昭和44(1969)年7月28日 真夏の宮津線、加悦鉄道合宿 (1)
われわれのDRFC時代、“夏の狂化合宿”は、7月、8月の2回に渡って実施していました。7月は近距離のところで実施、この年は、7月28日から、二泊三日で宮津線、加悦鉄道で行われる予定でした。ところが、あまりの炎天下、劣悪な合宿環境に耐え切れず、参加者全員が一泊しただけで途中で敗走するという、前代未聞の過酷な合宿になりました。
▲とにかく暑かったこと以外に、合宿参加メンバーも記憶がなく、思い出も残っていない。ただ会誌には参加記が残っていて、すこし様子が分かった。第一日目の集合地は西舞鶴で、夏季の水泳シーズンに運転されていた「はしだてビーチ」を撮るのが目的だった。「はしだてビーチ」は、以前にも本欄で紹介したように、寝台急行「音戸」の“ヒルネ”間合い利用で、編成のうち7両を座席に転換して、京都~天橋立で臨時急行として、昭和42年から運転されていた。「涼しい列車で水のきれいな日本海へ」がウリだった。西舞鶴からは、全国でもここだけの9600先頭の急行列車となる。
▲「はしだてビーチ」の牽引は、この年は、京都~綾部がC57[福]またはDD54[米]、綾部~西舞鶴がD51、西舞鶴からは9600[西]が先頭に立った。宮津線では、貨物も9600が牽いていたが、この秋の改正でDE10の入線が予定されていて、9600の牽く急行列車も最後と見られていた。▲▲11:48に西舞鶴を発車して宮津線に入る。窓を閉め切った「寝台」表示が、炎天下に撮影する人間には何ともうらやましい。
▲西舞鶴機関区も見学、C12、C58、9600の配置蒸機のほか、福知山区のC57、D51も出入りしていた。
▲西舞鶴12:39発の325レで、合宿地へ向かう。牽引するのは前年に御召列車を牽いたC58 223[西]で、まだ面影が残っていた。
▲当日のメモ帳を紛失したのか、もともと記していないのか、とにかく手許にメモ類がなく、その後の行程がよく分からない。天橋立(?)で交換した客車列車は、通常ならC58の牽引だが、臨時列車による運用の変更か、9600が牽いていた。
▲丹後山田に到着、ここでキャンプの食材を調達、17:24発の加悦鉄道のDCに乗って、加悦に向かったようだ。運転台から、途中の水戸谷に到着を撮る。
夕暮れの加悦駅に着き、会誌によると、まず加悦鉄道の本社を訪問し、合宿の来意を告げ、客車の中で二晩寝させてほしいと交渉したようだ。ところが文化財級の客車での宿泊は認められず、駅構内の空き地ならいいと許可が出て、ここにテントを設営することになった。カレーを作り、キャンブファイヤーをしたようだが、全く記憶が飛んでいる。ただ覚えているのは、駅の方が、見るに見かねて、宿泊室の風呂に入れていただいたこと。さっぱりはしたが、蒸し風呂のようなテント内に戻ると、すぐに汗が吹き出した。
▲なかなか寝付かれない、ただの空き地のキャンプだったが、恵まれていたのは、徒歩0分で加悦鉄道の価値ある車両が取り囲んでいること。転車台に乗った2号機関車を撮影するが、真っ暗で光源のない機関区では、良く分からない。
53年も前で、記憶が薄れていますが、当時の写真を見ながら思い出しています。
特派員さんも書かれておられますが、宮津線の昼間の多くの列車が客車に変更され、浮いた気動車を小浜線の増結に回していました。
丹後神崎から丹後由良までの移動は、記憶が飛んでおり、列車に乗った記憶もないので、やはりあの長い鉄橋を歩いて渡ったのでしょう。
添付の画像は、加悦駅の一コマ前で、天橋立駅で、左の客車(天橋立始発臨時列車谷川行)を牽引する29698がターンテーブルに乗るところです。
この列車は、天橋立に到着すると、牽引機の96がバックで丹後由良まで回送し、機関車だけが天橋立まで戻って夕方まで休んでいたように思います。(夕方はその逆)
加悦駅構内のキャンプは、事前に竹中君(多分)が交渉に行き、客車内での宿泊は、2日目の朝、日本冶金のお偉さんが大江山鉱山の視察に来るのでダメ、大江山キャンプ場に行く人のための貸出用テントを使って欲しいということでした。
食材の買出しは加悦で行っており、町内を見渡したところ肉屋が見当たらなかったのですが、食料品店にパック入りの牛肉がありました。
テントの中にヘビが出た話は、結構有名ですが、キンチョールで追い出し、そのテントで私が寝ました。
やはりそうでしたか。でも、食物連鎖の頂点に君臨する藤本さんならキンチョールなど無くても朝飯前でしたね。
井原さん、藤本さんの証言で、周辺のことが次第に分かってきました。Tさんノクルマに乗せてもらい、加悦へ下見に行ったのは覚えています。たしか客車のなかで寝させてもらう事前約束だったはずなのに、なぜテントで寝ていたのか最大のナゾでした。加悦駅で借りた訳ですか。買い出しは加悦の街で行ったこと、朧気ながら思い出しました。