「日本海」の思い出


五所川原機関区 1977.1.14

裏縦貫なんて言葉もすっかり聞かなくなったが、「日本海」には急行時代、特急時代各1往復している。ほかに寝台電車での臨時第二日本海に新潟から乗ったことがある。急行時代とは1960年11月ドーヤン4年生の時、「青信号」用に「レールバス」を徹夜でガリ版筆耕していた。ところがどうしても北海道簡易軌道のレールバス図面が2枚入れたくなり、といって金はなし。小学生の頃から集めていた切手を売ッ払い、その金で学割北海道均一周遊券を買い、その晩日本海に乗った、という無鉄砲な図面取材旅行であった。元来小生は準急すら絶対に乗らない主義だったが、この時は別売りだった急行券が抱き合わせ=イヤでも急行券含みの値段になっていたのである。ただ道内駅員や車掌にはそれが全く教育されておらず、うんざりするほど急行券を買え、急行料を払え/馬鹿抜かせ、二重取りするのか、とやりあい、何度怒鳴ったことか。

特急は遥か後年、1977年の1月である。重沢旦那の肝煎りで、OBメンバーが大挙津軽、南部縦貫に出かけた。小生はその時伊丹の奥に住んでいて、一人だけ大阪から日本海に乗車。菊正宗4合瓶を持参し、メンバーで酌み交わす予定であった。ところが大阪を出るや否や、諸賢に飲用頂く「水薬に、万一にも粗相があってはならじと、利き酒をしたのは確かである。そのうち世の中には不思議なこともあるもので、京都に着いて皆が乗り込んできた時には、その4合瓶は何故かカラになっていた。34年後の今でも不思議で仕方がない。それから何分か停車する度に、誰かが駅のキオスクに走って全員の水分補給に努めた。尤も旦那は全く「水薬」を受け付けないが。


往路の「日本海」ハネ 同席のお客さんは迷惑しただろう すんまへん 反省してます

秋田でT君合流

結構深い雪だった

DL牽引混合列車

ラッセル列車がやってきた


混合列車とDCの離合

これは不思議な列車

客車は旧西武の電車でウエバスト暖房が入る
五所川原機関区

全く火の気のない寒々としたオハ31車内で「もっと暖かそうな顔をしろ!」

約1名はすっかり酩酊していた

確か秋田でT君が合流し、一同打ち揃って津軽鉄道へ。ストーブ列車は残念なことに成人の日で運休だったが、オハ31の車内に入り、「皆暖かそうな顔をしろ」と誰かが命じ、火が入っている積りの記念撮影を。現実の車内は冷え冷えもいいとこで、ゴム長の雪が床に白々としていた。泊まったのは太宰治ゆかりの宿だった。


五所川原駅

芦野公園でのラッセル車

次の日はどこか失念したが東北本線の駅からタクシーで宿へ。翌朝もタクシーで駅に向かい、南部縦貫鉄道に。乙訓老人はここをパスして十和田観光電鉄に行った筈である。


野辺地駅 バックは有名な鉄道防雪林

西千曳駅 かつては東北本線の駅だった


西千曳駅

帰路も特急日本海のハネ。ついつい酒盛りになり、車掌が苦い顔で「宴会ですか」と言ったのが忘れられない。借り切りではないから、他のお客さんにはご迷惑を掛けたと、今頃になって反省している。諸兄、車内のマナーは守りましょうぞ。数を頼んだ狼藉はいけません。厳に慎まれたい。

そうそう、思い出した。メンバーの一人がリュックサックに入れ、何と何と、コーヒーメーカーを持参していた。特急内某所から100Vを借用し、我々にモーニングコーヒーをサービスしてくれた。その御仁も写っているが、サテ誰でしょう?


復路「日本海」ハネでの「懲りない面々」


このときはまだ痩せていた人もいますね 今じゃ見違えるが

 

「日本海」の思い出」への1件のフィードバック

  1. 1977年とは34年前の事だが、間もなく35年前になる。老人が御年39年歳の事だ。この年、健康診断で糖尿を指摘され日本酒⇒ワインを焼酎に切り替え始めた頃だ。須磨が4合瓶御持参とは知らなかった。大阪から通信員氏が乗車していた筈。京都駅では仕事で泣く泣くお見送りとなった新兵さんが、1升瓶を差し入れてくれたのを覚えている。事の発端は「斜陽館」に泊まれるぞ、と旦那が言い出したことだ。ついでに「ストーブ列車」に乗ろうとなり、手配は旦那と新兵に委ねた。ところが彼の地の高校の冬休みは長く、運転されていなかった。仕方なく猛吹雪の中、芦野公園で雪合戦に興じたのであった。その模様の映像がないのは、雪合戦を横目に須磨は抜けだしたのであろう。乙訓は南部循環撮影の本隊と別れキハ101に乗り終点へ、そこからバスで三本木に向かった。1959年以来十和田観光に行っていないから、どんな電車が走っているか見に行ったのだが、何も覚えていない。三沢経由で青森へ。無事「日本海」に合流することが出来た。

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