来場者は5日間で600名強
写真展 「京都からすま市電通り」は2024年12月16日(月)~20日(金)まで、中京区烏丸三条角のNTT西日本三条コラボレーションプラザで開催されました。京都の市街地の交通至便な場所での開催ながら、歳末の平日のみ5日間での実施でもあり、来場者の動員が心配されましたが、京都新聞に掲載(12月17日「市民版」)やNHK京都の地域ニュースで紹介(12月18日の夕方、夜間)されたこともあり、来場者は5日間合計で延べ610名を数えました。特にNHKの放映翌日の12月19日には1日の来場者が200名を超え、大賑わいでした。(12/16=48名・12/17=101名・12/18=126名・12/19=207名・12/20=128名 総計延べ610名様)
ギャラリーのあるNTTビルは烏丸通りに面したガラス張りの建物
入口(ロープ左側)からは会場全体が見渡せる
動線を意識した配置が奏功
来場者は平日開催で、60歳以上で全体の74%を占める結果となりましたが(来場者アンケート)、従来の写真展に比べると熱心な方が多く、ゆったりした会場で、ご自分のペースで鑑賞される方が多くおられました。今回、来場者の動線を考え、レイアウトを直前に少し移動しましたが、それが奏功してアプローチ→年表・古地図・昔日の京都駅前→メインの烏丸線モノクロ写真で奥へ→パティション裏の今昔比較→表の停留所網羅→切符ファイル・カラー写真→スケッチ画 と来場者が鑑賞しやすいレイアウトになっていたと思います。
アプローチ部分。来場者はここで烏丸線の歴史を学びメイン写真へ
京都駅前から烏丸車庫まで約40点のパネルが。途中に祇園祭の架線切断がある
アンケートは質量ともに最高
展示終盤のスケッチ画の傍らにアンケートを設け、椅子を2脚置いたところ、ご自分で良く考えられた感想が書かれたアンケートが次々と投函され、5日間で来館者の4分の1に当たる148通の貴重なご意見が寄せられました。今までの市電展示会の中で最高の枚数です!アンケートは全体の8割が男性でしたが、会場で案内をしていると、実際の来場は男性6割、女性4割くらいだったような気がします。女性は2人連れの高齢者が目立ち、写真の前で懐かしそうにお話をしているのが印象的でした。
最終日の装飾電車のコーナーがあり、壁面展示はおしまい
振り返るとパティションに烏丸今出川、東本願寺などの今昔比較
来場者から感謝の声と要望
市電の写真を見て当時の風景の回顧や、ご自身の思い出を呼び起こすことに感謝の声が会場で数多く寄せられました。一番のリアクションは京都駅前の百貨店、丸物です。また要望も寄せられました。一番多かったのが「烏丸線以外の線区も見てみたい」との声でした。発信する側はテーマを決めて来場者に見ていただくのを基本としていますが、見に来る人は「京都市電」を期待していますから、今後の開催には配慮が必要だと感じました。また「図録はありませんか?」との問い合わせを複数の方から尋ねられたのも初めての経験でした。
パティションの表は烏丸線全停留所、ホーロー看板と電飾看板を網羅
展示終盤に市電・市バス・地下鉄の切符ファイルを4冊配置
メインのモノクロ写真とスケッチ画が好評
大きく伸ばされた写真には、書籍に掲載されてない作品も多く好評でした。また今回、20名近くから烏丸線の写真を集めたことで、写真に個性が感じられ、スケールメリットとともに、メインコーナーを際立たせる結果となりました。反面、撮影年月日の記載していない作品が殆どで会場でも指摘を受けましたし、アンケートにも要望がありました。一方初登場の沿線スケッチ画は、会場の雰囲気を和ませ、特に女性の方からの評判が良かったです。また数少ないカラー写真を効果的に配列、青の2000・2600形連結車やワンマンカーが珍しく、関心が予想以上高かったのは意外でした。
スケッチ画はテーブル展示で変化を持たせた。一角にアンケート記入台
柱の壁面はカラー写真特集。「青い電車」に関心が集まる
会場も設備も申し分なし
今回の写真総点数は100点あまり。これにスケッチ画やさまざまな資料を交えての展示でしたからバラエティー豊かで、来場者も満足されたと思います。3日目の朝に来場者が思ったより高齢者が多いので、椅子を増やして会場に並べたところ、滞留時間の増加と来場者のサービスになっている様で良かったです。また最終日は15時までのところ、次々と来るお客さんのために16時まで延長をして便宜を図った様に、会場運営もその時々の状況に応じて柔軟に対応することができたと思います。快適な展示会場もスペースが十分で、清潔で申し分なかったです。会場やアンケートで寄せられた様々なご意見を参考に、さらにレベルの高い写真展を目指したいと思います。改めて写真展にご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
たくさんの方が来てくださって、また熱心にご覧になる方が多く、素晴らしい写真展でしたね。勘秀峰様、お疲れはありませんか?
私は市電がいたころの思い出話をご来場の皆さんと楽しませていただき、50年前の高校生、いや、もっと昔の子供のころに心が戻っていました。
ある方が「往復切符を買って乗った」とおっしゃったとき、勘秀峰様の切符コレクションを案内すると、「ああ、これです、これです」とたいそう喜んでくださいました。回数券では年代によって種類が異なり、「年がばれる」と笑ったものです。
本当に楽しい5日間でした。ご一緒できたことをうれしく思います。