八月だ、もっと熱くなろう! 2013年 赤道直下のインドネシアSL撮影の旅 Part2 Pangka(パンガ製糖工場)

第2日目 7月28日 パンガ製糖工場02_集積場の朝8
01_朝の散歩▲ まだ作業が始まらない朝の集積場ヤードでは、お父さんでしょうか、ピンクのヒシャブを被ってサングラスをはめた可愛いお子さんを抱えての朝の散歩です。この格好なら強い日差しでも日焼けしませんね。熱帯のインドネシアでも美白は美人の条件の1つだそうです。

(Microsoft Word - 203W203203203217MapHP227p212e216355.d

昨日は、午前5時(日本時間)に起床して約21時間の移動時間をかけてのテガール到着でした。
飛行機、列車でも熟睡できていませんので疲れは溜まったままです。ホテルでの睡眠時間は約4時間、眠り足らない身体を振り起して最初の撮影地「Pangka(パンガ製糖工場)」へと向かいました。

(Microsoft Word - 220_222JMap01.doc)

この地図はインドネシア情報を発信されています落花生様が作成されたものです。
最新のインドネシア鉄道については、こちらをご覧ください。
http://chikyu-ko.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_ceaf.html

7:45、パンガ製糖工場に到着しました。この工場では畑から伐採したサトウキビはトラックに積んで運ばれてきます。かつては広大なサトウキビ畑に縦横に延びたナロー路線にシュガートレインが走っていたそうですが、この運搬行程だけがトラック輸送に移行されました。集積場ではサトウキビをトラックからローリーに載せ替えて砂糖を搾り取る工場内へと運ばれます。そのままトラックでラインまで運べばスムーズと思えますが、約100年前から続いているシステムです。工場が稼働するのは6月から9月まで。投資をするのは割に合わないのでしょうね。わずかな区間ですが、牽引するのがSLとDLです。

昨年もそうでしたが、集積場ヤードを見ますとサトウキビを満載したローリーはわずかです。運んでくるトラックの姿も見えず、作業は止まっています。サトウキビの収穫は昼間だけの作業ですので今は運搬途中なのでしょうね。作業員ものんびりと休憩をしながらその時を待っておられます。
02_集積場の朝3▲ 熱帯の日差しを避けるための休憩所の骨組みは竹製。屋根はにトタンの簡素な造りです。休憩中は作業員の皆さんがくつろいでおられます。
02_集積場の朝4


02_集積場の朝5▲ トラックからローリーへの積み替え場です。トラック1台分のサトウキビをクレーンで持ち上げてを1台のローリーに積み替えます。荷重は5㌧未満です。

02_集積場の朝1▲ こちらは男の子です。お父さんは、大きくなったらこの蒸気機関車を運転するんだよと教えているのでしょうかね。

02_集積場の朝6▲ 作業が始まりだしたのは8時過ぎでした。まずDL13号機が空になったローリーを工場内から集積ヤードへと牽引してきました。
02_集積場の朝7▲ 8:22、SL1号機も動き出して入れ替え作業が開始されました。工場内へとまだ運び出すローリーはわずかでここで待ってもしばらくは走行写真は撮れないだろう。案内人のアリフさんからは10時過ぎと聞いてもらえましたので、蒸機エンジンンが覗ける工場内に向かいました。

