新・ここはどこ?私はだれ?【中村進一氏のアルバムより】-3-

未解明の蒸機があるので様子見をしていたら『次を早く!』とのご請求がありましたので、積み残しをしますが先に進みます。

⑤13号の表記

⑥1859(吹)

⑦7850

⑨956

⑩ 3

古典機の写真はこれでほぼお終いです。

新・ここはどこ?私はだれ?【中村進一氏のアルバムより】-3-」への15件のフィードバック

  1. 「⑤13号の表記」
    これは赤穂鉄道13号機です。
    ボールドウィン社のClass Numberで「6-10-D 5」(全車輪-6、シリンダー径-8インチ、動輪数-6の機関車としてボールドウィン社製造の5番目の機関車)、メーカー製造番号 14077。
    水郡線の前身である太田鉄道が当初の計画で762mm軌間の3両のC形サドルタンク機を発注(メーカー製造番号14075・14076・14077)するも1,067mm軌間での開業となったため一度も使用されないまま不要となったものの1台。
    14075は竜ヶ崎鉄道1号機となった。14075は1915年の竜ヶ崎鉄道の改軌により不要となり、1921年に赤穂鉄道に売却、1936年に老朽化で廃車。
    14076・14077の2台は海軍が工事用に購入、その内の14077は松浦炭礦に払い下げられ3号機となったが、その際に傷んだサドルタンクを新製、キャブは旧摂津鉄道のスイス製機関車のものを流用。写真にみられるようにアメリカ型の機関車に欧州風のキャブがついているのはこの由来による。
    14077は松浦炭礦が佐世保鉄道に吸収され13号機となり、さらに同鉄道が国有化されたことからケ600となり、1941年に赤穂鉄道に払い下げられ13号機となった。
    つまり、アメリカ生まれの三姉妹の姉が嫁いだ赤穂鉄道に、その姉亡き後、末娘が嫁いだ!

  2. ⑧は雄別炭鉱鉄道205ですね。
    1922~1925年、ドイツのコッペル製C型機、同型14輌が輸入されて各地で活躍しています。雄別205のコッペル製造番号は10475。
    北海炭礦鉄道→雄別炭礦鉄道→雄別鉄道と社名は変化しています。1970年に雄別から釧路開発埠頭に譲渡された直後に廃車となっています。

  3. ⑩は西武新宿線の前身である川越鉄道の3号機ではないでしょうか。1896年、イギリスのナスミス・ウィルソン社製(製造番号493)、1B1タンク機、官設鉄道の「A8」系に属します。西武鉄道に引き継がれ、1944年の一斉改番で5号機となり多摩川線で使用。晩年は上武鉄道に貸与、西武鉄道へ戻り5号機として復元保存されています。

    • おっしゃる通りです。
      疑問を持った小生がアホでした。
      保谷に保存されている5号機だったのですね。
      これで良く分かりました。有難うございます。

  4. 乙訓の長老の甥様
    ありがとうございます。
    私事ですが、明日と明後日は当会会長のお供をして山口線と因美線の完乗に行って参ります。その間はスマホでのチェックだけになりますが留守の間をお願い致します。
    紫の1863様、西村雅幸様、よろしくお願い致します。

  5. 関西鉄道の「電光」に、山陽鉄道の快速タンク機48、お宝が続きますねえ。
    一番ややこしそうな⑩ですが、小生もA8系と直感しました。ところがこの機関車、蒸気で隠れたのか従輪が見えません。A8は1B1のはずですが、こんなものは見たことがありません。「機関車の系譜図」に尼崎製鉄所の3号機が載っていて、軸配置は1Bです。しかし社紋が違い、炭庫の形状も違います。これは違う。他をあたろう。同書には西武鉄道の5号機も載っていて、こちらには旧403とあります。房総鉄道から来た1886年製のナスミスで、製番は303と調べが付きました。川越鉄道403⇒5⇒4(2代目)と変わりましたが、どこにも「3」はありません。アカン、他をあたろう。
    同書のナスミスA8系一覧に、川越鉄道3があって、こちらが1896年製の製番493の方で、後の改番で「5」を名乗りました。ああ、こっちやったんか。
    西尾氏の「5」を見て、これや!と早とちりしたのが間違いの始まりで、紆余曲折の末ようやく答えに辿り着けました。現在の「5」は旧「3」で製番493。「4」が旧「5」で製番303。ああ、ややこしい。

