前回のサンテ・チェンヌ、中心街の停留所背後はバスターミナルで、電車とバスの結節点となっている。ふと気付いたのが連接トロリーバス。画11:乳母車の母親が車内の人に何か話している。やがて画12:白髪の紳士が身を乗り出し乳母車を受け取り、ヤレヤレとなった。子供を乗せたままの最近の乳母車、どこの国でもバスに乗せるには苦労している。ドイツに入国して季節運行のナウムブルグ市電を訪ねた。市電は駅前ではなく徒歩10分の公園前からの運行であった。路上から車内への乳母車搬入は電車でも大変である。この時は画13:運転手君が父親に協力していた。
今回の探訪テーマはノンステップカーの品定めである、快適性トップはカールスルーエの3車体連接車、画14:形式はデユワグGT6-70D/Nである。快適としたのは、最後尾部が展望室構造になっていたからである。それとは関係ないが客室の床高が超低床車の中では少し高く、出入り口部に勾配が画15:生じる。電車の乗り場(安全地帯)とステップ先端と歩道面の段差が15㎝と大きく、乳母車に乗っている子供も画16:少し気にしているようだ。歩道がない道路面からだと38~40㎝となる。同じメーカーであるボンの6xGe13ZR NTは、中間車の構造が異なり乗降部と道路での段差が30㎝、画17,18:これならご婦人でも気軽に乗り降りできる。
1994年にイギリスでLRTとして復活したシェフィールド、一部の都心部は電車が走るルートは自動車をシャットアウトにして、停留所の乗降面高を電車のステップに合わせた。画19,20:これは全線に及んでおり、障害者を始め老人、幼児、画:21,22 乳母車に対応した素晴らしい停留所となっている。最も望まれる形だが、日本の一般鉄道では珍しいものではない。だがステップとホーム端末の隙間が一定しないためか、渡し板を下げて車椅子を待っている鉄道員がそこかしこで見られる。これの解決がこれからの日本の鉄道に課せられた課題となるのであろう。
ノンステップ電車を導入したサンテ・チェンヌの該当車・画23:シリーズ900は、訪問した1996年に12両入線したように聞いた。その後サッカーの世界選手権開催都市となり、その年には丸い旧型車(PCC仕様のベルギー製)は一掃されたとの話である。