「ミニ企画展 江若鉄道」大津市歴博で開催

事務局からも案内のとおり、大津市歴史博物館で、本日10月1日から、「ミニ企画展 江若鉄道」が開催されています。同館では、過去3回に渡って、江若鉄道や大津の鉄道に関する企画展を実施、いずれも絶大な人気で、入館者数も図録販売も記録的な数字を達成しました。なおも地元では江若への熱い思いが続き、再度の展示が待望されていました。ことし3月にも、江若交通本社で趣味者グループが江若展を開催、そして廃止からちょうど50年、来年には会社設立100周年を迎えるいま、大津市歴史博物館で三たびの開催となりました。
▲開催初日の本日、午後2時から、オープニングイベントとして現地見学会「江若三井寺下駅を探検する」が行なわれた。まず館内展示の三井寺下ジオラマのまえで、学芸員のKさん、西村さんの説明を受け、50年前の姿を頭にイメージしてから、フィールドワークに出発した。背後はクローバー会制作のスライドショー、86さんの白鬚駅が上映中。

この企画展では、館からの依頼を受け、クローバー会として協力することになり、8月から、西村さん、大津86さんとともに打ち合わせを進めました。開催前日の9月30日には、ほかの趣味団体とともに、設営作業を手伝い、本日の開場を迎えました。
クローバー会が協力したのはおもに3点で、
・西村さん制作の三井寺下駅・車庫の再現ジオラマ
・「列車・車両」をテーマにした写真構成・展示
・大型スクリーン投影のスライドショー構成・制作
写真は、廃止直前のものだけでなく、人間国宝クラスが撮影した蒸機や水泳列車、DCでも以前の「こだま」色時代のものなど、まさにクローバー会ならではの写真内容となりました。“ミニ”と言うように、常設展の横を間借りした展示ですが、その分、クローバー会の思いがギュッと詰まった展示となりました。過日の「ブラタモリ」に二回も登場実績の、権威ある公立博物館に対して、クローバー会ならではの協力できたこと、何よりの成果だと思っています。

外へ出た約50名の見学者は、江若敷地と隣接していた旧陸軍の敷地跡を歩き、今も残る関係者が住んでいた住宅を見学した。付近の電柱には、住居表示と並んで、まだ「江若」の文字が所在票に残っていた。電柱には、消えた地名、施設名が、そのまま所在票として使われていることが多く、街歩きのポイントになるという。

 

 

三井寺下車庫跡のエリアに入って、車庫から下り方(滋賀方面)を見たところ。線路跡は道路になって、右手にゆるくカーブしている。車庫の側線が広がっていたところは、写真左のように、歩道兼駐車スペースになっている。

上の写真とほぼ同じ角度。中央やや右手に踏切があり、一人が横断しているのが見える。この踏切については、後述。さらに廃止後の翌年、線路が撤去された際の同じ地点。

こちらは、滋賀方面から車庫方面、上記とは逆の方向を向いている。クルマが通るのが線路跡、横切る細い道が、上記の踏切跡だった。足許には、OにWの江若の境界杭が残っていた。

写真に見える2軒の白い土蔵、そのいずれもが、江若時代からあったもので、西村さんの写真には、手前に留置されていた貨車の背後に同じ土蔵が写り込んでいた。まるで、50年後に現地見学会があることを予測して撮ったような写真に、見学者は感嘆の声を上げた。

三井寺下の中枢である、三井寺下駅、それに隣接していた本社社屋の跡地には、キリン堂、ミニストップ、および駐車スペースとなっていた。最後は、明日都浜大津のテラスで説明を受ける。この場所は、三井寺下から南へ線路が延長されて、最初の浜大津駅のあったところで、かつての大津城の掘割を埋め立てた荒れ地で、駅の用地取得が容易だった。そのあと、さらに廃止前まで駅のあった浜大津駅(当時、貨物駅)まで少し延長された。

今回のフィールドツアーには、われわれ実行グループ以外にも、最も近くにお住まいの無印不良品さんが、申し込み多数で落選したのに、奇跡の復活を遂げて、めでたく参加され、日頃は“闇鉄”専門の鉄鈍爺さんも、夏のような日差しのなか、ちょっとまぶしそうにして参加していただきました。終わった後の爽快なビールで、一同、歩いたあとの疲れを癒やしたのでありました。
なお、11月4日には、「ビデオ上映・座談会の見学&打ち上げ」が行なわれます。早くも、大阪通信員さんから、“這ってでも行きたい!”と有り難い声もいただいています。参加の皆さんには招待券をご用意していますが、都合で、それまでに展示を見学希望の方には、事務局から招待券をお送りしますので、事務局までご連絡ください。

 「ミニ企画展 江若鉄道」大津市歴博で開催」への2件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様
    早速アップしていただきありがとうございました。いつものミニ企画展はいつも常設展の一部に展示があるだけですが、今回はロビーとスクリーンを使い、企画展に近い形で、新しい展示品もあり充分満足していただけるものだと思います。
    また、廃線跡散策も近くに居りながら知らないことも多く、散策していると、50年前の記憶が少しづつよみがえってきました。また別の機会に廃線跡をゆっくりと尋ねてみたいと思っています。

    • 大津の86さま
      昨日は、暑いなか、お疲れ様でした。同様のウォーキングは、前回の江若展でもあったのですが、忘れかけていた部分もあり、改めて歩いてみて新鮮な気持ちで探索できました。参加者を見渡すと、江若の最後を見届けたと思われる年齢層が多かったのですが、さすがに50年も経つと、皆さんの思い出や記憶力は薄れているように見えました。現地を歩いて、50年の隔たりを改めて感じるとともに、その回顧のお手伝いができたこと嬉しく思います。

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