加太、と言っても関西本線の加太ではない。南海支線の終点にある加太である。
過日、回りまわってきた南海の優待乗車券を使って、南海和歌山市から加太線の乗車を行なった。
加太線は、南海本線和歌山市のひとつ手前の紀ノ川より分岐し、紀淡海峡に突き出た突端に位置する加太へと至る9.6キロの支線だ。電車はすべて、和歌山市の発着で運転されている。日中は30分ヘッドで2両編成がワンマン運転されている。
もとは明治末期に蒸気鉄道として開業した古い鉄道で、昨年、開業百周年を迎えた。単独で紀ノ川を渡った先に駅を設置した時代もあった。のちに南海本線の紀ノ川駅へ接続する形に変更するなど、歴史的に興味深い線である。
沿線の社寺などへの観光・信仰客輸送や、夏季は海水浴客輸送もあった。終点付近に、砲兵連隊の兵営もあり物資輸送もあった。のちに述べる、製鉄所からの貨物輸送で賑わった時期もあったが、すべてが無くなってしまった今、加太線には、静かな時間だけが流れている。
以下、電車の先頭から見た、加太線の車窓だ。
▲南海和歌山市駅に停車する、加太線の列車。当日は7195+7969の編成。3番線が加太線の専用ホームで、加太線百周年などの説明版がホーム支柱に貼ってある。
▲和歌山市を出る。右一線はJR和歌山方面に向かう紀勢本線、左二線は南海本線。右下にチラッと見える渡りは、JR線と南海線を接続している。かつて、南海から南紀方面への直通するDC・客車は、ここを通って国鉄に乗り入れた。現在でも、車両工場からの南海新造車の搬入は、このポイントが使われる。


















今日はチャーターではありませんが、途中で気に入ったところで止まっての撮影の了解が取れているそうです。これは最高です。

































