窓から写した駅・列車 -13-

道東-釧網本線・根室本線の窓から

窓から・北海道 (6)釧網本線川湯駅で交換する釧路発網走行き626レ、C58197〔釧〕+オハ6243+オハ6244+スユニ60301+貨車。列車以外にもいろいろな要素が写り込んでいる。まず駅舎は、昭和5年の駅開業のあと、同11年に完成したと言う。正面に白樺を使った三角形のファサードを持つログハウス風だ。近くに広大な御料地もあり、貴賓室も設けられた。いまは駅名が川湯温泉と改称されたが駅舎は健在で、数年前に訪れた時は、事務所はレストランとなり、足湯もあった。右手に見える山は、標高512mの硫黄山、駅から約3キロに位置して、硫黄の匂いが流れて来ることもある。現在も噴気活動をしている活火山が駅のこんな近くにあるのも驚きだ。そして右手にチラリと見えるのはスヤ393〔釧クシ〕、工事車のスヤ39は、マハネ29などの3軸ボギー客車を種車として、1~5、11、21、31の8両あり、この時代は5両が健在だった。宿泊可能な工事車で、工事があると、さまざまな駅に留め置かれていた(昭和43年9月)。

窓から・北海道 (7)細岡駅にて。釧路発網走行き628レ、C58127〔釧〕+貨車+オハフ6238+オハ6210+オハ6233+スハニ6226+貨車。釧網本線もここまで来ると、山岳地帯から釧路湿原の真っ只中となって、窓からはどこまでも原野が広がる。駅もゆったりとして、きれいに整備されて、いかにも北海道の駅、という雰囲気だった。この時期、釧網本線斜里からは、日本一の赤字線と揶揄されていた根北線がまだ出ていた。レールバスが使用されていたが、朝夕のみの運転で、見ることができなかったのは残念だった。翌年に行くと、もう根北線は廃止されていた(昭和43年9月)。
窓から・北海道 (9)藻琴駅で交換する緑発網走行き644D、キハ22241〔釧クシ〕の単行列車。釧網本線の区間列車も、かつては前記のようなレールバスが使用されていたが、さすがに収容力に難があり、両運のキハ22に取り替えられていた(昭和44年9月)。
窓から・北海道 (10)根室本線落石駅で交換する1482レ、C58319〔釧クシ〕、列車番号を見ても分かるように、貨物列車に客車を引っ付けたようなもので、事実、貨車の編成のほうが長かった。写真のように、まだ当時は、駅周辺に民家が見られた。数年前、ぶんしゅうさんと一緒に根室線に乗車した時、厚床~根室では、駅前からほぼ家が無くなっているのを見て愕然とした(昭和44年9月)。

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