今回の旅での目的は6月9日の台湾鉄路節(鉄道記念日)に運行されるイベント列車撮影ですが、路面電車ファンでもある私的には高雄で建設が進む架線レストラムを見てみたい撮ってみたい事も大きな目的でした。中国瀋陽で1月に見た同じ架線レストラムも素晴らしかったですが、交差点のみの短い架線レス走行でした。一方の高雄トラムはその上をいく電停間架線レス運行です。
高雄市を一周し総路線長は22.1㌔、軌間1,435㎜、電圧DC750V、第1次開業はC1~C14の8.7㌔と発表されていましたが、工事はかなり遅れているようで見に行って自分の目で確めてみないと納得できません。ご報告をさせていただきます。
▲ C2-凱旋瑞田站で留置されていましたスペインCAF(Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles)製の100%低床式トラムUrbos3。このトラムはACR system (Acumulador de Carga Rápida)を搭載し、停車時のわずか20秒間で超急速充電を行い電停間は架線レスで走行できるのが特長です。架線レスでの走行可能距離は1,400m。
運行されるトラムは5車体の連節車(Mc-S-T-S-Mc)で、車両長34.166m、定員250名、最高速度70km/hですが実際の運行時はどうなるのか。駅間距離は500~700m程度の平均約614mです。全線22.1㌔が専用軌道のようですので、50~70km/hでの運行は可能と思われます。
第2日目 6月4日その2
高雄貨物線撮影の後は今日の本番、トラム撮り鉄です。そのために自転車を借りて試運転撮影や工事中の全区間を走り、現状を把握します。
鉄道工場までの貨物線はかつての臨港線でした。この路線跡を利用して高雄トラムは走行します。
鉄道工場前の踏切から後ろを振り返りますとトラムの車庫が見えてきました。まずはトラム路線を再掲載します。
▲ トラム車両が留置されています所は出来ているようですが周りの殆どはまだ工事中です。昨年7月に来た時は今年1月頃には第1次区間の開業なるだろうとの情報を得ましたが、情報サイトが間違っていたのか、工事の進捗具合が台湾流でいい加減だったのか未だ開業には至っていません。程遠くに感じられる状態です。
▲ 11:40 車庫内は工事中でしたので入場は遠慮しましたが7編成が留置されていました。架線がないスッキリとした車庫ヤードです。
昨年11月8日には車両公開がされていますので、1月末頃には試運転営業される予定だったのかなと勝手に推測します。
▲ 車庫からC1-籬仔內站へと向かう路線です。工場内は架線があるだろうと思っていましたがありません。線路は頻繁に走行した形跡がなく錆が浮いた状態です。これでは試運転でも見られるかもと期待したのは甘かったようです。
▲ 11:45 見えてきたのは第1次開業路線の起点站C1-籬仔內站です。軌道敷内は芝生が張られて緑化対応が図られています。夏は猛暑日が毎日の高雄です。トラムをホームで待つ利用客にとっては嬉しい取り組みです。これでミストでもあれば暑さは和らぎます。ホーム長も十分、お年寄りや車椅子にも優しい勾配が少ないスロープです。
▲ ホーム中央屋根下には充電する固定架線が設置されています。停車時間20秒はトラムにしては長めと思いますが架線レスを考慮しますと妥当かも・・。
ホームには自動切符販売機が設置されています。トラム車内にはセルフ改札機が設置されていましたので信用乗車制が採用されるのかも・・です。
▲ C1-籬仔內站を出ると右にカーブして芝生軌道を行きます。
▲ C2-凱旋瑞田站までは863m、専用軌道でこれなら高速で飛ばせそうですね。2編成が留置されていました。これで合計9編成です。左側は電源も入っています。レールもつながっていますので、この区間で試運転が行われているのでしょうか。ただ今日は途中で車止めが設置されていました。
▲ 12:04 638mを走りC3-前鎮之星站に着きました。高雄MTR紅線凱旋站との接続站です。ホームの工事はほぼ終了しているようで最後の仕上げ調整が行われていました。レールもこの站まではつながっていました。
▲ 12:15 704mを走ってC4-凱旋中華站。途中はまだ芝生養生前の準備中です。
站がある程度までできているのはここまで、この先はまだ姿を現してはいません。軌道工事もレール敷設がまだだったりとまだまだのようです。
▲ この辺りにC5-梦时代站が出来るだろうと思われます。最初の発表では第1次開業区間の終点はC14-哈瑪星站でした。ここにある打狗(タカオ)鉄道故事館で聞いたところ、「工事は大幅に遅れている。橋が出来ていないので今年9月頃に開業できるのはC5-梦时代站まで(2,896m)だろう。そしてこれも不確定です。」との事でした。全線22.1㌔が完成するのはいつになるやら、私がこの世に生きている間は無理なのかと思ってしまいました。
C5站以降の進捗状況です。1部では軌道が敷設され出した区間もありますがわずかで殆どはその前の前の段階です。各所で作業員が工事に従事している様子も見えず、工事は止まっているかに見えてしまいます。中国のように一気に人海戦術を使っての勢いはありません。
▲ 問題は愛河に架かる橋ですが、まだ基礎工事段階の杭打ち中です。
▲ 13:40 高雄港近くになると未着工で、高架軌道になるようですが何も行われてはいません。現在観光歩道となっています路線を活用してはとも思いますが・・・。
▲ 13:48 途中寄り道や昼食もしましたが以前は第1次工事区間の終点だった高雄港站に到着。打狗(タカオ)鉄道故事館に立ち寄りトラムのお話を聞き、雑誌類を購入してからホテルに戻る事にしました。
▲ 高雄はサイクリングロードが250㌔以上もあるそうで、自転車天国です。MRTにも自転車が乗せられます。復路は車内に持ち込んで戻りました。
▲ 15:01 戻ったホテルはウェルカムドリンク類は勿論、ケーキやアイスクリーム、夕刻過ぎには包子類も無料サービスです。今日は自転車に乗って約25㌔を走りましたのでしばしの休憩です。
① 高雄 15:37(自強138次)⇒18:08 台中
今夜は台中泊りで不銹鋼號さんと合流します。ホテルはクモハ73106東ウラさん、大津の86さんとも明後日に合流する双星大飯店としました。
19:30 不銹鋼號さんと合流した後はご一緒に近くの店で飲茶を共にしての情報交換と明日の行程相談です。結果、DR2700イベント列車が走行する海線ロケハン、台中港貨物線撮り鉄、彰化機関区見学となりました。
今日一日で腕は火傷をしたかのように真っ赤になってしまいました。部屋に戻ってからは水で冷やしての就寝です。但し、今夜は明日寝過ごさないようにとモーニングコールを依頼しました。 Part4に続く