江ノ電のあとは、初めての豊橋鉄道市内線(東田本線)へ 後編

01_map_100▲ 市内線の路線図です。ピンク色の数字は電停間距離(単位:m)です。

10月30日 日曜日 その2
前編に続いて、「豊橋公園前」からのスタートです。駅前から「ほっトラム」に乗車して終点の赤岩口を目指しました。

dsc_1011_100▲ 8:34 最短電停間を走り東海道(国道6番目の電停「豊橋公園前」に到着です。駅前に向かって走るのは主力の780形782号です。2005年(平成17年)に名古屋鉄道岐阜市内線・揖斐線(廃止)で使用されていた車両を7両譲り受け、使用されています。780形は全車スカートを取り付けられています。

dsc_3373201dsc_1311145dsc_1305144▲ 歩道に高台を見つけて「豊橋公園前」を発車するカットです。さすが1号線です、車と被ることが多く成功したのは1カットだけでした。上は782号、下は783号です。

dsc_1298143[googlemap lat=”34.76588213613914″ lng=”137.39978086375424″ align=”left” width=”300px” height=”200px” zoom=”17″ type=”G_NORMAL_MAP”]東八町交差点[/googlemap]▲ やがて東八町交差点に着きます。5差路になっていてここで1号線とは外れて県道4号線を終点の赤岩口まで進行します。交差点を渡れば7番目の電停「東八町」です。駅前から続いたセンターポールもここで終わります。走るは今なお都電で現役7000形を1992年(平成4年)と2000年(平成12年)の2度にわたって各2両、計4両ゆずり受けたうちの3501号車です。
撮影地 34.765935, 137.399765

dsc_3371200dsc_1295142▲ まるで北山から下ってくるような錯覚させ思える路線です。ふと学生時代に京都市電を撮りに回った頃を思い起こしました。走行するは786号です。

dsc_1013102▲ 8:37 7番目の電停「東八町」です。走行するは784号です。

dsc_3364199dsc_1287141▲ 次の「前畑」電停前の歩道橋から東八町を見ます。斜め左に進んでいくのが国道1号線です。左は782号、右は781号です。

dsc_1016103dsc_3356197▲ 8:3782号 8番目の電停「前畑」です。

dsc_1256_1138▲ 前畑~東田坂上の坂道区間の400mは市内線で唯一敷石が残っている区間です。歩道橋からの撮影ですが、3番目の撮影ポイントですね。走るは783号です。

dsc_1018104▲ 8:40 9番目の電停「東田坂上」に近づきました。駅前へ向かうのは786号です。
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▲ 東田坂上への坂を上がってきたのは782号です。

dsc_3342195▲ 8:40 9番目の電停「東田坂上」です。

dsc_3350196▲ 「東田坂上」を出てすぐにあるコンクリート製の軌道です。反対側の軌道は枕木のような木が設置してあります。暫定的な処置なのか?好対照な軌道です。

dsc_1205132▲ 10番目の電停「東田」には道幅が狭いために市内線で唯一安全地帯のない電停です。。欧州では対応として、電停位置にトラムが停車している時には横の道路には車が走ってはいけない、手前で停車することが義務付けられています。交通マナーについては欧州と比べるとできていない日本ですから電停前に赤信号を設置するか指導員の配置が必要と思います。左はほっトラム、右は787号です。

dsc_1199130▲ 市内線の複線区間は競輪場前で終わっています。駅前からの電車は手前で止まって列車交換をしてから反対車線の電車通過を待ってから単線区間に入線していきます。

dsc_1171126▲ 時折電車区へと向かう回送車が走り続行するケースがあります。前の回送は3504号、続行する後車は786号です。

dsc_1028105▲ 8:45 11番目の電停「競輪場前」手前で停まって、駅前行きの787号が発車するのを待ちます。

dsc_1159125▲ 赤岩口方向から撮った単線から複線区間へと渡っていく783号です。

dsc_1151123▲ すれ違う3501号(左)と782号(右)です。

dsc_3322185▲ 11番目の電停「競輪場前」です。

dsc_3326187dsc_3330189▲ 「競輪場前」の電停の横には豊橋鉄道の営業所と2両分の電車置き場がありました。折り返しの電車の待機所なんでしょうね。3201号785号が駐車していました。

