ほぼ同月同日 50年前のあの日に還る 〈1〉

はじめに

「市電」はしばらく休んで、また「50年前」シリーズを続けます。今回は、「50年前のほぼ同月同日」シリーズとしました。50年前の昭和47年のことを振り返りますと、市電四条線などの廃止を見届けたあとは、学校の授業は、全学封鎖のお蔭ですべてなくなり、卒業試験は全部レポートに変わり、難なく卒業が決定、あとは入社式を待つのみと言う、趣味人生で最大のチャンスを迎えていました。もう出掛けるしかありません。同年の2・3月には、東北(2/2~2/10)、信州(2/18~2/24)、北海道(3/12~3/24)、ほか近隣へ、計31日に渡って撮影旅行を続けます。

この期間に使った均一周遊券、東北-15日間有効、6000円 信州-7日間有効、3300円 北海道-20日間有効、7040円(いずれも京都発着、北海道は冬期2割引き料金)。鉄道ピクトリアルの今号に均一周遊券の詳しい解説がされている。この時期の表紙には、地域の郷土玩具が描かれているのは知っていたが、バックの白抜きは「しんにょう」であり、これは「遊」の字をデザイン化したものと初めて知った。

当時の国鉄は、幹線ではほぼ無煙化が近づいていたものの、まだ蒸機は1601両(昭和46年4月)が残っていて、それに呼応して、空前の“SLブーム”が起きています。また一般の旅行も、万博後のDISCOVER JAPANの浸透で旅行客が急増、旅客需要もさらに拡大、ダイヤ改正ごとに、優等列車の新設、列車増発が続きます。趣味者にとっても国鉄にとっても、希望のあふれた時期でした。

自分にとっても、感性が豊かで、脂の乗った時期でした。過日の写真展でも、この期間に写した何点かを展示しました。ところが、それらは極めて一部で、大部分は50年経ってもプリントすらしていない状態です。過去と現在を同月同日でシンクロさせた旅行記を載せたいと以前から思っていました。「無理しても発表するのは今しかない」と思った次第です。ただ、すべての期間を紹介するのは、なかなか難しいことです(たぶん無理)。そこで、投稿頻度を上げるには、状況描写や感情は抜きにして、羅列した写真に簡潔なキャプションを添える程度にして、投稿の効率化、省力化を目指しました。ただ、補強のために、乗車記録、切符、時刻表、スタンプも入れて、できるだけリアル感を出して行きたいと思っています。期間中の時刻表、左は奥羽本線秋田~青森電化を柱とする昭和46年10月号、右は新幹線岡山開業が目玉の昭和47年3月号、北海道行きの途中に、この改正を迎えることになる。手帳は、旅行中に書き留めた撮影記録、記憶がかなり飛んでしまっている今、これが無ければ、今回の連載もできなかった。

 

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