第3日目 7月29日 スンバルハルジョ製糖工場 その1
▲ スンバルハルジョ製糖工場からフィールドへと向かう我々を乗せたシュガートレインに手を振る子供たち。仲のよい元気な子供たちの姿は沿線のあちこちで見受けられました。
今日は2泊したテガールのBahari-innを早朝にチェックアウトしてスンバルハルジョ製糖工場へと向かいます。
ホテルの部屋からは朝焼けのスラメト山( 標高3,432m)が見えていました。目的地はこの裾野です。
朝6時半の出発、スンバルハルジョまでは約40キロ、約1時間強の道のりです。
すぐに機関区へと向かいますが、ご覧のとおり今日は薄曇りです。
機関区の中に煙が立ち込めて朝日が斜光になってくれると中々の雰囲気で撮れるのですが、今日の朝は難しそうです。
機関区前で蒸気機関車の燃料の木を切断作業中の作業員さん。
平たい雑木のパンガと違って結構太めの丸太です。
▲ 蒸気機関車は昨年同様にまだ出庫前のようです。機関区内を見て回りますが残念ながらやはり朝日は差し込んでいません。
▲ 車庫前では3号機の調子が悪いのか運転手さんが集まってジャッキで車体を持ち上げての修理作業をやっておられます。クレーンがないのでこうしての人力作業なのでしょうね。
▲ 上は昨年のSL・DLの在籍状況です。今回は何台が現役稼働しているのか注目です。
▲ 黙々と車庫内をお掃除する作業員のおじさん。定例の朝の出庫前準備の1つでもあります。
▲ 朝の撮影がひと段落しましたので機関区横の社員食堂前の床几(しょうぎ)に座って、インドネシア名物のジャワコーヒーを頼んでくつろぎます。このコーヒーは豆を超微粉になるように粉砕します。そのためドリップするには目が詰まりやすいので直接お湯を加えてかき混ぜます。粉が底に沈むのを待ってから、その上澄みを飲みます。
ジャワコーヒーは17~18世紀にオランダによってイエメンから持ち込まれ、栽培に成功したのが始まり。ジャワは大規模栽培の一番最初の地で、ここからコーヒーは世界に広がったそうです。
【 世界最高のコーヒー ルワックコーヒー】
TJさんからインドネシアでは世界最高のコーヒーがあると教えてもらいました。名前は「ルワックコーヒー(別名;コピ・ルアク)」と言い、何とルワックというジャコウネコのフンから取れたコーヒーなのだそうです。
ジャコウネコの体内の分泌液は、世界的に有名な香水の成分にも使用される程の香り高い成分。超鼻の効くルワックがコーヒー豆の畑から美味しくて熟れた実だけを寄って食べ、その後体内で時間をかけ香り付けをした豆が「ルワックコーヒー」。フンから取れるとは不衛生と思われますが、丹念に綺麗に洗います。コーヒー豆は硬い殻と甘皮に包まれています。その殻と甘皮を剥いて煎ったものが豆となって出来上がりますので問題ないとのことです。
年間350㎏程度しか取れない超希少なルワックコーヒーは、日本・アメリカのホテル・有名店では一杯5,000円もするそうです。一度飲んでみたいものですね。
▲ 8:50、そろそろ指令所にSLが集まる時間です。指令所に行って今日の運用予定を聞いてから撮影地点を決めなければなりません。行ってみますと、7、9、10号機が待機していました。
▲ 今日、サトウキビの収穫をしているのは赤丸で囲った4ケ所。黒板を見ますと、既にBARONへはDL8とDL9号機が向かっています。
KESEMENとRAMBUTを入れた指令所から左側3ケ所は前回も撮影して土地勘はありますので後はロケハンして作物の育ち具合で撮影場所を決められます。
一方右側のMENGORIは何度も来られているO氏、TJさんとも行ったことがない。ロケーションがどうなのか分からないとのことです。それなら最初にロケハンをしてみたいと思いアリフさんから指令所の責任者に聞いてもらいますと、「ここに行くには道路がない。約3キロは歩かないといけない。」との返事が返ってきました。
