第15日目 3月1日 その2
① スルタンアフメット12:43(トラム)→12:52エミノニュ
② エミノニュ13:00(フェリー)→13:20カドゥキョイ
③ チャルシュ15:39(トラム)→16:08キルセ
④ カドゥキョイ17:03(メトロ)→17:06アイルルックチェシメ17:12→17:21スィルケジ
⑤ スィルケジ18:02(トラム)→18;10ルタンアフメット
13:35 カドゥキョイ到着後は徒歩でハイダルパシャ駅へ向かいます。
この駅は、アジア大陸最西端の駅でシルクロード鉄道の終着駅でもあります。 ヨーロッパ側のスィルケジ駅が既に機能を停止していただけに期待してきました。 しかし近づくにつれて柵越しに見えてきた様子はちょっと違っています。静かで動いている気配が全くありません。
▲ 13:39 柵の切れ目からホームに入って見ますと通勤電車でしょうか止まって留置されています。
▲ こちらのホームも同様です。地球の歩き方の「トルコの大地イスタンプール」最新版2013~2014年のP102には近郊電車は走っているとは掲載されているのですが、現実はこの通りです。
▲ 流れを失ってしまった沈黙のホーム駅構内、もう列車の発着音が聞こえてくることはないのでしょうか。
後でネット記事を調べても2012年1月31日に最後の長距離列車が発車して行ったとの記事はあるのですが、この時点では近郊線は残り、廃止記事がありません。
ただアジア側とヨーロッパ側を結ぶ建設中のMetroが開業されれば廃止されるとの記事は見つかりました。日本技術の元、沈埋トンネルによってボスポラス海峡を横断する海底鉄道トンネルは完成しました。(マルマライ計画) そして2013年10月29日、この区間のMetroは開業しています。その際に国鉄近郊電車線は廃止されたものと思われます。
トルコ国鉄では近代化が進められています。高速鉄道網も現在建設中(開業区間あり)です。
私はまだ行っておりませんので、現状については下記の公式HPをご覧ください。
アンカラからイスタンプールまでの高速鉄道は、中国鉄建が建設を請け負った第2期工事区間の敷設も終わり、試運転がされているようです。予定では今年前半に全線開業となります。
トルコ国鉄公式HPはこちらです。 http://www.tcdd.gov.tr/home/index/
トルコ高速鉄道公式HPはこちらです。 https://hizlitren.tcdd.gov.tr/#/photos/img1.gif
トルコ国鉄の路線図はこちらです。(かなり詳細ですのでダウンロードに時間がかかります。)http://www.tcdd.gov.tr/upload/Files/ContentFiles/2010/harita/TR-M-S-001.jpg
▲ ホームから駅舎内コンコースに向かいました。長いシルクロード鉄道の旅を終えた旅人達が降り立った駅は役目を終えて静寂の中にありました。
▲ こちらは入った駅舎内コンコース内です。窓口は切符売場だったのでしょうね。
▲ 先ほどの切符売場とは反対方向です。同じような切符売場があります。
曲線を持った椅子は珍しい物です。駅舎建築以来からの椅子なのでしょうか。
ウエディング姿の新婚さんが記念写真を撮っておられましたのでお二人の許可を得て、私も一緒に撮らせてもらいました。
▲ 正面玄関は、港に向かってありました。その前にはヨーロッパ側のスィルケジ駅へと向かう連絡船の乗船場が直ぐに設置されています。
▲ 乗船乗り場です。駅前広場はわずかしかありません。列車を降りた乗客はすぐに連絡船に乗っただろうと思われます。
▲ 14:06 駅舎内に戻り引き上げようとしたらレストランが営業していました。お客は誰もおられず閑散としています。バイキングで用意された料理の数々は手が付けられていませんので、今日のお客はまだなのでしょうね。
▲ 14:16 駅手前の道路橋に上がってみました。おびただしい数の近郊電車が留置されているのが見えます。線路は全て錆が浮いていますので長い間、走行した形跡はありません。
▲ 道路橋の反対側も同様です。 かつてはこれだけの電車が運行されていたのでしょうから相当の輸送量があったろうと思われます。休止?したのは代替交通機関であるMetroが開通して役目のバトンタッチが行われたからと思いますが、もったいないとも思うのは関西人だからなのでしょうか。
▲ 14:30 港へ戻る途中でお腹も空いてきたので庶民食堂に入りました。 注文したのは、チョルパス(スープ)とサーデ・ピラウ(トルコ風焼き飯)です。 チョルパスはパンに浸して食べます。
トルコでは代表的な朝食メニューだそうです。
数種類ありましたので美味しそうな色合いを指差しで選んで注文しました。 ピラウは無性に米の飯が食べたくなってきましたので選びました。後はビール1本を頼み、これで十分でした。
▲ 15:07 港は素通りしてカドゥキョイの街中散歩を楽しむことにしました。入口広場ではストリート楽団が演奏をしてダンサーが踊っています。路地を進むことにしました。
▲ 魚市場がありました。海水・淡水魚と種類も多く活魚も売っています。新鮮さをアピールするためなのかエラを出して並べているのは初めて見ました。
▲ 野菜と果物市場です。 殆どは見たり食べたこともある物ですが、上の写真右下と下の写真は初めて見ました。下は葉っぱのようなのですが、なんなのでしょうか?
