新京成電鉄800形「さよなら運転」

新京成電鉄800形が、DRFC関東連絡網でデカンショ祭り号様と準特急様が報告されている通り、7月17日に実施されたダイヤ改正で運用を離脱し、7月24日(土曜日)と25日(日曜日)に「さよなら800形」イベントが実施された。

内容は「さよなら列車」の乗車、くぬぎ山車両基地での撮影会で、両日とも午前と午後の各1回ずつ計4回実施された。募集人員は1回当たり400名で、応募者多数の場合は抽選となっていた。参加費は2500円で、一見高いように思えるが、内容は「さよなら列車」の乗車、記念1日乗車券(500円)、「さよなら800形弁当」(700~800円位)、「さよなら列車」の扉横に取り付けられたものと同じ「さよならプレート」(1000円位)と盛り沢山で、決して高くはないと思った。弁当は後片付けの手間を考えると通常の「さよなら記念乗車券」でもよかったのではないかと思う。

たまたま24日は昼過ぎまでスケジュールが空いていたので午前の部に参加した。異常に暑い日で、午前9時くぬぎ山駅に集合、受付後「さよなら列車」発車までの間、乗車指定号車毎に所定の場所で待つことになっていたが、熱中症で気分が悪くなった人が出た。「さよなら列車」はくぬぎ山駅を9時57分に発車し、扉の開閉はせずに各駅に停車しながら新津田沼に10時19分到着、折返し10時30分に発車して八柱着11時、再度折返し11時6分に発車、くぬぎ山駅に11時12分到着後、直接車両基地に入りここで下車となった。もう1編成の800形の撮影会が行われており、乗車した編成も隣に並んで停められた。弁当が配布され検修庫内に停められた8517編成(8517-8033-8034-8035-8036-8518)の車内が食事場所となっていた。

1日乗車券があるので、午後の部の「さよなら運転」を沿線で撮影しようと思ったが、撮影できそうな場所での人の多さと、あまりの暑さのため体力に自信がなくなったため退散した。

新京成800形について簡単に述べると、新京成電鉄初の高性能車として昭和46年から50年にかけて4両編成と2両編成各6本計36両が新製された。昭和46年の新製車は、京阪3000系、阪急5100系、東京メトロ千代田線6000系第1次量産車、旧国鉄489系、415系、京福モポ300形等が挙げられる。他社の新車と比較すると、走行線区が地味なことと、通勤輸送に徹した作りのため華やかさはないが、約40年に亘り地元の足として活躍した功績は大きい。昭和60年から実施された更新工事で、冷房改造、乗務員室の機器の配置を8000系と同様に変更、終日6連及び8連化に伴い先頭に出ない車両の中間車化等が実施された。平成7年から最高速度向上(75K/H→85K/H)に伴うMT比の変更、余剰車の廃車が実施され、最終的には6両編成2本と8両編成2本に組み替えられた。6両編成は平成17年と19年に新製車N800形との置き換えで廃車され、下記の8両編成2本が最後まで残った。

←津田沼 811-805-857-812-859-803-854-810

               813-816-863-814-855-804-853-806

朝のラッシュ時を中心に使用されていたが、稀に終日運用に入ることもあった。(そんな時に限ってカメラを持っていない)

「さよなら運転」には813~806の編成が使用された。811~810の編成は【5552】(2009年11月25日)「新京成電鉄第15回 電車基地見学・展示会」で紹介してあるので参照いただきたい。また、807の前頭部が車両基地内に保存されている。

 

 

 

 

 

上から813、816、863、814、855、804、853、806

 

806の車内と冷房改造の銘板

 

811~810編成

 

807の前頭部

 

昼食場所となった8517編成

 

引退記念一日乗車券と乗車証明書

 

「さよなら800形記念弁当」の包装紙

 

記念品のプレート

 

記念乗車券

【参考】九十九里鉄道のポスター

 

京成電鉄と新京成電鉄の車内や駅構内に掲示されている九十九里鉄道のポスターである。同社は昭和36年2月28日鉄道廃止後も社名変更することなく、バス会社として存続している。余談であるが同社のHPに在籍するバスの諸元が写真と共に詳細に掲載されている。昭和60年製の富士重工5Eボディー車が健在であるようなので、興味のある方はご覧いただきたい。(通常在籍車両の諸元については、企業内の機密事項として取り扱われ、公開されないことが多いが、見る人が見れば判る。関西では京都バスが公開している。いずれにしても非常に珍しいことである)ちなみにバスの寿命は平均15年位、長くても20年位である。最も日本で廃車になったバスが東南アジア方面に輸出され、更に使用されているので、大切に使用すれば25~30年位は使用できるのではないかと思われるが、排気ガス規制等いろいろな規制があり、そうもいかないようである。

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