第5日目 7月31日 スンバルハルジョ製糖工場
▲ 指令所前で集まってきた子供たち。昨年もいました美少女は、背が高くなり、一段と綺麗になっていました。一緒に連れてきているのは妹さんでしょうか、幼い子供の守りもできるいいお姉さんです。
▲ 今日はもう1カット。バイク、自転車、大型車と頻繁に往来が多い道ですが、現れたヒツジさん。マイペースが僕の持ち味と悠然と横断していきます。シュガートレインが道路横に走る昼下がりの、のどかな光景でした。
【ダニ被害】
今日は午前中は体調回復のために午後からの参加です。ゆっくりしますと排出作業も無事に済みました。スッキリとしましたが、身体のあちこちが痒くて我慢できません。よく見ますと何か虫に刺された跡が大きく点在してあります。そして傷は1カ所に10口ほど集中しています。昨夜は同室のIMさんが痒い痒いと言って刺され傷を見せてくださいました。無意識に掻かれたのか、大きな掻き傷になっていました。膿んではいけないのでいつも持参しています化膿止めの抗生薬を塗っていただきました。
今回の旅行中、日中に外で蚊やブトに刺された記憶はなく、経験からしますと、どうやらダニにやられたようです。患部を見ますと、典型的なダニ被害です。
我々の部屋にはダニが繁殖していて、寝ている間に美味しいと噛まれたようです。
痒み止めは持参してきましたのですぐに塗りますが、ダニやブトの場合の効き目は薄く簡単には治まりません。蚊に刺された痒みは数10分後には消えますが、ダニやブトの痒みは数日間、長いと1週間以上も続くので厄介です。
IMさんの傷を見た時に気づくべきでした。このホテルは明日、チェックアウトします。フロントには患部を見せて部屋の消毒殺菌をするように伝えました。
インドネシアは蚊の多いところです。昨年経験しましたが、ホテルの部屋には蚊がたくさん住みついていました。蚊対策に持ってきていた「1回押すだけで12時間効果のあるベープ」は絶大な威力がありました。皆さんからも寝る前には噴霧をお願いしますと大好評でしたので今年も忘れず持ってきました。これで就寝中の蚊の被害はありませんでした。
日中については、蚊の行動は止まりますのでまず大丈夫、夕刻近くなると虫よけジェルやスプレーを身体の露出している部分には塗ったり噴霧しての対策を徹底しましたので被害もありませんでした。
しかしダニ被害は想定外、深刻な痒みは滞在中続きました。これには悩まされました。
ダニ対策は専用の薬等が必要です。「モクモク」があれば全滅させることも可能ですが、旅先のホテルで使おうものなら煙感知器が鳴って大騒ぎになることは必至です。ダニ除けの噴霧スプレーもありますが、大きくて飛行機搭乗時検査が通りません。私は使ったことがありませんが、使い捨てのダニ除けシートが持ち運びやすく、ベットに敷いて就寝すると大丈夫なようです。
今まで国内で一度、有名老舗旅館で被害にあいました以外は経験はなかったので、ダニ被害は想定していませんでした。今後は忘れずに持参する物が増えましたね。
朝出発された皆さんとの合流場所はいつもの中華レストラン「SEGORO」です。ホテルからは、ペチャに乗って向かうつもりでしたが昨夜、すっかり常連客となった事もあってレストラン店主のおばちゃまが「車で迎えに行くよ。」と、ありがたいお申し出がありました。
ロビーでお土産品の売店を除いていますと別グループでインドネシアSLツアーをしておられたS山さん一行が戻ってこられました。S山さんとは以前に撮影ツアーでの面識があります。我々とはどこかでお会いできると思っていましたが、同じホテルに昨夜から宿泊しておられたようです。ご挨拶をしていますと、おばちゃまの息子さんがマイカーでお迎えに来られました。
12:01、ホテルからレストランまでは約6キロ、約20分で着きましたが本隊の到着は遅れています。まずはビールを飲みながら待つことにしましたが、昨夜の夜撮が上手くいかなかったことが思い浮かびました。悔しさを飛ばすために外に出て流し撮りの復習です。
▲ バイクを除くと走行スピードは夜撮の時と変わりない10km/h前後です。ちょうど良い被写体ですのでシャッタースピード1/60~1/100秒で切りましたが、周囲が明るくピントが合いやすいので何とか流し撮りにはなります。しかし昨夜同様の1/6秒となると昼間でも決まるのは10カットに1枚がせいぜいでした。スローシャッターには結構自信がありましたが、それはあくまで静止画像で、流し撮りには練習を重ねてのコツを掴まないとできません。至難の技ですね。
