八月だ、もっと熱くなろう! 赤道直下のインドネシアSL撮影の旅 Part8 PG.SUMBERHARJO(スンバルハルジョ製糖工場)

神谷武志企画のテレマカシーツアー  第5日目 8月8日
am: ホテル→スンバルハルジョ製糖工場機関区→指令所→集落の橋
pm: 集落の橋→指令所→ホテル

早朝にホテルで朝食後出発、少し風があるためか空気が澄んでおり、今日はスラメト山(標高3,432m)がよく見えます。

7:40にスンバルハルジョ製糖工場に到着しましたが、機関区は、昨日のような蒸気機関車からの煙が立ち込めていなく朝日が斜光になってくれません。どうも、風のため機関庫内に煙が滞留しないためのようです。こんな時にこそ、昨日見えなかったものを見るセンスを要求されますが、私ごときの腕では捜し求める方が無理だったようでした。

【在籍機関車】
フィールドも走る スンバルハルジョには、機関車も数多く在籍しています。確認できたのは、下記のとおりです



▲ DLも年代物ですが、Schoema製が、入替用、本線用として現役でした。




機関区横にローリーを補修する修理場がありましたが、廃車となって朽ち果てたSLが放置されていました。これが欠番となっている2、8号機かも・・・。
パンガでは、車体番号は、SL(略;S)・DL(略;D )区別なく通し番号をつけていましたが、ここでは異なり、区別されていました。
つまり、パンガではS9号機がありますが、D9号機はありません。一方のスンバルハルジョでは、両方があると言うことです。



▲ 9時を過ぎましたので、昨日同様に指令所へと向かいました。二人が担いでいるのは、ローリーが脱線した時の復旧用ジャッキです。頻繁に起こるので、専門係がいます。トラクターは入替専用で、押す時は強引にプッシュ、引く時には鎖を付けて引っぱりますが、線路上を動き回りますので、当然に軌道は傷み、脱線誘発の原因にもなっているそうです。

▲ インドネシアの学校制度は、日本と同様の6・3・3・4・2制です。小学校の1・2年生は朝7時から10時までの授業(3~6年生は、13時まで)だそうで、10:30になりますと、お揃いの制服を着た集団下校の子供たちがやって来ました。
神谷隊長が写真を撮ると、子供たち
は笑顔で囲んで見ます。そして中心には、必ず広田先生がおられます。磨きぬかれたカメラ目線は、被写体さえも呼び寄せられているかのようにも感じられました。

DLが通過すると、みんなで追いかけます。危なそうですが、飛び乗ったりで、子供たちの遊び道具の一つでもありました。


▲ 指令所周りは、ニワトリの放し飼い地でもあります。日本で見かける白色レグホンとは違って、身が引き締まって美味しそうな小ぶりのayam kampungと呼ばれる地鶏です。
山羊カンビンも放牧されていました。インドネシア料理の定番”サテ”の材料でもあります。両方とも焼きで食べるよりスープにすると絶品でした。これで鍋なら、とっても美味しいでしょうね。

10:43、昨日と同様のS11号機が、単機回送で指令所を出発しました。
昨晩、トラブルがあって、サトウキビを満載した列車が、沿線の途中で置き去りにされており、それをこれから取りに行くのだとのことでした。昼間にサトウキビ満載列車を撮れるチャンスです。

通常、スンバルハルジョでは、朝から夕刻までサトウキビの刈り取りを行い、ローリーに乗せます。このために満載のシュガートレインが走るのは、日が落ちた夜間になるそうです。

今日のように昼間に満載シュガートレインが、走ること等滅多になく、何回もここに通った人でも、昼間に撮影したことがないとのこと。
O氏からも皆さんからも、「何度も来ているのに、こんなシーンは、体験できなかった。初めてなのにこんな好運にめぐり合えるとは、とてもラッキーすぎですよ。」と言われました。比較がなく、よく分かりませんが、大変貴重なシーンを体験できているようです。

さて追っかけ開始です。専用車に同乗する方々にお願いして、途中で何度も止って撮りながら向かいました。

朝と比べると、少し霞んできましたが、スラメト山を背景に撮れたのは収穫でした。


▲ 熱帯の国なのに、花が少ないのは意外でした。唯一見つけられたのは、ここだけでしたので、迷わずに来るのを待ちました。

  11:00、集落の橋でバスを止めました。空ローリーが見えたそうで、降りてみますと確かにいます。さらに後には、満載ローリーも連結されているように見えます。昨晩、既にここまで牽引されていたようです。分岐に向かって左側の線上に止まっていました。
直ぐに、S11号機が牽引して、指令所に戻るのかと思いましたが、指令所からD9号機が空ローリーを牽引して、続行で来ていますので戻れません。どうやって運行を整理するのかと、興味津々で見続けました。

D9号機列車は、分岐の左側線に進みたいようですが、園にはS11号機が入っていて進めません。

① まずS11号機が、残されている空ローリーと満載ローリーを牽引して 橋を渡り、最後部がポイントを過ぎるまで、指令所方面に移動しました。ここでポイントを直線側へ切替を行います。


 ② 11:18、S11号機はプッシュ運転でスイッチバックして、直線方向への路線に逃げて、D9号が左線に行けるように路線を空けました。

③ すぐの11:20、続行のD9号機列車は橋を渡り、ポイントから空いた左線へ入り、刈り取り場へと向かっていました。

パズルのような入替作業を”あ・うん”の呼吸でやりました。ここでは、携帯や無線での現場連絡網はありません。一体誰がどうやって運行を指揮していたんでしょうね。
その後にS11号機列車は、指令所に向かうだろう。
「それ!追っかけ開始!」、と全員撮影モードのスイッチが入りましたが・・・。