03_工場内103_工場内203_工場内5▲ パンガ製糖工場では、約100年近くたっています1917年製の蒸気エンジンが圧搾機を動かしています。

蒸気はサトウキビを絞った後の搾りかす(バカス)を燃料として燃やして発生させていますので、無駄が出ないリサイクルシムテムでもあります。

3台の蒸気エンジンが稼働する工場内です。

我々は思いっきり蒸し暑く30分と中にはいられませんが、作業員の方は黙々と従事されておられました。

油さしは重要な作業の1つなのでしょうね。

03_工場内303_工場内404_機関区3▲ 9:03、機関区まで行ってみますと2号機と9号機が外に出してありますが、3・5・7号機は庫内で眠っていました。

昨年も同様の稼働でした。
1・2・9・10号機が現役、3・5・7号機が退役なのでしょうね。

04_機関区104_機関区2▲ 車庫内です。
昨年と変わっている点は蒸気機関車の燃料となる細かい木材が散乱していることでしょうね。
作業員の方2名が丁寧に切断機で適当な長さに切っておられました。
05_工場ヤード1▲ 9:14、工場のヤードに入ってみますとしばらくは来ないとアリフさんが言っていたSL1号機が満載ロータリーを牽引してやってきていてローリーを圧搾作業所に押し込んでいました。
今回の案内人は昨年に引き続いてのアリフさんです。我々の撮影場所については機関車の動向によってその都度に決めていきます。アリフさんは穏やかな人物なのですが、時々ぼやっとして肝心なことをミスってしまうことがあります。最初が肝心です。すぐにリーダーのO氏よりしっかりと通訳して確認してもらわないと困ると第1回目のゲキが入りました。

左に見えるのはSL10号機です。今日は工場内ヤードでの入れ替えを担当していました。機関車の前面にあるロープをローリーに引っ掛けて隣線にあるローリーを引っ張ります。

05_工場ヤード205_工場ヤード3▲ SL1号機と比べると半分の小さなDL13号機ですが同じように満載ローリーを牽引します。

9:40、集積場から工場までの輸送が活発化してきましたので、撮影場所を集積場から工場への門に場所を移しました。DL2台とSLは1号機が満載のローリーを牽引して運搬作業を担当していました。
06_集積場1▲ 門の前は踏切です。いろいろな車両が横断していきます。これは龍をかたちどったモニュメントなのでしょうか、荷台に乗せた物売りが通って行きました。
その後も自転車・バイク・スクーターの3人乗りは当たり前、一家4人乗りも結構見受けられます。インドネシアでは「ベチャ」と呼ばれて庶民の足となっている三輪自転車Taxiに乗った地元民の皆さんの往来も頻繁に相次ぎます。
06_集積場706_集積場8
▼ 昼食後、機関区でSL4台が勢ぞろいするというので行ってみました。
07_機関区307_機関区107_機関区207_機関区4▲ ずらりと並んだ現役SL4台。
左から9・2・1・10号機です。

07_機関区607_機関区5▲ 14:32、機関区を出庫しますと木立の中を本線へと向かいます。この辺りは林鉄のようでもあります。

08_並走108_並走209_工場内ヤード6▲ 14:50、パンガ製糖工場名物の工場内への複線を使っての並走シーンです。

見学者が来るたびに要望すればやってもらえますが、揃って走るのは機関車の状態と機関士の息が合わないと中々難しいそうです。

今日は工場に入る門あたりで上手くいきましたが、途中で左側車線でローリーの脱線があったのかストップしてしまいました。でも、まずまずと言ったところですね。

09_工場内ヤード5もう1回とリクエストをかけましたが、この先で先に行ったシュガートレインが止まっていてダンゴ状態です。
前に進めず停車状態が続きました。

15:50、工場内ヤードへと入るスイッチバックへ行ってみますと満載ローリーが1両脱線していました。
そして脱線が相次ぐ原因なのかレールの取り換えをやりだしました。
これでは当分運行はできません。
よくあることなので、ここは集まってきた子供たちとのコミュニケーションです。

09_工場内ヤード409_工場内ヤード2← レール交換をする保線作業員さん。

16:30、ようやく運行が再開されました。

10_夕日▲ 17:05、夕陽がどこかで抜けないかなと探していましたが・・・、蒸気機関車がやってくるタイミングがちょっと早かったようです。

10_夜撮110_夜撮3
▲ 18:05、夕闇が迫った集積場ヤードで今回初めての夜撮の開始です。
この撮影のために今回はD800Eに買い替えました。レンズは昔フイルム時代に使っていた単眼35㎜レンズ(F2.8)に付け替えて挑んでみました。
【DATA】 F8、15秒 三脚固定
ISO-100

← こちらはいつも使っていますVR28-300㎜での撮影です。
今回は、明かりがなくとも前面から撮れるようにとヘッドライトを強力な5Wを買い求めて挑んだこともあり、試し撮影です
55㎜、1/15、F4.5、+1.7段
ISO6400、走行中の手持ち撮影。

