▲ 今夜はアダナからアンカラまで待望のブルートレインに乗っての車中泊です。走行距離は697㌔、所要時間は12時間4分、平均速度は57.76km/h。遅めですが、その分乗り鉄旅を楽しめます。
元々はコンヤ(Konya)のトラムを撮るため翌日午前に列車で向かう予定をしていましたが地図をご覧のように、途中から線路工事で運休になっていました。そして代替バスとの接続も悪いので遠回りにはなりますが夜行列車でアンカラへ、ここからは高速列車でコンヤ入りとしました。
第12日目 9月12日 その3
▲ 18:47 ビールの買い出しも終わったので待合室から地下通路を通りホームへと上がりました。アダナ駅のホームは片面式と島式の2面3線です。
1番線で発車待ちするのは68㌔先の港町Mersinへ向かうローカル特急(BÖLGESEL eks.)。所要時間は鈍行約1時間、特急約45分で、ほぼ1時間ヘッドで合わせて1日28往復しています。特急の平均速度は90.7;km/h、これはかなり快足です。
3番線に止まっているのが私と家内が今晩お世話になりますトルコの夜行寝台特急・チュクロバ ・ ブルートレイン(ÇUKUROVA Mavi)です。
▲ こちらが運賃+特急・寝台券です。ご覧のように65歳以上50%割引で59.50TL(約2,400円)、格安です。
▲ サボ(行先表示板)です。表示されていませんがカイセリを経由します。
カイセリはスイッチバック駅になっていますので、ここで方向転換して逆向きに走行して行きます。
左側はTCDD公式HPから抜粋した各停車駅の発着ダイヤ表です。
クリックしますと拡大できます。
見ますと、停車時間は最長でも4分間です。機関車交換で長時間停車する事はなさそうです。
▲ 今日の牽引機はDE22-053号機、編成は①電源車1両+②~⑤プルマン車(2+1シート)4両+⑥食堂車+⑦寝台車の7両短編成ですが食堂車が連結されているのがすごいところです。
▲ この列車の客車です。車体長;26,400㎜、車幅;2,825㎜、高さ4,050㎜、シュリーレンの台車は最高速度140km/hに対応しています。座席は2+1のゆったりとした快適シートで、定員60人です。結構乗客はおられ、発車間際には満席になりました。
▲ 私と家内が乗車する寝台車です。4人用の広さのコンパートメントを2人用に設計した部屋です。十分なスペースが確保されていますので居住性は大変良好です。
液体石鹸の付いた洗面台、水の出も良くて、鏡の下には2枚のタオルが置かれています。ハンガー、スリッパも2人分用意されています。机の下には電気冷蔵庫まであって、庫内にはサービス品の水・ジュース・チョコレート・ポッキーが入れられていました。これならビールも冷やせます。ベットは70㎝×190㎝の上下2段のゆったりサイズ、発車直前にメーキングされました。
これでシャワーとトイレがあれば最高ですが・・。トイレは車内両端に洋式とトルコ式が各1ケ所、清掃も出来ていて清潔そうです。シャワー室は設備はありましたが現在は故障なのか使われていませんでした。
▲ 1車両に2人用の10部屋があり、定員は20人です。贅沢な空間と感心しました。
▲ 7両編成と言っても乗客が乗っているのは5両で、最大定員は約260人です。決して多い乗客数ではありませんが、食堂車を連結しています。こちらの定員は約48人です。調理人はコックが1名、給仕とキャッシャー兼任で1名が料理を作り接客します。厨房は一人なら十分のスペースです。既にスープが出来上がっていました。コンロは中国のように石炭ではなく、電熱器です。
ビールは乗車前に確保済みですが、よく冷えたビールが用意されていました。他にもアルコール類は豊富でウイスキー、ブランデー、ウオッカ等ありました。これだけあれば宴が出来ます。
▲ 19:10 2番線ではDE24-383号機牽引のİskenderun行きが発車待ちです。シリア国境に向かいます。定刻なら19:00発ですが少し遅れるようです。
金網の向こうの1番線に止まっているのは先ほど到着したFirat特急(アダナ~エラズ)です。
定刻ではエラズを7:35に発車して10時間48分をかけて18:23の到着です。こちらも遅れて入線しました。昼間の特急ですので寝台車はなく座席車編成です。
▲ 19:12 発車まで18分前です。乗客も最後の皆さんがホームに上がって来られます。
▲ ホーム中央にあるKIOSK。お菓子類や水・ジュースの飲み物は売っていますがビールはありません。
▲ ホームで何やら売るおじさん。客は来ず手持ち無沙汰状態です。
▲ 19:15 陽が沈み発車間際となりました。部屋に戻って発車を待ちます。
発車は7分遅れの19:37でした。
▲ 19:55 発車して車内改札も終わり落ち着いたところで食堂車訪問です。
早速冷えたビールを注文しましたが、街角売店で6TL前後で買えるものが9TL(約360円)の良心的な価格設定です。
給仕係のおじさんは栓抜きなど持っていません。ペーパーを巻いてぐりっと回して栓を取ってしまいました。ライターや割り箸等の固いものを利用してビールの栓を抜く名人芸はたまに見ますが。素手だけで開けるのは初めて見ました。見事です。
料金ですが、コーヒー・チャイ類が3TL前後(約120円)、スープ4TL(約160円)、メインのケバブ料理は高いもので16TL(約640円)です。列車食堂は髙いものと思い込みがありますが、街角食堂と比べると、ボリュームが不足するくらいでそれほど高くはありません。
▲ 始めは5組ほどのお客でしたが次第に増え始めて満席近くまでになりました。
日本人客は珍しいようで、あちこちからお声がかかって一緒にビールを飲んでお話をしたりで大いに盛り上がりました。
気が付けば10時を回っていて部屋に戻ったのは10時半にもなっていました。
▲ 6:10 東の空があけてきました。今日も快晴のようです。
▲ 走行スピードは平坦地では80~100km/h、山岳地では40~60km/hです。全体にカーブが多い単線非電化路線ですのでこれぐらいが限界なようです。
▲ 8:34 アンカラに到着しましたが、定刻では7:34着です。丁度1時間遅れでした。乗り継ぐ高速電車の発車時刻は8:50、急ぎました。
▲ 高速電車が発車する1番ホームです。この先に改札口がありますが、とんでもない事が待っていました。 Paer23に続く