北総開発鉄道(平成16年7月1日北総鉄道に社名変更)7000系は、昭和54年3月9日小室~北初富間開業時に新製した電車である。
関 三平氏の解説文は「新鎌ヶ谷」となっているが、これは誤りで「北初富」が正しい。
開業時より新京成電鉄と相互乗入を行い松戸まで直行し、都心との連絡は、新京成電鉄、常磐線を介して行われた。
6両編成3本が新製され、両端が制御車7000形、中間が電動車7100形で、編成は下記の通りであった。車体メーカーは3編成ですべて異なっていた。
←北初富 →小室 製作
7002-7104-7103-7102-7101-7001 川重
7004-7108-7107-7106-7105-7003 日車
7006-7112-7111-7110-7109-7005 東急
昭和59年3月19日住宅・都市整備公団が小室~千葉ニュータウン間を開業し、その運営を受託した。
平成3年3月31日新鎌ヶ谷~京成高砂間を開業し、京成電鉄、都営地下鉄浅草線を介して都心乗入れを果たした。
それに先立ち、平成2年11月に8連化が実施され、7200形を6両(7201~7206)日本車輌で新製し、3両目と4両目の間に2両ずつ挿入された。
平成4年7月8日新京成電鉄が北初富~初富間に新鎌ヶ谷駅を新設したことにより、新鎌ヶ谷~北初富間の連絡線を廃止し、松戸乗入れを廃止した。
平成18年3月、7002、7006編成が運用から離脱して廃車、残る7004編成も19年3月廃車になった。
【窓が嵌め殺しの電車】
湯口先輩がコメントに書かれた、定山渓鉄道モ2301、2302と札幌市電について触れておく。
定山渓鉄道モ2301、2302
昭和39年10月、モ201とモ301の車体更新車として、台車、電装品を流用して東急車両で車体を新製した。
車体の骨組みと外板は、耐候性高抗張力鋼を使用し、ステンレス鋼の工法で作られ、経済性を重視し、ファンデリアがあれば夏でも大丈夫であろうと云うことで、窓は固定窓とした。
これが大失敗で、夏は蒸暑さのため気分が悪くなる乗客が続出し、車内に汚物処理用のビニール袋を取り付ける羽目になった。
定山渓鉄道は、昭和44年10月31日限りで鉄道を廃止してバス専業になったため、僅か5年で廃車になった。
モ2301/ (44-9-4) 豊平
昭和8年日本車輌製のモ201の車体更新車である。
電動機は三菱MB64-C形 59kw×4、台車はD-16形
。
モ2302/ (44-9-4) 豊平
大正10年汽車会社製のモ301の車体更新車で、前身は鉄道省の木製車モハ1形のモハ1038である。
昭和13年12月に譲受け、車体の半鋼製化、両運、中央扉の閉鎖等の改造の上入線した。
電動機はGE-101形 85kw×4、台車はTR-14形であった。
この時点で既にパンタグラフが外されていた。
札幌市電
連節車A820形2編成、A830形6編成、路面ディーゼルカーD1040形2両が在籍した。
定山渓鉄道モ2300形程問題にならなかったのは、嵌め殺しの大窓の上に換気用に内側に開く小窓があったこと、停留所間隔が短く扉が頻繁に開閉したためと思われる。
A820形(A821~A824)
昭和39年12月東急車両でA821-À822、A823-A824の2編成新製された。
朝夕のラッシュ時の専用車で、活躍期間は短く51年6月廃車になった。
A830形(A831~A842)
昭和40年10月、A831-À832、A833-A834、A835-À836の3編成が日本車輌で、A837-À838、A839-A840、A841-À842の3編成が東急車両で新製された。
A820形との相違は、運転台右側の扉が無くなり片側3扉に、両開きの扉が2枚重ねの片開きになったこと等である。
51年6月の連節車運行が中止になるまで使用され、日本車輌製は長期休車後59年12月に廃車、東急車両製は名鉄に譲渡された。
名鉄では、順にモ871~モ876に改番され、美濃町線で投入され、改造を重ねながら平成17年3月末の同線廃止まで使用されたのでご覧になられ方も多いと思う。
モ871-モ872 / (52-1-1) 野一色
さすがに窓は嵌め殺しという訳にはいかず、入線時に1枚おきに開閉可能なユニット窓に改造した。それでも夏季の蒸し暑さは解消されず、全部の窓を開閉可能に改造した。
A875-A876 / (H11-4-1) 徹明町
平成8年車体更新と冷房改造が行われ、札幌時代のスタイルは失われてしまった。
初めまして。北総開発鉄道7000形は私の高校時代にさっそうと登場したステンレスカーで、特徴的な前頭部の形状や窓周りの粘着フィルムによる鮮やかなブルーの色彩がクールでカッコ良い電車でした。しかし意外にも短命で、2007年に全車引退してしまいました。7001のみ西白井駅にシートをかぶって生き残っているようです。さて、7000形のデビュー当時の編成に誤りが見られます。正しくは以下の通りです。
7001-7101-7102-7103-7104-7002
7003-7111-7112-7113-7114-7004
7005-7121-7122-7123-7124-7006