駅のある風景  ~37枚目の写真から~ 〈6〉

タブレットの授受 ②

毎日、怒涛のように(?)、車両が見当たらない写真やバスばかりを載せて、誌面汚しではと危惧していましたが、紫の1863さん、勘秀峰さんから、タブレット授受の写真で応援していただき大いに励まされました。調子に乗って、あと一回、タブレット載せます。

現在、タブレットを使った非自動信号の運転は、地方私鉄、専用線で辛うじて残っていますが、JRでは、より簡易なスタフ閉塞を行う路線が残っていて、輪っかのキャリアを使っているため見かけはタブレットと変わりません。

タブレットを受け取り、加太越えに出発(柘植)

ダブレットキャッチャーに投下して、C57の牽く貨物が通過して行く。直立し敬礼する助役の白い手袋が印象的。ダブレットキャッチャーは、乗客の邪魔にもなり、危険でもあるので、取り外して移動できるようになっていた。今は豪雨被害で何年も不通が続く肥薩線瀬戸石にて、すぐ横に球磨川が流れていた。ホーム端の投げ器にセットされたタブレットを押さえて、D51の牽く貨物の通過を待つ。山陰本線岡見(推定)にて。雪の宗谷本線で、助役がタブレットを手渡し、まもなく発車、炭水車ではまだ石炭の均し作業に忙しい。この画面だけで、5人の要員がいて、非効率な時代を象徴している。函館本線小沢にて、通過するDC急行をスローシャッターで、渦巻き型の受け器に、クルクル回って落下するところを狙ってみたが‥。

只見線でまだ客車列車が残っていた時代、周囲の迷惑も顧みず、1両目の窓を開けて、交換があるたびに、タブレットの交換風景を写した。

 

この時代、国鉄主催の鉄道写真コンクールがあり、大賞になったのが、降雪のなかの蒸機のタブレット交換だった。ぜひパクリたいと、常紋信号場を訪れた時、もっぱら駅付近でスナップ撮影ばかり、タブレット交換の瞬間に狙いを定めた。

 

 

 

 

 

タブレット授受で、いちばん迫力があるのは、ホームのない線路上での交換だろう。機器が無いから、すべて素手での受け渡し、機関車側とは高低差もあり、危険な作業でもあった(久大線筑後大石)。

 

 

 

 

 

ここまでは非電化区間ばかりだったが、もちろん電化区間でも、非自動閉塞区間ならタブレット交換が見られた。写真は飯田線で、当時、本数の多い豊橋~豊川は自動化していたと思われるが、あとは長大なタブレット区間だったと思う。通過するのは、急行、貨物に限られるが、165系電車には、タブレット交換の受け器も保護棒もなく、授受には細心の注意が必要だっただろう。

飯田線を走る電機、ED18やED19も、タブレットの授受を繰り返して、貨物を運んていた。

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