2016年8月9日 表紙撮影で ようやく思い通りの「しまかぜ」撮影
この年は、出版社から委託された『近鉄電車』の企画・編集・撮影に、春ごろから打ち込んでいて、撮影のラストとして、表紙の企画を立てました。対象は、いちばん新しい特急車両「しまかぜ」50000系で決まりですが、撮影地、構図は考えあぐねていました。候補としては、本数の稼げる山田線が通過時刻の頃の光線状態もよく、車上から観察、また候補地に何回か下車してテスト撮影もして、表紙に適した、タテ位置、アウトカーブ、順光で撮れる撮影地として、漕代~斎宮の漕代3号踏切を選びました。
▲この本のシリーズの表紙は、今まで正方形にデザインされていたが、少し前から体裁が変わり、全面タチキリになった。写真上部には題字が入るので、空を大きく入れたい、順光であるのは、もちろんだが、アウトカーブのやや低い位置から、「しまかぜ」のボリューム感を出したいのが、その理由だった。あとは、天気だ。幸い、「しまかぜ」3列車は、当地を11時30分過ぎから15分おきに雁行するから、どれかは“当たり”になるだろう。結果2列車目が最も満足のいく結果となり、何とか表紙を飾ることができた。
▲近鉄山田線の漕代駅、線路に平行した伊勢街道を約1kmほど歩くと、斎宮寄りにくだんの踏切がある。▲踏切の手前からカーブに掛かるため、外側からは、やや車体を傾けたシーンを撮ることができる。本文ページで使う編成写真を撮るにも好適だった。▲まだ旧特急色が多かった。山田線は、ほとんどの区間で、北西~南東を走るので、宇治山田方面は終日、順光で撮れる。▲特急の新塗装は、まだ1割程度で、過渡期ならではの新旧塗装の併結も撮っておく。
▲前記のように、名古屋・京都・難波発の「しまかぜ」3列車は、当地を11時30分過ぎから15分おきに雁行する。左のようにさらに外から写すと、車輪まわりが見えてスピード感はでるが、上の架線がうるさくてボツ、右はほぼ同構図だが、薄雲で太陽が遮られて、これもボツ。▲戻りの「しまかぜ」3本は、伊勢中原で下車し、伊勢中川寄りへ2kmほど歩いたアウトカーブと決め、本文ページ用の編成写真を撮る。
表紙になった「しまかぜ」です。製版で微修整しています。「しまかぜ」の青い車体が、青空に同化しないよう、偶然ですが、白い雲が出て、車体の周囲だけ白く縁取っているのがミソです。
ご存じかと思いますが、このたび、近鉄では「近鉄1dayおでかけきっぷ」大阪・奈良・京都版、愛知・三重版を、それぞれ1000円で発売しています。それぞれ3府県、2県の全近鉄線が1日乗り放題です。たとえば京都~吉野の往復2500円が1000円、名古屋~賢島に至っては往復4020円でも1000円です。一度、吉野まで乗り鉄、撮影を楽しみたいと思っています。