2022年新春初旅は、ローカルバス乗り鉄旅 Part1

コロナ感染者数が全国で 2,452人と終息に向かっていた昨年12月4日にいつも中国ナローゲージ鉄賂への訪問お誘いを受けております一路順風さんから「ちょっと面白そうな路線バスの乗車イベントがあります。家内と行こうと思っていたら『興味がないのに長時間小さな路線バスに乗り詰めなのは耐えられない。』と、断られてしまった。代わりにご一緒いただけませんか。ぶんしゅうさんと一緒なら積もる話もありますので長時間の乗車は苦になりません。いかがでしょうか。」とのご要請を受けました。

面白そうなイベントとは、全長169.8㎞、高速道路を使わない路線では、日本一の走行距離を誇る路線バス『八木新宮特急バス』の乗車です。
ちょうどこの時期には十津川温泉の対象の宿に宿泊するとバス往復の運賃 6,900円が無料になるというキャッシュバックキャンペーンが開催されていました。
子供たちが幼少期、毎年正月明けには新宮に近い川湯温泉の大塔川河原に設けられる冬季限定の大露天風呂「仙人風呂でのキャンプ生活を恒例にしておりましたので途中で通る十津川温泉に一度は宿泊したいと思っていました。勤務時代は十津川村はクライアントでもありましたので年に2~3回は訪問していましたが宿泊の機会はありませんでした。マイカーや社用車では来ておりましたがこんなに長い路線バス乗車の経験はありません。今は暇だしコロナ騒動も落ち着いてきた様子なので行ってみるかと即決OKを出しました。

すぐに一路順風さんから予定表が送られてきました。何時もながら丁寧な案内です。

1月7日(金)
近鉄京都(10:14)–急行– 大和八木(11:18)、
大和八木南口2番乗場(11:38)–奈良交通– 蕨尾口(16:15)、十津川温泉 平谷荘 泊
1月8日(土)
(天気が良ければ・・)近くの 柳本橋、野猿 流籠、昴の郷 野猿 を散策~添付地図参照~(約2kmくらいでしょうか)

ホテル昴(11:59)–奈良交通– 大和八木(16:37

【その他 もろもろ】
*路線バスのため、私はぶんしゅうさんより少し早めに大和八木駅バス停で並ぶようにします。(いらっしゃったら交代してください)

*途中 上野地で20分 休憩があり、他にも五條と十津川温泉で10分のトイレ休憩があるようです。
*蕨尾口は 十津川温泉のひとつ先のバス停です。旅館はすぐ前みたい。
*行きのバス賃3,450円は、下車時に一旦 支払う必要がありますので ご用意願います。
*昼を挟むのでバス内で食べる軽食は各自 用意した方が無難でしょうね。
*宿泊費用は、12,800円/人です

第1日目 1月7日

① 長岡京 8:44⇒ 8:55 京都
② 京都 9:46(急行)⇒ 10:57 大和八木

京都駅で雑用がありましたので余裕を持って一路順風さんからの予定表よりは早くに自宅を出ました。
駅弁も買っていこうかと思いましたが大和八木駅には柿の葉寿司という名物駅弁もありますので、ここでは京都の地酒 ”玉乃光・純米吟醸” だけにしました。
10:57 樫原神宮行の急行で乗車77分、定刻に大和八木に到着。すでに南口2番乗場では一路順風さんが一番手にバスをお待ちでした。
切符を買ってくるようにと指示が出ました。切符売り場は南口バスロータリーに面した『かしはらナビプラザ』の一階の樫原市観光案内所で販売しているそうで行ってみますと中南和エリアのパンフ、お土産物や物産が展示販売されていました。

▲ 私の興味は日本酒だけです。日本全国どこへ行っても美味しい地酒があります。帰りには私へのお土産物としてリストアップしておきました。
👈 バスの切符は 3,500円。ペラペラの切符です。
▲ 11:26 バス乗り場正面の待機場に今日乗車するバスが来ました。20人乗りの中型バスです。

▲ 11:36 バス乗り場に列ができました。皆さん三蜜回避で間をあけてお待ちでした。11:38 定刻に大和八木駅を出発、五条へと向かいます。

③ 大和八木 11:38⇒12:48 五条バスセンター

▲ 12:48 イオン五条店に隣接した五条バスセンターに到着、トイレ休憩です。 20人乗りのバスには乗客は18人とほぼ満席でしたが立ち席客はなくギリギリセーフです。
出来ましたら3列シートのハイデッカータイプが欲しいところですが、今日はキャンペーン期間中の特別な日です。普段はガラガラなのでしょうね。

