房総半島横断の旅Ⅱ


 ポッポの丘の住人達


8月30日は夏休みであった。前回(8月25日)大多喜で見たキハ52125に是非乗ってみたいと思っていたので、再度房総半島を横断することにした。幸いこの日の午前中キハ52125が大多喜~大原間を臨時普通列車で運転されるので、大原から入り、撮影後に乗車して、上総中川駅近くの地元の卵や農産物の販売施設「ポッポの丘」で売店として使用されている車両を見学後、上総中野から小湊鉄道で五井に抜けるコースを考えた。ネックとなるのが小湊鉄道の運転本数で、上総中野発の列車は6時55分、10時45分、14時、17時15分の4本しかなく、14時発に照準を合わせて、沿線での撮影はパスして次回とした。

金町から下り電車に乗り、次の松戸で「パワフル×スマイルちばフリーパス」を購入した。新松戸、海浜幕張、蘇我、上総一ノ宮の各駅で乗り換え、大原に10時33分に到着し、10時39分発いすみ鉄道上総中野行に乗り換えた。次の西大原で降りて、大多喜方面に1キロほど歩いたところでキハ52125を撮影したが、普通列車として運転されているためヘッドマークはない。駅に戻り大原で折り返してきたキハ52に乗車したところ、同社の鳥塚社長が車掌として乗務しておられた。次の上総東で交換待ちの時に「社長さん自ら車掌をされて恐縮しています」と声をかけたところ「結構楽しいですよ」と答えられた。扉の開閉、車内アナウンス、観光案内、車内補充券、記念乗車券の販売と大忙しであったが、社長自ら車掌をされている会社は、観光鉄道ではあるかもしれないが、通常の鉄道ではここだけであろう。
車内は大糸線時代と全く変わらないが、ポスターは更に古い国鉄時代のものに取り換えられており、それもきわめて貴重なものばかりで感激する。通常ポスター類は掲示期間が過ぎると廃棄されてしまうので、本当によく残ったものと思う。これらのポスターを見るだけでもキハ52に乗る価値はあると思った。
上総中川で降りる時に社長(兼車掌)にDRFCクローバー会会員であることと「デジタル青信号」のことを伝えたところ「是非また来てください」と言われ、「今度は仲間と来ます」と答えた。
駅前の道路を大原寄りに少し戻り、踏切を渡って約15分歩いた最初の信号の所で、丘の上に元北陸鉄道のモハ3752といすみ鉄道のキハ204が見えた。更に歩くこと10分で「ポッポの丘」に到着した。ここは「ファームリゾート鶏卵牧場」の販売施設として5月1日にオープンしたもので、庭先卵や地元農家の野菜等が保存車両の車内で販売されている。いすみ鉄道キハ204、北陸鉄道モハ3752、万葉線デ7052の3両が販売施設として利用され、元JR西日本の小型DLが動態保存されており、ポッポ=蒸気機関車はない。北陸の車両が房総にあるのも不思議な感じがしないでもないが、往復1時間弱かけても見学に行く価値は十分あり、今後大切に保存されることを切に願う次第である。
駅に戻り、ほぼ満席の上総中野行(キハ202)に乗り、上総中野で8分で接続の14時発五井行(キハ212)に乗り継いだ。こちらもほぼ満席で、途中駅からの乗車もあり立客も出る程であった。折角の機会であるので途中で降りて撮影したいが、景色の良い上総牛久までは列車本数が少なく帰りが遅くなってしまう。最初の交換駅は上総山田のため、手前の光風台で降りて上総山田~光風台間の養老川の鉄橋で撮影しようと思ったが、時間的に厳しいので更に一つ手前の馬立で降りて、撮影場所探しでウロウロしている間に列車が来てしまった。次の列車で五井に行き、乗車したキハ207、入替中のキハ206+キハ213を撮影した。
113系はネット上では内房線と外房線で走ることになっており、今朝は本千葉駅で待っていたのであるが、来たのは209系であった。もう一度千葉駅に行き、来なければ諦めようと思った。案内表示を見ると17時10分発成東行が3扉8両となっており、待つことにした。その間211系が2本発車したがカメラを向けている人は見なかった。こちらも間もなく千葉地区から転属の予定で、行き先は中央東線とも新潟地区とも言われており、まだ決定には至っていないようである。
到着ホームの先端にはすでに多くの人がいたが、皆さんヘッドマークが目当てなのであろう。私自身も半ば諦めていたので最後になって撮影できたのは本当にラッキーであった。

 2日間とも房総半島を駆け足で横断したが、来春は横断しなくても、菜の花、桜を入れてまったりと撮影をしたいと思っている。小湊に行かない小湊鉄道と木更津に行かない旧国鉄木原線(→いすみ鉄道)が上総中野でドッキングした時点でお互いに工事を止めてしまい、その後も名前だけが残ったというのが何ともユニークで、もし両線ともに予定通り完成していたら上総中野は房総半島の一大ターミナルになっていただろう等と想像を巡らせた。 


 「パワフル×スマイルちばフリーパス」の広告/蘇我


 キハ52125/西大原~上総東


 キハ207/上総東


 キハ52125/上総東




 車内のポスター


 ポッポの丘/上総中川駅から徒歩25分


 協三工業製のDL/動態保存で約50mの線路を走る
 
  いすみ鉄道キハ204(昭和63年富士重工)


 北陸鉄道モハ3752(昭和26年広瀬車両)/加南線のクロスシート車として新製、昭和39年石川総線に転属し、その時にロングシート化された。昭和58年に車体更新され現在のスタイルとなり、平成19年10月に廃車になった。


 万葉線(←加越能鉄道新湊線)デ7052(昭和36年日本車両)/窓配置が不自然なのは富山地鉄市内線のデ7000形の中扉の位置を後部に変更したためであるが、何故最初から前後扉車として作らなかったのか不思議である。


 キハ212(昭和50年日本車両)/上総中野
 満員のため冷房が効かなかったため窓が全て開いている。


 馬立駅


 キハ211(昭和50年日本車両)/馬立~上総牛久


 キハ207(昭和45年日本車両)/五井


 クハ113-2049他8連/千葉(千葉寄りの先頭車)
 
 クハ113-242/千葉(銚子寄りの先頭車)


 クハ210-3040他5連/千葉
211系は5両編成17本配置され、総武本線、成田線で使用されているが、間もなく209系に置き換えられ他線区に転属する。


 
クモハ211-3040/千葉
廃車になった201系のパンタを増設した車両が9編成存在する。

 
 ありがとう113系記念弁当

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