2015年 西方見聞録 ルーマニア鉄路の旅 Part35 ルーマニア鉄道 最古の駅 Oraviţa(オラビタ)

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Oraviţa~Anina鉄路の牽引力アップのため1956年にルーマニアの Reşiţaで製造された50.065号機。車軸配置は0-10-0E型の勾配用蒸気機関車です。同じ3軸テンダー車付の蒸気機関車としては、Baureihe 57の2・3,4・5・10-35型等がありますが稀なタイプです。2013年には開業150周年を記念して走行しましたが、今は静かにOraviţa駅ヤードで休んでいます。


第15日目 2月25日 その3 復路

13:32 アニーナ(Anina)を2分遅れで発車した折返しの9694列車は順調に山を下りましたが、定刻10分遅れの15:30、オラビタ(Oraviţa)到着でした。
03_車内切符02▲ 復路切符も車内販売で買い求めました。

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 オラビタでは2本の列車が発車待ちです。右側がティミシュアラ方面のバジアス(Berzovia)に向かう15:30始発のR14526列車、「乗るんだったら急いで!」と駅員からの手招きがありましたが、今日はここで宿泊する予定ですので手でバツ印で答えました。
左は明日乗車予定のヤム(Iam)行きの17:25始発の列車です。
DSC_7119055DSC_7115053▲ 乗車した列車を牽引したDL73-001-5号機は直ぐに切り離されて機回しされました。1975年製の古いディーゼル機関車で、軸配置B’B’、出力920kw、最高速度100km/hです。

DSC_7113052 DSC_7118054DSC_6976_100▲ 客車(453、455)ですが乗車したのは上下とも左側です。1915と1917年製ですが台車は履き替えたかも・・。車体はルーマニアで通常走行している最古の客車です。

DSC_7105049DSC_7111051DSC_7109050▲ こちらは貨物ホームに留置きされていた2両(454、452)、452の方は古い台車を履いていました。これがこれらの客車の元々の台車だったのかも・・。

DSCN0383▲ 冒頭で紹介しました50.065号機は駅舎正面から遠く、本線向こうのヤードにいます。
希望があればチャーターできると掲載のあったHPがありましたが、屋外で展示されているのを見ると難しいのかも・・。

DSC_7136062 DSCN0628143▲ Oraviţa駅舎は駅前広場から見ますと2階建てですがホーム側から見ますと平屋建てです。これは道路がホームと線路より低い位置にあるためです。かつては乗客用エレベータもありましたが現在は使用されていません。利用客は正面右手にある階段でホームへと上がります。

▲ 軒下のある駅舎です。ホームには屋根がないので雨の降る日は必需です。
右は狭いながら待合の椅子のある切符売場です。どちらも清掃は行き届いていました。

▼ 駅舎の壁にはこれでもかと歴史ある駅舎についての銘板が貼り付けてありました。


【 ルーマニア最古の鉄道駅 オラビタ(Oraviţa) 
オーストリア帝国時代にアニーナ炭鉱で採炭される石炭をドナウ川沿岸のバジアシュ(Bazias)に運ぶために1847年に建設が始まりました。1954年8月20日に最初の区間、オラビタ~バジアシュ(Oraviţa – Iam – Iasenova – Vracevgai – Bazias)の62.5㌔が開業して貨物輸送が開始されました。1856年11月1日には客扱いも開始されています。ルーマニアで最初に鉄道が開業したのがこの区間で、オラビタ駅はルーマニアで最初の鉄道駅です。
残る区間(オラビタ~アニーナ)は山岳鉄道で難工事の末、1863年12月15日に完成し、ようやく全線約96㌔が開業しました。アニーナ炭鉱で採炭される石炭や伐採された木材がバジアシュへと輸送され、船に積替えられてドナウ川の水運によって各地へと送られました。

現在この路線はアニーナ~オラビタ~ヤムが残り、運行が続けられていますが、大戦後セルビア領となった区間については廃線になっています。

15:47 駅前食堂で昼食。今夜宿泊するホテルはまだ決まっていませんので食堂のおばちゃにお聞きしますと、ご主人を呼んで懇切丁寧に教えてくださいました。紹介されたのは”Hotel Caras”です。タブレットにマークも入れましたので道筋は大丈夫です。
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▲ 16:15 駅からホテルまでは約500m、徒歩7分で到着です。ここはセルビア国境に近い町です。部屋が空いているか、また外国人が宿泊できるか不安がありましたが、OKが出ました。これで安心です。宿泊料は120Lei(約3,720円)、部屋もまあまあ広くてWifiも飛んでいて快適でした。

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▲ ホテルの向かいに大きなスーパーがありましたのでビール等の買い出しに行ってみましたら思わぬ日本食コーナーがありました。お米と海苔です。
お米はルーマニア料理にも具材として使われていますので分かりますが、海苔はどうするのでしょうか? この町に日本料理屋等ありません。おにぎりや巻き寿司が普及しているとは思えませんのでどういった使われ方をしているのでしょうか。他にも醤油やワサビは置いていましたがこれは海外に行くと結構売っています定番です。静かに日本料理の普及が進んでいるのかも・・。

今日の行程は日本出発前にOraviţa~Aninaのダイヤが分からなかったので1日余裕を持って臨んでいました。スムーズに行けましたので明日はヤム(Iam)への乗り鉄をした後はティミシュアラに戻ってのトラム撮影を予定としました。  Part36に続く

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