▲ 15:39 中々来なかったノスタジックトラムがようやく来ました。
待っていた大勢の地元民が乗りこみ車内は超満員です。
これから乗車して、カドゥキョイ街の丘を一周します。
発車すると右に大きく回って急坂を上って行きます。
▲ 15:47 急坂を上りきると多くの地元民の皆さんは降りられて一挙に空きました。高年齢者は、急坂を避けてトラムを利用されているようです。観光用かと思っていましたが、観光客は坂道であってもお店が続くプロムナードの方がお好きで、利用されるのは地元民のようです。
▲ のんびりですが快調に走っていたトラムが何かしら反対を叫ぶデモ隊とぶつかって動けなくなりました。周りの人たちも同じようにシュプレヒコールを上げていましたのでお祭りパレードのようでもありました。
おかげで2台しか通常運行されていない続行するトラムに追いつかれてしまい、半周遅れになりました。両側は広い歩道で真ん中の併用軌道を走ります。車が進入しますが、クラクションも慣らさずにじっとトラムの後を付いていきます。人とトラムが優先される道です。
▲ 16:26 2つ目の角を回ると一気に港へと下りていきます。20系統が走る、2.6キロのT3号線は2003年に復元されて運行されています。
▲ 16:58 トラムを歩いて撮りながらカドゥキョイの港まで戻りました。帰路は出来たばかりのMetroに乗車する事にしました。
地下コンコースに下りますとイスタンプールらしい見事なタイル壁画があります。しばし見とれてしまいました。
▲ 17:06 M4号線トラムに乗車してアイルルックチェシメに到着、出来たばかりの海底鉄道トンネルMarmaRayM5号線に乗り換えます。
▲ M5号線のアイルルックチェシメ駅ホームは高架駅になっていました。これから海面下60mのボスポラス海峡を横断する海底鉄道トンネルを走ります。
図面は大成建設の」Webから転載です。 大成建設のWebは、こちらです。
YouTubeにTVニュースがあります。こちらです。ご覧ください。
海峡で二分された街を鉄道で結ぶ事は、オスマントルコ時代からの「トルコ150年の夢」だったそうです。
この夢を実現させたのが沈埋(ちんまい)工法です。あらかじめ海底に掘っておいた溝にケーソン(沈埋函)を沈めて土をかぶせてトンネルを造りますが、この海峡は世界有数の海流速9km/h(明石海峡では13km/h)もあって、工事は高度な技術を必要としました。請負に選ばれたのは日本の大成建設で約4年半の工事の末、2008年10月に海底トンネル沈設部分を完成しました。鉄道は2013年10月29日に開業していますが、式典には安倍首相も出席されたそうです。
この路線の使用車両には、アルストムそしてCAFとボンバルディア・シーメンス・Nurolのそうそうたる連合体が参加した競合入札に現代ロテム社が挑み、契約を勝ち取りました。現在トルコとの合弁会社ユーロテムにより440両の製造に入っています。
▲ 17:29 国鉄との乗換駅スィルケジで降りて地上に上がってみました。昨日朝にイスタンプール到着時に見た留置された電車は、M5号線用の新車たちです。どうしてここに置いてあるのか分かりませんが、製造された新車の留置車庫がないか工事中の為に暫定的においてあると思われます。
▲ 1890年11月に開業した国鉄スィルケジ駅は現在休止中ですが、「Orient Express」と呼ばれるレストランは、お客を待っていました。1950年代から1960年代にかけてジャーナリスト、作家等の著名人達の待ち合わせ場所となったそうです。
1番ホーム駅事務室前には、発車する列車の合図を知らせる鐘が設置されていました。オリエント急行も慣らされた音を聞いていたのですね。私も試しに鳴らしてみました。
▲ ホームには他にも当時からの設置物が残っています。これは手洗いです。こんなものでも凝っていたのですね。
▲ 17:33 夕闇迫る列車が着かないホームです。ブラブラとしておりましたら駅員から退去するように言われました。柵もないので問題ないと思っていましたが、不審者と思われたのかな?
18:40 トラムに乗って宿泊していますホテル前に帰りました。
付近はオープンカフェやレストランにお客が入り活況の時間となっていました。
私も通りに面した庶民食堂に入りました。この食堂は、おかずを並べてありますので見た目で美味しそうな料理を指差しで注文できます。
パンは注文しなくとも運ばれてきますので、ビールを頼めば満腹となります。
今日は半日の行動でしたがだいぶイスタンプールにも慣れてきました。明日は同じ所にはなると思いますが、再発見を求めて一日フルに動こうかと思っております。 Part33へ続く