    • 旧西武鉄道時代の1944年の一斉改番ですが、同じA8系の旧3→新5、旧4→新6、旧5→新4となっていて、本当にややこしいです。

  6. ⑦は関西鉄道が加太越えに使用するため、1898年にダブスから10両、1906年にノースブリティッシュから2両購入した1Cテンダ機です。関西鉄道時代は「電光(いなづま)」の形式を名乗っていました。最大の特徴はテンダ機関車にも関わらず、タンク機関車のように水槽を持っていることでしょう。勾配線での使用に備え、念を入れたのでしょうか。
    関西鉄道30は国有化後に7850となり、1933年11月に東灘で廃車されました。神戸臨港線で使用されていたのでしょう。廃車は1933(昭和8)年と早く、この写真も廃車待ちのように見えます。しかし、ここは東灘機関区でしょうか? 背後の山並みは六甲山系とは違うように見え、高架線の側壁らしきものも気になります。
    同型機が梅小路にいて、昭和27~8年ごろの京都駅で入れ換え中の7851が、ネコパブの「梅小路9年史」に載っています。

    • 「梅小路9年史」は「梅小路90年史」の間違いでした。確認が不十分で、申し訳ありませんでした。
      謹んで訂正させていただきます。

  7. 米手様がお帰りになられたので、のんびり構えていられません。
    ⑥はダブスのCタンク機で、鉄道作業局の58もしくは80(諸説あり)です。山北や奥羽南線にいた記録があって、勾配線で活躍したようです。改番によって1850形1859となり、1923年に神戸、1933年には大阪にいたことが確認されています。1941年には博多湾鉄道汽船に譲渡されて19となりますが、最後は再び国鉄に戻って1859となり、戦後の1948年に吉塚で廃車されています。
    58であれば製造は1886年ですが、80では1887年になります。
    背景が消されてよく分かりませんが、蒸気が見えますので稼働中のようですね。「吹」が見えますので、操車場で入れ換え中でしょうか? 
    ⑨は1896年ボールドウィン製の1B1タンク機です。山陽鉄道48⇒鉄道作業局48になりますが、956に改番されて1931年に湊町で廃車になりました。
    背景は機関庫のようですが、湊町に庫があったのでしょうか?
    昭和ひと桁に撮影された写真で、大変貴重なものですね。
    いずれ劣らぬ珍しい写真を解明するため、部屋中に本が散乱しております。えらいこっちゃ、片付けんと寝られへん。

  8. ⑩について、しつこく調べてみました。
    機関車は旧西武鉄道の3号機で、1896年ナスミス・ウイルソン(製番493)と分かりました。写真には給水タンクや木造車庫が見え、どこかの機関庫のようです。一つ、この場所を探してやれと思い立ち、「ピク」の西武特集号を開くと、北多磨のようです。鉄製やぐらの上に乗った二つのタンク、木造車庫もそっくりです。ですが、北多磨の場所が分かりません。現在と昭和初年の古地図を比べると、「白糸台」に名前が変わっていました。よし、これで場所は分かった。次は撮影時期を考えてみます。
    3号機関車の入線は昭和3年で、この時すでに旧西武の路線になっています。5号機に改番されるのは昭和19年ですので、「3」を付けていた時期は昭和3年以降、昭和19年までです。と、ここで気になることが一つ。それは背後に見える架線柱の存在です。武蔵境-北多磨の電化完成は戦後の昭和25年で、昭和19年では電化されていないはずです。電化はまだだが、架線柱は建っていたということでしょうか? また、鉄道写真の撮影は昭和16年以降には難しかったはずで、おそらく昭和15年までが限界ではなかったかと思います。
    多摩川線のご先祖の多摩鉄道が川砂利輸送を目的に建設されたことや、川砂利がコンクリート建築の普及とともに需要が増えたこと。それ以前に、多摩川線がどこにあるのか?等、色々と勉強になりました。
    関東の鉄道は関心がなく、西武では輸入電気機関車以外に関心がなかったのですが、調べ始めると面白く、次々に興味が湧いてきます。良い機会を与えてくださり、厚くお礼を申し上げます。

    • こちらこそありがとうございました。
      知らなかったことがよく理解できました。
      これらのコメントはすべて写真のプロパティーに記載してDVDにして中村さんに差し上げます。

  9. 外野より失礼致します。⑥の1859の写真は、鉄道省の大阪駐在事務所が、1947(昭和22)年に英文で発行した、”Album of Rolling Stocks”に掲載のものと思います。この本は、当時在籍した主要車両を写真と要目で解説したものです。印刷物ですが、写真は現物貼り込みです。駐留軍の指示で制作されたものかと思われます。掲載写真の殆どは、下辺が花びらのように、トリミングされているので判ります。1859は、同書16頁に掲載あり、入換用との説明があります。この本は、大分前に鉄道友の会の会誌「RAILFAN」に、一部紹介されました。ご参考までに、書影を付します。

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