 ▲ S11号機列車は、そのまま置かれたままで、一足早く学校から帰った近所の子供たちの遊び場となりました。蒸気機関車は、ここでも遊びの中心です。元気な笑顔でポーズをとってくれました。

皆さんは、その時が来るのを辛抱強く待ちますが、運転手たちは昼の休憩タイムになったようで降りてしまいました。
こちらも空腹になってきましたが、近くに食堂などありません。また、発車を考えても遠くには行けません。こんな時には、踏切前の雑貨屋で売っているカップラーメンです。ガイドのアリフさんは、これで良いのかと心配そうでしたが、皆さんはメシより蒸気機関車優先です。スタンバイ体制で、食べながら待つことにしました。 

 機関車の連結作業の間に踏切で待つ下校の小学生低学年組。指令所の近くとは違った制服ですが、イスラム教徒の女の子はヒジャブを被っての衣装でした。小さな子供が着ると、とても可愛いですね。

バイクに乗っているのは、やはりヒシャブを被った女子高校生。インドネシアではバイク免許が取得できるのは、17歳以上だそうで、国際免許は通用しません。


▲ これはスクールバスなのか? 小学生の頃から屋根の上に乗り始めているのですね。スピードは出ていませんが、かなりの凸凹道を走っていますので揺れは相当なものです。落ちないかと心配になります。これで鍛えられているので、大きくなってから電車の屋根に乗っても平気なのかな・・。

やっと動きが出たのは、食事も終った13時過ぎでした。

① 13:10、まずS11号機列車が橋を渡って指令所方向に移動して、ポイント周辺の線路を空けました。

②13:11、刈り取り場まで行っていたD9号機が水牛鉄路で使用していたレールを載せたローリー車を牽引してきました。D9号機を切り離して、単機でポイントを使ってのスイッチバックで右線へと自走します。
③ 次は、機回しならぬローリー回しを1台づつ行います。上りカーブですので4人力を必要とする作業です。線路際の子供たちも見守っていました。

13:20、これが済むと、D9号機列車は、右線後方の刈り取り場へと向かっていきました。 


▲ こんなことをしないで、ローリーを牽引したままの編成でスイッチバックさせれば良いのではと思うのですが、その後のプッシュ運転では重いローリーの脱線の心配があったのかも・・・。また編成替えの必要があったのかも・・・。  


▲ 線路が空きましたので手前に控えていたS11号機シュガートレインが橋まで戻ってきます。そして、空ローリーに、橋の袂に集めてあったサトウキビを積みはじめました。

そのサトウキビは、橋の付近に集められていたものでした。たぶん、前に通過した満載ローリーから落ちたものなのでしょうね。これを積んで工場に戻るとのことでした。積み終わって、14時にようやくの出発になりました

書くのも面倒なくらいの作業をやっていました。さっさとS11号機列車に橋の袂のサトウキビを載せ指令所へと向かわせてから、D9号機の作業をやれば良かったのではと思いますが、昼時間になったのと、人手を必要としていたからと、理解するしかないようです。これでやっと、昼間の満載走行が拝めます。


▲ 14:13、チャータートレインではありませんが、お願いして止まったり、ゆっくりと走行してもらったりで撮影の機会をいただきました。午前中に単機回送時にスラメト山をバックに撮ったサトウキビ畑からの撮影ですが、午後もだいぶ時間がすすんでしまい、山は霞んでわずかに見えるだけでした。
▲ 14:24、シュガートレインは、バイクや自転車が行きかう横を上下左右に振りながら、ゆっくりと走行してきます。昔は、インドネシアのジャワ島全土で見られた光景だったそうですが、今はわずかに残ったのどかな路線で見られるだけです。

指令所手前まで順調に走行しましたが、指令所付近で入替列車の脱線があって、進めません。しばしの待機となりました。

▲ 沿線を歩く元気なおばちゃま方のファッションにも注目です。
左側は一般の農民ルックですが、右側はワンピースにしゃれた帽子で、この辺りではちょっとシャイに見えました。

16:40を過ぎ陽が傾いてきましたが、脱線作業の復旧は、進みません。約2時間も停車状態が続いています。
それでは ”ギラリ”を撮ろうと、シュガートレインを戻して挑みましたが、もう1歩光線の強さが欲しかったですね。

17:10、指令所から分岐するもう一つのJatisari行きへの路線から着いたシュガートレインを隣の線から鎖で引っ張って入替を行うS9号機。
走行する蒸気機関車からの煙は始めて見ました。”ギラリ”も少し見せてくれました。

 

今日の昼間の撮影はこれで終了です。でも11号機列車はまだ工場に入れず、本線上で待機中です。これからは、この列車の夜撮が待っていました。

18:55、現場で待つこと約1時間半、待望の夜撮となりました。バルブ撮影で無く、走行シーン狙いです。暗いので前からチャーターバス前照灯の照明をもらいました。
焦点距離28mm、ISO感度3200、絞りF4、シャッタースピード1/25、AF-Cの設定で挑みましたが、ご覧の通り露出もピントも合ってくれません。カメラ・レンズの性能も悪いし、腕はもっと悪いようです。 
▲ 一方、O氏の写真はご覧の通り露出もピントもバッチリですが、肝心なポイントで自転車が来てしまって台無しになりました。皆さんも同様らしく、自転車を怒るわけにも行かず落胆されていました。夜撮”花火”は、全ての条件が揃っての一発勝負です。熟達者をもってしても難しいものですね。

夕食は、ホテルに戻って、21時前からでした。
明日からは、Bグループ5名の方々が合流されて13名の部隊となります。大勢となると、もっと賑やかになります。楽しみですね。

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