ここで猛天下に片道3キロを歩くのは熱中症にかかる恐れがあります。また我々の撮影の狙いは夕陽とシュガートレインです。左方向が西ですので、そこは夕陽を背に受けての順光での撮影となりますので狙いと違ってきます。相談の結果、今回は3日間の撮影スケジュールです。2日間で気に入った写真が撮れたら3日目に余裕で行くことにしました。
9:08、とはいってもMENGORIは気になります。
時間が十分ありましたのでどの辺りになるのかチャーター車で行けるところまで走りましたが言われた通り途中までしか車では行けませんでした。納得でした。
次にBARONへと向かいました。
▲ 昨年何度も通った道です。通る大型車が昨年より多くなったのか道路の凸凹が増えたようですが周囲は全く変わっていません。
9:40、BARONへ着きましたがDLは8号機だけが見えるだけで9号機がいません。引き返して次のロケハン地KESEMENへと向かおうとしていましたら空ローリーを牽引して9号機がやってきました。SLではありませんが来たので降りて1カットです。
10:40、再びチャーター車に乗り途中からは徒歩で昨年も訪れた平面交差のあるKESEMENに着きましたがシュガートレインはおろかサトウキビを伐採している現場が見つかりません。
徒歩で近くの集落まで行きましたが結局分からず指令所に近いRAMBUTへと向かうことにしました。
▲ 10:30、平面交差に向かう途中でお見受けしたお姉さん。お爺さんたちと野良仕事の手を休めて休憩中ですがカメラを向けると手を振っての歓迎です。
▲ 11:06、集落の道を自転車に乗って走るお嬢さん。赤いきらびやかな民族衣装が印象的でした。
▲ 11:32、RAMBUTに着きました。
機関車の横に付けたのが我々の乗ってきたチャーター車ですが、日本では見かけないISUZU製の大型ワゴン車です。
車種はエルフで2800ccインタークーラー付きディーゼルターボエンジンを搭載した4列シート車12人乗りです。
前面デザインは1世代前で、側面ドアはスライドではなく乗用車と同じタイプです。ISUZUは、インドネシアに工場を持っていますので現地生産車なのでしょうね。
▲ 道路横の軌道でサトウキビ畑への軌道を敷設する作業員さん。
指令所からの軌道にはずらりと空ローリーが並んでいます。
まずは伐採場にローリーを輸送するようです。
このローリーを牽引するのが水牛軍団です。
▲ 本線から臨時支線への一仕事が終わって”どんなもんだい”と誇らしげな水牛さん。まだまだこれから伐採現場への仕業が待っていますよ。
▲ こちらは燃え盛る野焼の中で熱さにもめげず撮影を続けられるTJさんとIMさん。
▲ 空ローリーを牽引してきた7号機は子供たちにとって絶好の遊び場です。撮って、撮ってとお茶目な笑顔を振りまいてくれます。
12:15、そろそろお腹が減ってきました。肝心な夜撮に備えての燃料補給です。
食事処は昨年も3連ちゃんした中華レストランです。
市内の学校から郊外の家へと下校する女学生たちとは逆方向に向かいました。
12:54、到着しますと、店主のおばちゃまは昨年来たことを覚えていたようで、満点笑顔で熱烈歓迎です。
早速冷たいビールと海鮮を頼みました。
インドネシアはイスラム教徒が多くを占め、今年7月10日~8月8日はラマダン(断食月)です。
日中営業している店は少なく、アルコール類は置いていません。
しかしこの店は中国人経営だけあって別です。
インドネシアは日本と同じく周りを海で囲われていますので海鮮料理は美味しいはずです。
それなのに焼き飯や焼きそば、焼き鳥が代表的な料理とは合点がいきません。
今日は蒸しワタリカニと蒸し魚を中心に注文しました。
今日は3日目とあってようやくインドネシアにも身体が慣れてきました。体調はすこぶる良くなり、食事も口に合うものが食べられたので絶好調になってきました。夜撮への準備はできました。
後半はPar4に掲載させていただきます。よろしくお願いします。