④ 五条バスセンター 13:08⇒13:11 JR五条駅

▲  13::05 JR和歌山線の五条駅に到着、しかし乗車客はいません。五条駅は、1896年(明治29年)10月25日、大阪鉄道の高田駅から南和鉄道によって延伸されて開業していますが、1904年(明治37年)には関西鉄道南和鉄道を買収、1907年(明治40年)には- 関西鉄道が国有化されて現在に至っています。
2019年(令和元年)現在の五条駅の一日平均の利用客は 2,562人、1995年(平成7年)には 6,328人ありましたのに約40%に激減しています。かつて新宮まで紀州半島を横断していた五新線の建設計画があった始発駅としては寂しい限りです。

【 五新線 】
戦前は五条から新宮までの五新線が計画されましたが太平洋戦争で工事中断。戦後1957年に工事再開となり1959年には西吉野村城戸までが路盤完成となりましたが、西吉野村内に設置駅が少ないと、バス路線として開業したい反対意見が出て、村が二分する程に紛糾しました。さらに近鉄と南海電鉄からも鉄道線として参入したい旨の表明があり混乱に拍車がかかりました。
五条~城戸 11.7㌔はバス専用道路として一旦暫定使用、 先の阪本までは建設工事を行い、全通後はバス専用道路を鉄道に切り替える事で、バス派と鉄道派の両者を立てた形での折衷案に落ち着き、工事は続行されました。

しかし、1979年(昭和54年)に建設予算が凍結され、国鉄再建法に伴い1982年(昭和57年)には工事自体も全面的に凍結されてしまいました。
その後国道168号線の改良工事が進み、モータリーゼーションが発展から利用客が見込めず、五新線が開業しても採算が成り立たないところから工事再開は立ち切れとなりました。
バス専用路線は当初国鉄バスが運行していましたが次第に乗客は少なくなり2002年10月に撤退、地元自治体からの援助で奈良交通が引き継ぎましたが、バス専用道路施設の老朽化が進み、2014年(平成26年)9月30日をもって運行廃止へと追い込まれ、並行する国道168号線経由便に代替えとなりました。

▲ 五条駅から吉野川を渡ると紀伊山地へと入り168号線を南へと向かいます。紀伊半島の険しい山間部を縦断するため所々狭路があって反対車線を走る車と離合困難な状態にも会いました。

⑤ JR五条駅 13:11⇒14:40 上野池(谷瀬の吊り橋)

▲ 14:40 十津川名物の谷瀬の吊り橋のある上野池に到着しました。ここではトイレ休憩と吊り橋見学で約20分間の停車時間が設定されていました。

▲ 14:46 バス停前の商店では高菜で包んだ名物のめはりずし(一個150円)と手作りの串こんにゃく(一個150円)が売られていました。迷わずゲットして美味しくいただきました。
▲ 奈良県吉野郡十津川村は1889年(明治22年)、大洪水で田畑が全村全滅の被災にあい、北海道に集団移住を余儀なくされました。かつての住民たちが16年後、田畑の収穫もある程度豊かになり、大地に実った米を使って日本酒を醸造し始めたそうです。

北海道の新十津川と十津川で採れた米をブレンドしてできたのが『郷の心』、吊り橋近くで採れたお米で作ったのが『谷瀬』です。

どうしようかなと、迷いましたが今日は買ってきた「玉乃光」があります。こちらは純米吟醸と1クラス上にもかかわらず1,100円と安く、飲みなれています。コスパを考えて、今回は購入を見送りました。試飲できればよかったのですが・・・・。▲ 休憩中に路線バス乗車証明書が配布されました。これを宿屋で渡せばキャッシュバックを受けられるようです。

 上野池 15:00⇒16:05 十津川温泉(ターミナル)

 

▲ 16:05  十津川温泉のバスターミナルに到着しました。大きくはありませんが足湯もあって寛げるターミナルです。ここでも3度目のトイレ休憩です。

⑦ 十津川温泉(ターミナル)16:14⇒16:20 ホテル昴

【 またいつものチョンボ発症・降り忘れ 】
16:14 バスは発車しました。ここから今日宿泊する旅館平谷荘まではすぐです。
一路順風さんからは、何かお声がけをいただいたろうと思ったのですが気がつけば降りるのに気づかず次のバス停のホテル昴へ向かってトンネル中を走行中でした。
一瞬、記憶を失っていたようです。
運転手に降りるのを忘れていたと告げると、『今、降りないでください。ホテル昴でおり返して旅館平谷荘近くまで引き返します。橋を渡る前にお声を掛けますので席に座ってお待ちください。』と、ありがたいお言葉をいただきました。
すぐに一路順風さんに電話して宿で待っていただくように連絡しました。
運が良かったようでホテル昴からはもう一度トンネルをくぐって新宮へと向かう168号線との分岐交差点のある橋の袂を通過します。ここで降ろしていただければ旅館平谷荘まではすぐです。