dsc_1097115▲ 次の「井原」電停を発車して駅前に向かう786号です。

dsc_3306_100dsc_1038107▲ 8:48 12番目の電停「井原」に到着です。OB会の井原さんは井原鉄道に井原駅はあるが「いばら」と読む。濁点なく「いはら」と読むのはこの電停と言っておられました。確かにそうです。この電停は3つのホームがあります。今、客が待っておられるのは駅前方面に向かわれる乗客のホームです。後方に見えるのが赤岩口に向かう乗降ホームです。もう1つが運動公園に向かう乗降ホームです。
井原から路線はまっすぐに赤岩口へと、また分岐して右方向の運動公園前へと向かいます。

dsc_1129_100dsc_1134119dsc_1041108dsc_3256166_100dsc_3255165▲ 8:51 井原から市内線最長の電停間700mをゆくと13番目の電停、終点の「赤岩口」です。
駅前から24分の乗車でした。平均速度は12km/hです。途中で通過が多く運転停車していましたので路面電車としては一般的な速度です。
平均電停間距離が400mと短いことを考慮しますとこれも平均的です。
何よりも乗っていて、信号待ちでの余計な停車や自動車に邪魔されての停車等でストレスを感じることはありませんでした。

掲示されていた時刻表ですがラッシュ時は6~13分ヘッド、昼間は14分ヘッドのダイヤです。
需要に合わせたダイヤなんでしょうね。

dsc_3247_100▲ レールはこの先で切れています。右の車線は電車区への渡り線です。「とよはし市電を愛する会」のHPを見ますと”近未来の豊橋LRT 夢路線”にはこの先延伸されてJR二川駅に向かう路線が描かれています。夢が現実となる日が来るように祈るばかりです。

dsc_3249161dsc_1044109▲ 電車区には7両の車両が留置されていました。左から3504号、続いて1977年(昭和52年)と1981年(昭和56年)に名古屋鉄道岐阜市内線(美濃町線)で活躍したモ580を譲り受けた3両のうちの1両、3203号です。

dsc_1047111▲ 新しく塗装中なのか、元都電7000からの3502号です。

dsc_1046110▲ 左から3503号、後ろ3102号(休車中?)、801号3202号です。

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dsc_1062_100▲ 井原から到着したのは783号です

dsc_3261167▲ 9:03 近くに中・高校はないのですが、学生たちが乗り込みました。

dsc_1068_100▲ 赤岩口から井原へは撮りながら歩いて向かうことにしました。783号も向かいます。

dsc_1071_100▲ 9:14 先ほどもそうでしたが井原電停には乗客が待っておられます。

dsc_3304dsc_3271171▲ こちらが井原3つ目の電停、「運動公園前」ゆきです。

dsc_3268170▲ そしてこれが半径11m、日本最小のカーブです。残念ながらほっトラムはこのカーブを回れません。連節車ですのでカーブには強いはずですが難しいものなのですね。782号です。

dsc_1111116dsc_1114117▲ 運動公園からの781号が日本最小カーブを回るカットです。780形はこのカーブを曲がるために床下機器の移設等の改造を受けています。

dsc_3292176dsc_3294177▲ 運動公園前の駅前ゆきの時刻表は13~16分間隔のラッシュ、ラッシュオフ変わらずの運転間隔です。
通勤・通学客は少ないのでしょうね。

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▲ 運動公園前を発車して井原に向かう786号です。

dsc_3392207dsc_3394208▲ 12:40 朝から全線を撮りながら歩きました。そろそろ昼食を食べたくなってきたので、名古屋に来る時にはいつも食する味噌煮込みうどんの店をネットで探しました。本場は名古屋でも厳密にいうと尾張一宮が発祥の地のようですが、豊橋にもありました。札木電停近くにいましたので最も近いお店をGoogleマップを使って検索した中から「篠嶋屋」を選んで参りました。丸大豆を発酵させて作られた八丁味噌味で煮込まれたしっかりした固めの麺は本物です。美味しく完食です。

dsc_3385_100▲ 丁度今日は10月30日でハロウィンです。駅前の中通りは歩行者天国になっていてイベントブースではダンスや歌、道には販売や飲食屋台が出ています。仮想をした市民の皆さんが参加して盛況でした。路面電車に乗車されている方はいないかと狙ったのですがダメでした。

しばし街歩きを楽しんでから電車通りに戻ってまた撮りながら歩き続けました。
dsc_3432217 dsc_3437219▲ 14:00 味噌煮込みうどんも良かったのですがそばも食べたいとノミネートしていたお店が電車通りに見つかりました。店名は「東京庵」です。そばは地方によってさまざまな味があります。手打ちのざるそばを注文しましたが、他店と違ってニンジンのかき揚げがのっています。わさびは本物で、すって入れます。そばは黒めの”のどごし”というよりも”歯ごたえ”がありました。

