶品の数々は、その始まりだったようです。これから、食べるのも楽しみになってきました。

明日は、いよいよ、待望の芭石鉄道へと向かいます。 Part4 へ続く

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