13時過ぎに皆さんが来られました。今日は快晴でスラメト山がくっきりと見えたそうで蒸気機関車を急遽チャーターして未走行路線だった本線の先方向へと行けるところまで行って来たとご満悦でした。
▲ 今日は定番料理の他にホタテ貝を特別注文しました。北海道の知床のホタテと比べますと天と地ほどの大きさの違いがありますが、焼いて食べると濃縮した旨味は一緒です。美味しくいただきました。
▲ 14:52、指令所に向かいますと「のっしのっし」ならぬ「チャリチャリ」と象さんがやってきました。
これは子供たちの夢を育む象さんスクールバスです。重くて風圧も受けるでしょうから、運転手さんは大変でしょうね。
ご苦労様です。
14:55、指令所に入って今日の運用表示板を見ますが、この時刻になっても、まだシュガートレインの運用予定が決まっていません。
昨日、一昨日の運用した記録簿を見せてもらいました。
上が7月29日です。
ローリーの脱線事故があったので早くに帰った列車は23:30。遅い列車は翌朝5:50です。本数が多くて大変だったでしょうね、
下が30日です。
これも脱線事故がありましたので21:30~24:00に4本が返っています。
▲ 15:09、今日のスラメト山はこの時間でも山頂部分が良く見えます。ちょうど雲が山頂にかかり噴火しているようにも見えました。この天気なら今日の夕焼けは大いに期待できます。
▲ 15:11、先日撮影したRAMBUTでは本線から伐採場へと向かう仮設線路が撤去中でした。次はどこで使われるのでしょうね。
15:25、9号機が指令所方向に牽引した後、チャーター車として単機でやってきました。これに乗って今日も昨日と同じKESEMENへと向かいます。
▲ 16:01、朝早くからの活動によほどお疲れになったのかMさんはテンダ内で丸太のように休まれています。
ガタゴトと激しく揺れるテンダー車です。どこでも寝られる特技をお持ちなんでしょうね。
16:10、KESEMENに到着。夕暮れを待ちました。
▲ 17:16、日没が近づいてきました。今日は雲も少なく空気が澄んでいます。夕日はバッチリと見えそうです。そして金色に輝く夕陽が辺りを染めてからの撮影開始です。
【DATA】 NIKON-D800E、VR28-300㎜、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離62㎜、絞りF14、1/320、シャッター優先オート、-0.3段、オートISO250、ホワイトバランス色温度(10000K)
今日は我々の中で唯一CANONのデジタル一眼レフ(1DXと5D-MarkⅢ)をお使いのTJさんからご教授を受けてホワイトバランス色温度を10000Kまで上げて挑みました。ちなみに他の方々のカメラはNIKON800でした。
▲ 17:32、この時、珍しく白煙が高く上がりました。落日をバックに向かってきます。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離160㎜、絞りF5.6、1/500秒、シャッター優先オート、0段、オートISO280、ホワイトバランス色温度(10000K)
▲ 17:36、日没直前です。今年はサトウキビが成長しています。私的にはサトウキビや木々のない、もっとシンプルな背景が好きなのですが、まあまあ思っていた雰囲気は出ました。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離112㎜、絞りF5.6、1/640秒、シャッター優先オート、-0.3段、オートISO450、ホワイトバランス色温度(10000K)
▲ 18:01、花火撮影開始です。陽が沈んだ後の空は金色から紫色へと一瞬一瞬変わっていきます。花火も少し見え始めました。お昼に練習しておいた流し撮りには絶好の条件です。
昨日同様に線路と平行位置に立って挑みました。
