とさでん伊野線の単線路側軌道
とさでん交通の路面電車の魅力はいろいろあります。最近、新聞にも採り上げられて、注目されたのは、はりまや交差点で見られたら奇跡!の“トリプル・クロス”でしょう。私も近くのビジネスホテルの“トレインビュールーム”を予約し俯瞰で楽しむことができました。今回は、ほかにも、とさでん交通伊野線の単線路側軌道も探索してきました。
かつての花巻電鉄、福島交通軌道線、最近の廃止では名鉄美濃町線で見られた、道路の端を単線で走る“路側軌道”、現在では、とさでん交通で見られるだけになりました。単線区間は鏡川橋~伊野の7.0kmですが、途中の朝倉までは特殊自動閉塞のため、朝倉より西へ、伊野までの区間のみが通票閉塞で残り、朝倉、途中の八代(信)で、タブレットの授受も行なわれています。
▲東西に長く延びる、とさでん交通の後免・伊野線の西端区間が、今や貴重な単線路側軌道区間だ。写真は、終点・伊野に停車する電車、発車するとすぐ単線となり、道路の端を走る。
▲終点の伊野に着いた625号、運転士が下車客から料金を受け取っている。電車の前に掲げられた「いの」「ごめん」の行先札は、とさでんの名物でもあるが、このように、終点に着くたびに入れ替えている。
▲伊野駅で発車を待つ。日中は一時間に3本の頻度で折り返す。駅部のみは2線だが、すぐ左手が終端部となるが、近くの店のクルマの駐車場と化している。
▲伊野駅舎は平成20年に改築された。伊野は土佐和紙の生産地で、古い町並みも見られる。それにちなんで、木造切妻屋根、土佐漆喰を使った、伝統的な建築物となった。
▲伊野には、北側へ側線が一本伸びているが、かつては4線あり、夜間の駐泊に利用される車庫があった。いまは、分岐部が撤去されているものの、S字のレールは、舗装道路のなかに残っている。
▲折り返し伊野を発車した桟橋通行きの電車、ここから、路側軌道を走り出す。
▲伊野を出て、200mも走れば、つぎの伊野駅前に着く。右手へ行けば、JR土讃線の伊野駅に達する。なお、平成16年に周辺の村を吸収したため、町名は「いの」になっている。
タブレットの授受を見る
▲前記のように、とさでん単線区間のうち、朝倉~伊野の通票閉塞区間では、タブレットの授受・交換が見られる。その始点となる朝倉へも行って、そのシーンを確認してきた。まず鏡川橋方面からの電車が到着するが、ここまでは単線ながら自動閉塞なので、この電車からのタブレットの受け取りはない。
▲まもなく伊野方面から交換電車が到着、携えていたタブレットを係員に渡す。
▲授受を終えて、電車は両方向に発車していく。このように、朝倉ではタブレットの“交換”は見られないが、中間となる八代(信)では、交換も見られる。▲JR朝倉駅前で線路は国道38号を横断して、S字カーブで朝倉に向かう。右手の森は高知大学のキャンパス。
総本家青信号特派員様
ご苦労様です。はりまや橋の近くのはりまや交差点はボケーと通過しましたが、トリプルクロスとはどういうものを言うのでしょうか。また、単線路側軌道は江ノ電にはなかったでしょうか。また、能勢電も未舗装の砂埃の中を走る多田~鼓滝間がそうであった様な気がしますがどうでしょうか。
準特急さま
コメント、ありがとうございます。はりまや橋は、路面電車の平面交差ですが、四方向の渡りがあります。平日朝、8時12分になると、3本の電車が、その渡りを曲がっていくシーンが見られ、関西の新聞にも大きく採り上げられました。ただ、わずかの時間差ですので、毎日見られるとは限らない、まさに“奇跡”の風景と言われています(写真は地元のフリーペーパーから)。単線路側軌道は、能勢電にもありましたね。私が高校生の頃、雑誌「鉄道ファン」に、当会の能勢電の近況記事があり、それで知った記憶があります。
俯瞰で見るとよくわかります。有難うございました。