▲ 13:20 オラビタから2時間5分の乗り鉄を終えて終点のアニーナ(Anina)に着きました。ひと気のないAninaの街でしたが、学校帰りの中学生のお嬢さん達が笑顔で迎えてくれました。聞かれるのは何処から来た? 何人なの?です。日本人だよと答えるとびっくりした様子でした。初めて見る東洋人だったのでしょうね。スーパーがないかと聞きましたが、指さされた方向は遠く、折り返し時間に駅に戻るのは難しく諦めました。
第15日目 2月25日 その2
11:08 ティミシュアラからDCを乗り継いで126.6㌔、所要時間3時間28分でオラビタに到着しました。ここからはアニーナへの山岳鉄道に乗って、折り返しの乗り鉄旅です。
【 Oraviţa~Anina Railway 】
この鉄道はオーストリア帝国時代にAnina炭鉱で採炭される石炭をドナウ川沿岸のバジアシュ(Bazias)に運ぶために建設されました。
既に開業していましたルーマニア最古の鉄路、バジアシュ~オラビタから延伸された路線は長さ33.4㌔、標高差約339m、平均勾配約14‰、全路線の66%が曲線になる山岳鉄道で難工事の末、1863年12月15日に開業しました。
Oraviţa~Anina Railwayの歴史・機関車・現状等は公式HP、こちらをご覧ください。
▲ 客車2両を牽引するのはDL73-001-5号機です。
発車前には乗降口ドアで切符の販売と確認です。私も買おうとしましたら乗ってからと言われました。
発車間際だったのでしょうね。
▲ 2両目の最後部からの撮影をしようかと思いましたら車掌から制止がきました。空いているのになぜかなと思いましたら暖房です。車両中央部にボイラー室があって客室内を暖めています。わずか6人と少ない乗客です、後部車両まで手が回らないので前の車両に乗客を集めたようでした。ご覧のように車内には木製ベンチシートが並びます。
※ 写真はクリックしていただきますとボアアップします。
▲ 11:18 車内改札が始まりました。私の切符は手書きの車内補充券(車補)です。片道33キロの乗車で10Lei(約310円)でした。
▲ 車窓さんは、写真を見せながら熱心に解説してくださいます。ただルーマニア語ですので全く理解できないのが残念ですが気持ちは伝わりました。
▲ この時期のOraviţa~Anina のダイヤは1日1往復のようです。上はCFRの時刻表から、下はOraviţa駅に掲示されていた時刻表です。シーズンには増発もあるのでしょうね。
11:15 列車は定刻に発車しました。さてどんな車窓が見られるのかと座席に座って楽しむ事にしました。沿線の車窓は復路で最後部から撮影していますので、併せてOraviţa からをご紹介します。
▲ 11:15 定刻にオラビタを出発、谷を越える橋を渡って最初のBradeisoruに到着しました。周りには何もない所ですがはやくも2名が降りられました。街は駅を下った所にあります。
駅位置 Google座標; 45.075209, 21.712836 ※ 写真はクリックするとボアアップします。
▲ Bradeisoruを発車すると右手に閉鎖なった採掘場のホッパが見えました。ここも石炭の採炭が行われていたのでしょうか。
11:56 列車は尚も谷を越えて上って行き、Dobreiに到着です。Google座標;45.101851, 21.768548
▲ 12:13 初めてのトンネルを抜け着いたLisavaには駅舎もあって駅員がおられました。わずか1日1往復しかないのに駅員がおられるとは驚きです。交換設備のある交換駅だからなのでしょう。駅員さんの通勤は車のようで1台が留め置かれていました。
▲ 12:18 Mennielトンネルを抜けてCiudanovitaに到着。駅名は立札で、簡易待合室がある駅舎?ですが、見回しても人家は見えません。
Google座標; 45.128186, 21.787136
ここからは岩肌を切り開いた切り通し、素掘りのトンネルが続きます。泰緬鉄道のようでもあります。
▲ この鉄路の完成は1863年です。和暦では1868年が明治元年ですので、それよりも古い文久3年と江戸時代です。
車内温度は石炭ストーブのおかげで20℃に保たれ快適です。列車スピードは10~20km/hと連続する急勾配をゆっくりで登っていきます。タブレットでナビゲーションしながら走行位置を見ながらの乗り鉄でした。
[googlemap lat=”45.143628″ lng=”21.82968900000003″ align=”center” width=”550px” height=”350px” zoom=”17″ type=”G_HYBRID_MAP”]45.143628,21.829689[/googlemap]
12:48 起点駅のOraviţaから25㌔のGarliste に到着しました。 Google座標; 45.143628, 21.829689
ご覧の通りのスイッチバックの交換駅です。かつては長大編成の投炭列車が待ったであろう待機線がありました。交換駅ですので駅員さんがおられます。青い丸型の板を上げての発車合図が仕事です。
▲ 13:20 定刻よりは15分遅れでAninaに到着しました。車掌からは20分後に折り返すので遅れないようにと言われましたので、時計を見ながら駅前を散策です。
▲ かつて石炭輸送で多くの乗客があったろうと思われるAnina駅舎です。ヤードのレールは3線を残して撤去されていました。
▲ 駅前広場はとても狭くひと気ももありません。アヒル君たちの放牧地になっていました。ただ依然使用されたであろうレールがまだ残っています。
▲ 駅前の坂道を上って街を見てみましたが20分では中まで入っていけません。早々に退散しました。
駅に戻って列車に乗ると待っていたかのように発車しました。 Part35に続く