結果は、ちょっとブレもありますが、シャッタースピードは1/20秒です。私のカメラの腕ではこれが限界でしょうね。まあまあ良く撮れたと納得です。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離50㎜、絞りF5.6、1/20秒、露出マニュアル、0段、オートISO5000、ホワイトバランス色温度(10000K)高感度ノイズ低減:標準
▲ 18:08、その後も横からの流し撮りを挑み続けましたが、暗くなってきますとさらに難しくなってきました。撮影場所を替えれば良かったと後悔しましたがその時は、出さなくてもよい意地が出ました。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離62㎜、絞りF6.3、1/15秒、露出マニュアル、-0.3段、オートISO6400、ホワイトバランス色温度(10000K)、高感度ノイズ低減:強め
▲ 18:18、もう背景が夕闇と同じになっていて蒸気機関車の姿を捉えられません。花火だけを追いかけてのカットになってしまいました。まだ、ほのかに明るい西の空をバックにすればと悔やみますが、後の祭りでした。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、3D-トラッキング、手ブレ補正ON、焦点距離62㎜、絞りF4.5、1/10秒、露出マニュアル、-0.3段、オートISO6400、ホワイトバランス色温度(10000K)、高感度ノイズ低減:強め
▲ 18:48、ようやく斜めからの撮影に切り替えましたが、西の空も夕闇に包まれていました。5Wのスポットライトの出番です。三脚固定で何度もモニターで撮影写真を確認しながらの1枚です。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、シングルモード、手ブレ補正OFF、焦点距離90㎜、マニュアルフォーカス、絞りF6.3、30秒露光、露出マニュアル、0段、オートISO100、ホワイトバランス色温度(10000K)、高感度ノイズ低減:強め
▲ 18:56、最後に正面からの夜撮です。改めて5Wのスポットライトに感謝です。これがなければ機関車は真っ暗でしたね。今後の夜撮での必需品となりました。
【DATA】 カメラ・レンズ同様、AF-C、シングルモード、手ブレ補正OFF、焦点距離92㎜、マニュアルフォーカス、絞りF6.3、30秒露光、露出マニュアル、0段、オートISO100、ホワイトバランス色温度(10000K)、高感度ノイズ低減:強め
【夜撮の際のカメラの設定 便利な水準器内臓】
三脚固定後は、AFエリアモードを走行写真用の3D-トラッキング→シングル、手ブレ補正をON→OFF、露出モードをシャッター優先オート→マニュアルに切り替えました。
夜撮で苦労するピント合わせはマニュアルです。ライブビューにしてカメラ後ろのモニター画面を見ます。そして画像拡大して、手動でピント合わせをしていきます。置きピンと同じ要領です。
被写体に多少ともなり光が当たっていますと、確認は簡単にできます。ここで役に立ったのが5Wの明るいスポットライトでした。
また画面の水準ですが、NIKON-D800シリーズにはカメラ本体に水準器が標準装備されています。これがとても便利な機能で、真っ暗闇の中でも縦横とも水準にカメラがセットされているかをライブビューの際に確認できます。
三脚に装着されている、またカメラの上部フラッシュシューに新たに水準器を取り付けられて確認されている姿をよく見ますが不要です。日中の明るい時はファインダーから覗いても別途表示されますので非常に便利な機能です。
皆さん結構気付いておられないようでした。私の師匠のO氏さえも知っていなかったと言っておられましたので、いつもの恩返しにお教えしました。NIKONユーザーの方は是非にご利用してください。(取扱説明書P336)
19時過ぎにここでの夜撮を切り上げ、再び9号機に乗って集落の橋に参りました。今日は上手くいくだろうと頑張りましたが失敗しました。まだまだ未熟者です。
▲ 20:15、夕食も中華レストラン「SEGORO」です。
特別注文したのは超高級食材の「フカヒレ」と「ツバメの巣」を使っての料理です。
上の左下がここで手の入る「ツバメの巣」です。材料は海草で、ジャワアナツバメの唾液腺からの分泌物で固めて作られた皿状の巣で、ご覧のように元は泥やらで見た目は汚いですがこれを丹念に洗って解していきます。