▼ 同じくVR28-300㎜。28㎜、1/60、F4,+0.3段、ISO6400、走行中の手持ち撮影。

10_夜撮2念願だったインドネシアでの夜撮リベンジでしたが、撮影場所が明かりが殆どなく、また昨年に撮った場所よりもヤードの入り口付近での撮影です。蒸気機関車が停止している間が短く、落ち着いて三脚固定で撮影が1カットしかできず、何とか撮れただけでした。
19:15今日の撮影は切り上げてホテルへと向かいました。明日からに期待です。 Part3へ続く

八月だ、もっと熱くなろう! 2013年 赤道直下のインドネシアSL撮影の旅 Part2 Pangka(パンガ製糖工場)」への6件のフィードバック

  1. お疲れさんでした。当家の孫、インドネシアとのハーフ君に前回のインドネシア情景を過日見せてやりました。砂糖の原料を作っている事に驚き、かの地の子供たちの生き生きした姿に感動を受けたようでした。今夏は8/8出発、8/17帰国でしたが、18日朝、顔を合わせるや「爺ちゃん、電車乗ってきた!」と言ってくれました。バンドゥンから近郊の町らしいのですが知らない地名でした。父親にせがんでの超ミニ旅行のようでした。今回も全編完了の時点で見せてやる事にします。

  2. 乙訓の老人様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
    今年のインドネシアは昨年と比べると蒸し暑く全開での行動は抑えながらでした。ジャカルタの国電は最終日に1人残って乗り鉄、撮り鉄旅に挑みましたが、乗車客が想像していた以上に多くその割に本数が少ないので昼間からラッシュに見舞われ大変な目にあいました。それでも親切な乗客、駅員さんの皆さんのおかげで難を逃れて何とか楽しめました。
    今回も撮った写真が多く編集作業に難航しております。次の渡航もありますので急ピッチで頑張ります。よろしくお願いします。

  3. 準特急様の会社後輩クモハ73106です。17日にパンカへ行ってきました。観光列車は、工場事務所の道路を挟んだ向かい側、積替えヤード側にエンドレスがあり、そこを走っていました。積替えヤードの線路のごく一部を共用しています。写真を添付したいのですが。。。方法がわかりません。

  4. クモハ73106様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
    パンガの観光列車は廃止されたと聞いていたので走っていたとはびっくりです。是非に写真を見させていただきたいです。
    それとコメント欄では写真の添付掲載ができません。こちらへ送っていただければ投稿欄にて掲載をさせていただきます。よろしくお願いします。

  5. ぶんしゅう様、
    はじめまして。スラバヤ在住、落花生。と申します。
    いつも素敵な写真と旅日記を楽しく拝見させていただいております。

    一点、本件を含むぶんしゅう様の記事内に当方作成の製糖工場の地図を使用しておられるようです。
    作成者としてはお役に立てて嬉しい限りで、使用して戴くこと自体は差し支えありませんが、恐縮ですが、地図等の転載に際しましては、出典は当方のブログであることを明記して戴ければ有り難く存じます。御検討いただければ幸いです。
    http://chikyu-ko.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_ceaf.html

    • 落花生様、今回は貴殿が作成さました地図の無断使用をいたしてしまいまして申し訳ございません。この地図は以前、インドネシア訪問する前に何回も行かれている方からいただいたもので、てっきりその方が作成されたものと思い込んでいました。確認せずに無断投稿に至りましたことは大変申し訳なく重ねてお詫び申し上げます。
      本日、掲載させていただきました地図については、作成者名を入れて更新をいたしております。
      今後、HPへの投稿地図等につきましては作成者の確認を怠らず、了解を取った上で掲載させていただく所存です。今回の不手際につきましてはお許し願えれば幸いです。
      落花生様のHPにつきましてはインドネシアに行くようになってからは、よく拝見させていただいておりました。いつも最新のインドネシア情報を発信していただきましてありがとうございます。楽しみに見させていただいております。
      お忙しい中、自らの足でインドネシア鉄道状況を探索されているのは、さぞかし大変だろうと思っております。私も勤務時代は外地駐在(中国;天津)の経験もあり、慣れない地で仕事と趣味を両立するのは至難の技だと思いました。ご苦労が多いとおもいますが、これからも最新情報をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください