2年半ぶりの水島臨海鉄道

久しぶりに水島を訪ねました。行きがけにJFE福山に立ち寄ったのは前報通りです。初めて訪問したのはDRFC現役時代の昭和44年で、まだ倉敷市営鉄道と呼ばれていた時代で、中国鉄道や芸備鉄道の買収気動車がまだ現役でした。以来4回訪問し、今回が6回目の訪問です。水島コンビナートの貨物輸送にも支えられ 旅客列車も数多く走っていて比較的元気な非電化私鉄です。以前は国鉄からキハ10やキハ20が入線し活躍していましたが、近年キハ30やJR久留里線で活躍していたキハ37、キハ38が入線しているので近況を見たくて訪ねてみました。

キハ37103 平成28年2月6日 倉敷貨物ターミナル駅(機関区)にて

キハ37103 平成28年2月6日 倉敷貨物ターミナル駅(機関区)にて

平成25年に老朽化したキハ20などの置き換え用としてJR東日本からキハ30やキハ37、38が6両入りました。キハ37101,102は水島臨海色に、キハ37103とキハ38104は国鉄色に塗られています。キハ37のトイレは閉鎖されているそうです。

キハ38104とキハ30100

キハ38104とキハ30100

片運のキハ37103とキハ38104がペアを組んでいますが、片や片開き2扉、片や両開き3扉と外観は不揃いです。朝夕のラッシュ時間帯に2両編成が走り 昼間は機関区で休んでいるようです。

整備中のDE701と留置中のDD501

整備中のDE701と留置中のDD501

機関車はDD501,DD506,DE701の3両が健在でした。JR西岡山から直通する貨物列車はJR貨物のDE10が乗り入れてきます。丁度12:00頃に水島駅に到着するコンテナ貨物3093レを待ち受けることにしました。

水島駅から左に分岐すると東水島貨物駅へ、右に分岐すると三菱自工前を経て倉敷貨物ターミナルと機関区へ向かう

水島駅から左に分岐すると東水島貨物駅へ、右に分岐すると三菱自工前を経て倉敷貨物ターミナルと機関区へ向かう。三菱自工前発のMRT305がやってきた。

水島駅に到着した3093レ。JR貨物のDE101743が牽引。

JR貨物のDE101743が牽引して 水島駅に到着した3093レ

このコンテナ貨物列車は水島駅から左に分岐して 3.6Km先の東水島貨物駅に向かいます。ここで珍しいものを見つけました。タブレットホルダーです。

水島駅南端にあるタブレットホルダー。

水島駅南端にあるタブレットホルダー。

水島・東水島駅間は通票(タブレット)方式のようです。3093レが到着すると水島臨海鉄道の若い職員がタブレットを持ってDE10に乗り込みました。

タブレットを肩にDE10に乗り込む職員

タブレットを肩にDE10に乗り込む職員

まさに人間タブレットです。東水島駅には職員はいないので 貨車の解放、連結、ポイント切換えの作業も行うための便乗でしょう。そして3093レは東水島へ向け発車してゆきました。

東水島へ向かう3093レ。大きなコンテナは三菱化学物流所有のポリスチロール専用コンテナ。

東水島へ向かう3093レ。大きなコンテナは三菱化学物流所有のポリスチロール専用コンテナ。

ところで臨海鉄道という名前がふさわしい景色はないかとウロついてみました。そして ようやく船と一緒にディーゼルカーを写すことができました。

水島港の向こうを水島駅から機関区に戻る回送DC

水島港の向こうを水島駅から機関区に戻る回送DC

高架の水島駅から地上に降りて三菱自工前に向かうわずかの区間ですが海岸を走ります。護岸があるので下回りは隠れますが 臨海には違いありません。ここは水島港の一番奥にあたり 海上保安庁第6管区水島海上保安部があります。ちょうど巡視艇「りゅうおう」が入港してきました。水島海保には4隻の巡視艇が所属していますが、その中でも最も大きい35m「よど」型で記号番号はPC53です。コンビナートを有し、巨大船の通行も多いこの地区らしくこの「りゅうおう」は消防機能強化型巡視艇で、高いマストに放水銃が装備されています。もう1隻 右手に係留されているのは 35m「はやなみ」型のPC13「みずなみ」です。閑話休題。

もう1ヶ所 臨海と言える場所があるのですが、それは三菱自工前から分岐する西埠頭駅です。ところがこの引込線は平成9年以降使われていません。

西埠頭線の踏切

西埠頭線の海岸通2丁目踏切。遮断機の竿は撤去されている。

西埠頭線の終端。機回し線などはそのまま残っている。

西埠頭線の終端。機回し線などはそのまま残っている。

さて水島市街地は高架化されていて 駅撮りしかできないので、地上での走行写真を撮ろうと場所を変えることにしました。

球場前・西富井間  MRT303

球場前・西富井間  水島行きMRT303

倉敷市駅を出て最初の駅が球場前駅です。球場前駅から線路は倉敷運動公園に沿って左にカーブして水島に向かいます。緑の多いここで1本撮影して駐車場に戻ったとたんに、また踏切警報機が鳴りだしてビックリ。あわててカメラ片手に先ほどの場所に戻ったものの手遅れでした。

東水島発西岡山行き3092レ

東水島発西岡山行き3092レ

実は最新のダイヤを確認せず、平成25年当時のダイヤを頼りに行動していたのですが、以前のように東水島でゆっくり入換えしてから戻って来るのではなく すぐに折り返してくるダイヤに変っていたようです。

ということで 2年半ぶりの訪問は 船と一緒のカットが撮れたことで満足ということにして切り上げることにしました。次回はしっかりと最新のダイヤを確認したうえで 2両編成の列車も撮影できる時間帯に出かけようと思っています。もし三江線ツアーなどに絡めて訪問してみようと思われる方がいらっしゃいましたら お声かけ下さい。

2年半ぶりの水島臨海鉄道」への2件のフィードバック

  1. 西村様、
    活発な活動にはいつも感心しております。
    水島臨港には思い出があります。
    小学生の頃に従兄弟とよく水島へ釣りに行きました。当時は水島と言っても工業地帯では無く、あちこちにため池や入江があって、池ではフナ釣り、入江ではハゼや小魚を釣って遊んでいました。行き帰りは倉敷市営になる前の水島鉄道です。機械式のDCだったり明治時代の客車だったりしました。また、当時の写真を探してみます。

    • 米手作市さま
      コメントありがとうございます。木造2軸客車は昭和30年代前半まで蒸機とともに残っていたようです。ハゼ釣りを楽しまれた当時の景色は想像できません。東水島貨物駅の北側には小高い山があります。あたりとは不釣り合いな古い民家もあります。埋め立てがどんどん進んで 陸地に取り込まれた島であることがわかります。水島も「島」ですし沿線には「連島」などの地名が残っています。よくもまあこれだけの広大な土地を干拓したものだと驚きます。是非当時の写真を探し出して ご披露下さい。

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