左は「フカヒレ」ですが、ここでは姿煮にできるようなものではなくスルメのようになっていました。
そして調理されたものが上の2点です。どちらが、「フカヒレ」か「ツバメの巣」で作ったものかお分かりでしょうか。
3日間昼夜と美味しい料理の数々を提供していただいたこの食堂とも今日でお別れです。最後はママさんとアツい抱擁を酌み交わしてのお別れでした。
▲ 21:37、帰り道に屋台と遊園地がありましたので降りて覗いてみました。臨時に設置された可愛い列車の走るミニレール、メリーゴーランド、観覧車、バイキング等のアトラクションもあって小さいながらも皆さんが楽しでおられました。
明日は早朝からスラギへ撮影後は、タシクマドへと向かいます。インドネシアSL撮影ツアーも後半に入ります。 Part7へ続く
クモハ73106東ウラです。ダニに噛まれたとのこと。大変でしたね。実は、私も準特急先輩と2008年3月、ジャカルタへ撮影に行ったとき、帰りのJAL便が機材トラブルでキャンセルになり、JALが用意した(超)一流ホテルに宿泊しました。そのホテルの、恐らくバスローブにダニがいたのでしょう。太ももや腕を多数噛まれ、2週間以上痒みが収まらず大変な思いをしました。もっとも、キャンセルのお陰で、無料で丸一日余分に撮影ができましたが。
クモハ73106東ウラ様、ご覧いただき、またコメントをいただきまして、ありがとうございます。
ダニ被害は外ではあいましたが身近では無縁のものと思っていましたが、家庭内でも夏のはじめにあっています。家中を閉めきって「モクモク」を焚いて、寝具等を念入りに消毒殺菌してからは全滅したようで被害にあうことはなくなりましたが、その痒みのすごさは噛まれた人しか分からないと思います。
ダニは身の回りのどこにでもいて」、高温多湿を好み繁殖すると、1平方メーターあたり1000~2000匹はいると言われいます。一説には65℃以上の高温殺菌や専用の殺虫剤を用いないと死滅しません。こういった条件に合う部屋の中はまさにダニ天国だったのでしょうね。
以前に屋外でも鉄ちゃんが撮影する雑木林の中は家ダニとは違ってマダニが繁殖しているので気を付けるように言われたことがあります。
吸血ダニ、殺人ダニとも言われ日本国内でも被害にあった方が死亡された例も報告されています。我々鉄ちゃんには撮影時に最も気を付けなければいけないことの1つです。
今日は早速にダニ防止シートを購入しました。
クモハ73106東ウラです。私が、17日(土)にスンブルハルジョを訪れたときは、10号機は工場西側1km付近道路脇、9号機は東側3kmの道路がなく車では行けないところにいました。10号機の出発は18時頃、9号機は17時頃とのことでしたので、スラバヤ在住のインドネシア人ドライバーRさんと知り合いの指令所の方にバイクで東側に連れていっていただきました。日没間際の17時半頃の出発でしたが、順光でローリーにサトウキビを満載した走りを歩きながら追っかけ、撮影できました。ただ、ぶんしゅう様のような夕日のシーンを撮影できなかったのが心残りです。私を連れていってくださった方は、数年前から同地も数回訪問しており、リピーターの気持ちがわかりました。
「9号機は東側3kmの道路がなく車では行けないところ」は、我々が結局行かなかったMENGORIですね。帰国後にグーグル地図で見ましたが、言われていた通り路線に平行する道路はありません。その代りに何もないところを走っているようなので、行ってみたかったなあと思いました。
それにしてもバイクで行かれたとは・・・。暑かったでしょうね。私は以前に台湾に行った時に仲よしになった阿里山森林鉄道の若い運転手さんに愛車(バイク)に乗っけてもらって、約250キロを同乗しましたが、途中でヘルメット内が暑くなって、何度も意識が薄れかけて落っこちそうになりました。その都度止まってもらって、意識がしっかりするまで休憩したことをよく覚えています。
スンブルハルジョは、インドネシアではまず少ない工場外のフィールドを走る路線としてリピーターも多いと聞きます。特に走行している蒸気機関車の花火が見られるのはここだけかも・・・。
今回もハリネズミのように花火を撒き散らして走行する蒸気機関車の決定的なシーンを撮れませんでした。リベンジがまた必要ですので、再訪されることがあられましたら是非にお誘いください。