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【 醬油にはこくち、薄口の他に白がある 】
そばを食べていて柱を見ると豊橋にかけうどん「にかけ」と「しろにかけ」の訳が分からない案内がありました。おばちゃんにお聞きしますと、「当店のうどんにはだし汁が2種類あるのですよ。出汁に薄口醤油を入れたのが「にかけ」と言います。もう1つは出汁に白醤油を入れたのが「しろにかけ」と言います。お客さんから注文を受けた時にはどちらにされるかお尋ねします。」との説明です。
「にかけ」は、いつも食べるかけうどんと分りましたが、何!白醤油?、初耳です。グルメ党としては聞き捨てなりません。突っ込んで聞くと「お待ちください。」と、言われて奥に行かれました。

すぐに出てこられたのが東京庵の若社長さんです。「私も出身は大阪で、こちらに婿養子に来るまで知りませんでした。白醤油の歴史は1800年代で金山寺味噌の上汁が美味しいと当時の三河国新川(現在の愛知県碧南市)で作りだされたと言われています。現在でも三河地方(碧南市、西尾市、安城市など)が中心で生産されています。色は淡く透明に近い独特な風味の醤油です。」と説明されました。
帰りにだし汁を売っていただき自宅でかけうどんを食しましたが、かなり塩っぽいだし汁で、東京の醤油ぽい黒いだし汁同様に関西の味とは異なるものでした。駅前のスーパーで白醤油も買って帰りました。関西風のだしに入れて試してみるつもりです

そばを食べた後も腹ごなしに歩きながらの撮り鉄を楽しんだ後、荷物を預けておいたホテルに戻ってから駅へと向かいました。

下調べなしのぶっつけでの訪問でしたが路線距離が短かったこともあって全線歩いて一応全部が撮れました。平成28年10月1日での豊橋市の人口は377,999人で最近は増減はなく、ほぼ横ばい状態です。
02_%e8%bc%b8%e9%80%81%e4%ba%ba%e5%93%a1※ 豊橋市「豊橋の市電は東海道に残る唯一の市電」から転載

路面電車の年間輸送人員は最盛期の1963年(昭和38年)は約957万人もありましたがモータリゼーション進展と路線沿線に集客力ある公共・商業施設不足等があって激変していき2003年(平成15年)には約260万人にまで落ち込んでいます。ようやく官民合わせての路面電車活性化が叫ばれ2012年(平成24年)には約290万人に微増しました。
見たのが日曜日でしたので平日はまた違う様子だろうとは思いますが、市内を走る路面電車として併用軌道でありながら軌道敷内の自動車走行禁止は守られています。路面電車が車の侵入で急ブレーキをかけたり走行を邪魔することはないようですので運転時間は守られていますので、利用者には定刻に運行される認識があると思われます。
京都市電が走行していた頃は交差点で青信号であっても次の青信号を待ったりで発車せず結構ストレスを感じましたが、それはありません。欧州のトラム並みには走行で来ているように見えました。後は路面電車が近づくと優先的に青信号になって、もっと路面電車がスムーズに走れるような信号システム採用が望まれるところです。

後は東八町から赤岩口方面への軌道の整備強化です。かなり老朽化している所もありますので保線改修が必要です。バリアフリー化も14電停中の6電停しかできていませんし、車両も低床車は現役16両中の2両しか在籍していません。1編成2億6千万円もする車両ですので、すぐに全車は無理でも半分は欲しいところです。欧州で見ていますと、ベビーカーを乗せるために低床式トラムを待っておられる若いお母さんをよく見かけました。今回、日本でもこんな光景を見れないかと思っていましたが1度も会えませんでした。こういった年齢層の方々が都市内移動に路面電車を自然に利用できるようになってもらいたいものです。
また増加する高齢者層に対しても車を捨てて公共交通機関を自然に利用できるようにバリアフリー化を進めて、座席数の確保も実施して欲しいところです。ロングシートよりもクロスシートの採用を願っています。

② 豊橋15:57(ひかり517号)⇒17:11京都17:23⇒17:34長岡京
帰りは「のぞみ」に乗り換えることなく「ひかり」の通しでビールとお酒を飲みながらの乗り鉄旅でした。初めての豊橋鉄道市内線の乗り鉄・撮り鉄旅でした。最近よく乗っています欧州のトラムと合わせながら考えさせられる旅になりました。

『2016年 西方見聞録』は、こちらへ

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