しかし、どうして旅に出ますと毎回忘れずにチョンボばかり発症するのでしょうね。
緊張感がなくなり集中力が切れるのが原因と思われます。つくづく情けなくなります。


▲ 16:33 旅館平谷荘に到着です。こじんまりした温泉旅館です。

▲ 部屋は6畳の和室、コロナ時期ですので三蜜対応で一人1部屋で一路順風さんは手配していただいていました。
▲ 宿の内湯と外湯です。源泉かけ流しの温泉で、泉質はナトリウム炭酸水素塩泉。 きりきず・火傷などに効果がある。 ナトリウムイオンが皮脂と反応するため、肌の古い角質を除去してくれるのでつるつる肌に。 入浴中はぬるぬるするが、ダブルクレンジング効果があるため、入浴後の保湿が必要とのことですがぬるぬる感はそれほどありませんでした。ぬるぬる感を求めるなら昨春に訪問しました長良川鉄道沿線の『ならここの湯が良いですよ。今年も撮影を兼ねて行く予定です。ご同行希望者を受け付けますのでお知らせください。

▲ 今夜の夕食です。名物の天然アユは焼きたてが出ました。紀州山地の中ですので新鮮な魚介類は望まれず、山菜とジビエ料理のようです。
玉乃光を飲みながら、美味しくいただきました。

Part2へ続く

2022年新春初旅は、ローカルバス乗り鉄旅 Part1」への5件のフィードバック

  1. ぶんしゅうさん、「八木ー新宮特急バス」に乗車されたのですね。特急バスであっても十津川地域の生活路線バスには違いないようです。とにかく168カ所の停留所に停まって行くのですから。そして通る国道は169号線で路線全長は169.8kmです。私も乗車しましたが、その時の始発は「奈良大仏前」の停留所でした。朝一番のバスが7時台に発車するので朝早く起きて近鉄奈良駅に行き、そこから歩いて始発の停留所に行きました。新宮まで通して乗り、帰りは新宮から急行きのくにで帰るという大日帰り旅行です。写真はその時にちょうど谷瀬の吊り橋近くの停留場で行き違いになったところを撮ったもです。ちなみに五新線建設の話をベースにした映画が河瀬直美監督主演尾野真千子さんの「萌の朱雀」です。五新線専用道をボンネットバスが走ると言うので写真を撮りに行きましたが、専用道はすでにかなり傷んでいました。そのためか専用道ではスピードが出せずに余計に時間がかかっていました。

  2. 十津川方面には温泉目的でよく行っており、平谷荘にも泊まった気がしますが、うろ覚えです。何度かは新宮まで通り抜けましたが、クルマのみでバスには乗ったことはありません。道は以前よりかなりよくなりましたが、ぶんしゅう様のお書きのとおり、まだまだ難所も多いところです。
    写真は2016年秋、五条から10キロ弱の賀名生(あのう)で、元バス専用道橋梁横のお屋敷は南朝の旧皇居・堀家住宅です。(空の電線を消してます)
    専用道バス廃止前のボンネットバス運行は私も見に行き、五条バスセンターと専用道入口で撮影しました。スマホのデータでは2014.8.29となってますが、どですかでん様が行かれたのも同日でしたでしょうか?

  3. 宇都家さん、私は同じ年の8月27日です。宇都家さんの写真にある橋梁を無軌条単端機械式内燃動車が走っている写真を撮っています。このときのことを「無軌条単端機械式内燃動車が走る五新線」として投稿しています。その中の1枚を。ここは「萌の朱雀」のロケ地です。

  4. どですかでん、宇都家さんコメントをいただきましてありがとうございます。ボンネットバス研究家の丸谷さんが存命でご活躍中であった時にこのバス乗車のお誘いをいただいたことがありましたが所要があって行けず、丸谷さんも亡くなられましたので機会を逃してしまいました。
    一路順風さんと丸谷さんとの思い出を語りながら乗車しましたが、168号線を走る車内から旧五新線跡を見ることができました。随分と立派な橋梁が完成していたのに鉄路が敷設されなかったのはもったいないと残念に思いました。次回は紀州鉱山鉄道にも行きたいのでマイカーで路線跡をたどりながら訪問してみたいと思います。
    ご紹介いただいた映画「萌の朱雀」はTUTAYAでレンタルできるそうなので早速申し込みました。建設のトラブルに会い、歴史に翻弄された住民の歴史を鑑賞してみたいと思います。

  5. どですかでん様
    2日違いだったのですね。私は奥の方まで行かなかったですが、写真を拝見し、横着せずに行けば良かったと今になって思いました。

    ぶんしゅう様
    湯ノ口温泉にも数回行きました。トロッコは現役時代の名残りがよく感じられてなかなか良かったですが、大阪からでもやはり遠いです。RM LIBRALYに紀州鉱山の巻があります。ご持参されてはいかがでしょう。私は最終訪問後の入手ですが、、、

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