今日は台湾鉄路節(鉄道記念日)、我々が訪問しているのは阿里山森林鉄道の嘉義車庫です。磨かれて黒光りする車体は、走行準備のために給水中のシェイ式蒸気機関車(略;シェイ)25号機。
阿里山森林鉄道の建設工事のため1907年に米ライマ社(Lima Locomotive Works)製造の13㌧車のシェイが初めて試用導入されました。直立シリンダーと傘歯ギア間接駆動を持ち、急勾配用に特化したシェイは好評で山間部への延伸工事が進んだ1911年から2シリンダー18㌧車が7両、二萬平までが完成した1912年からは一回り大きい3シリンダー28㌧車10両が増備されていき活躍しました。
現役を引退後は北門の大火災で焼失した15号機を除いて全車が静態・動態保存されています。中でも14号機はオーストラリアのパッフィンビリー鉄道 (Puffing Billy Railway)からの要望で再び海を渡りました。現在25号機と31号機が軽油仕様に改造されてはいますが動態保存機となりイベント使用されています。
続きを読む
「紀行文」カテゴリーアーカイブ
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part9 南迴線の秘境站枋山、内獅站で撮る
今日のDR2700系のイベント列車は彰化を出発してから南下を続け、南迴線を走破して台東へと向かいます。光華號がかつて走っていない区間も走行しますのでヘッドマークはありません。残念ながら我々が目指した撮影ポイントには行けず、枋山站構内の線路際からの撮影になりました。左手には水平線も見える絶景の台湾海峡が広がっています。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part8 台鐡屈指の秘境站、枋野信号所で撮る
南迴線の主役は幾たびのダイヤ改正後にも残った普快車です。毎日1往復となりましたが、3両のレトロ客車編成がここ台鐡屈指の秘境站、枋野信号所にも停車しました。この站での客扱いはありませんがゆっくりとノスタルジックな旅を楽しむ旅人達が乗車しておられました。日本にも昔ながらの旧型客車列車があったら良いのになあと思わずにおられません。いつまでも残って欲しいと気持ちを込めて、シャッターボタンを押しました。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part7 リバイバル光華號DR2700を撮る 後編
17:05 斜光を浴びながら快走してくるリバイバル光華號、先頭車前面にはびっしりと鉄ちゃん達が前方を見入っておられます。かつて走った旧山線はもう走る事は出来ませんが新たな鉄路を現役を引退したとは思えない高速走行を見せてくれました。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part6 リバイバル光華號DR2700を撮る 前編
▲ 海線大甲站で中休みのリバイバル光華號。6月9日の台湾鉄路節(鉄道記念日)の前後には毎年台湾各地でいくつかのイベント列車が運行されます。ただ発表はいつも遅く、最も早く発表されたのは7・8日のDR2700系の運行でした。阿里山森林鉄道は山頂付近でのシェイ式蒸気機関車運行があるだろうと予測して8日はTaxiで山登りを予定していましたが、今回は嘉義車庫~北門站の短区間運行になりました。また蒸気機関車も走るだろうと発表を待ちましたがCT273号機(C57)運行は直前発表で、残念ながらDR2700系との掛け持ち撮影できないダイヤ設定です。仕方なくこれも断念、結局今回は6月7日・8日共、DR2700系の追いかけ撮り鉄としました。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part5 台中駅撮り、彰化機関区訪問、集集線乗り鉄

▲ 12:50 彰化機関庫見学後は往路と道を替えて後站方面へと向かいました。途中で街中食堂を探しますが、不銹鋼號さんが入ってここが良いと決めていただいたのは、12:00~13:00までしか開けないお店です。
そしてメニューはこれ1品だけしかないお薦めの台湾版の肉丼でした。スープを付けての25元(約100円)、明るい笑顔のお嬢さんが運んでくださりますので余計に美味しく、これが結構いけました。
帰りに1カット、また参りたいお店です。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part4 台中港線の貨物列車、海線の木造駅舎を撮る

▲ 13:00 今尚現役で使用されています腕木信号機のある台中港線、貨物列車は定番お立ち台からの撮影です。貨車は台中港で陸揚げされた穀物を運ぶホッパー形専用貨車で今日一日は3往復がありました。注目したのは腕木式信号機の光源で、見たところカンテラ?が使用されているように見えました。 続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part3 高雄トラム(高雄捷运环状轻轨)開業工事中を撮る
今回の旅での目的は6月9日の台湾鉄路節(鉄道記念日)に運行されるイベント列車撮影ですが、路面電車ファンでもある私的には高雄で建設が進む架線レストラムを見てみたい撮ってみたい事も大きな目的でした。中国瀋陽で1月に見た同じ架線レストラムも素晴らしかったですが、交差点のみの短い架線レス走行でした。一方の高雄トラムはその上をいく電停間架線レス運行です。
高雄市を一周し総路線長は22.1㌔、軌間1,435㎜、電圧DC750V、第1次開業はC1~C14の8.7㌔と発表されていましたが、工事はかなり遅れているようで見に行って自分の目で確めてみないと納得できません。ご報告をさせていただきます。
▲ C2-凱旋瑞田站で留置されていましたスペインCAF(Construcciones y Auxiliar de Ferrocarriles)製の100%低床式トラムUrbos3。このトラムはACR system (Acumulador de Carga Rápida)を搭載し、停車時のわずか20秒間で超急速充電を行い電停間は架線レスで走行できるのが特長です。架線レスでの走行可能距離は1,400m。
運行されるトラムは5車体の連節車(Mc-S-T-S-Mc)で、車両長34.166m、定員250名、最高速度70km/hですが実際の運行時はどうなるのか。駅間距離は500~700m程度の平均約614mです。全線22.1㌔が専用軌道のようですので、50~70km/hでの運行は可能と思われます。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part2 高雄の貨物線を撮る
第2日目 6月4日 その1
今日は高雄站から鉄道工場までの貨物線と開業待ち遠しいLRTを撮影します。
ただ貨物線に並行する道路と周辺は昨年8月1日深夜に大規模なガス爆発事故が発生し、尊い32名の命が失われ、131名もの方々が重軽傷等の被害に遭われています。亡くなられた方々のご冥福、また被害に遭われた方々の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
被害地域は人口密集地の街中なのに何と石油化学コンビナートへのパイプラインガス管が埋設されていたと言うより、逆にパイプラインがある場所に街が形成されたというから驚きです。
地下の爆発事故により道路は大きく抉られるように陥没し、周囲の住居等の建造物の多くが破壊されました。隣接する鉄道工場や貨物線には直接の被害はなかったようですが、鉄道工場と本線を結ぶ貨物線は事故の余波によって運行を停止したとの噂がありました。今はどうなっているのかと旅立つ前日に事故発生の10日前現地へご一緒させていただき、今年1月にも来られておられるデカンショまつり号さんにメールを入れて聞いてみますと、直ぐに返信が参りました。
続きを読む
絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part1 台湾鉄路節(鉄道記念日)に向けての旅立ち
毎年6月9日は台湾鉄路節(鉄道記念日)、イベント列車が走るので1度はこれに合わせて訪台したいと思っていましたら、クモハ73106東ウラさんからお誘いをいただきました。ご同行されますのは、東急電鉄を卒業された不銹鋼號さんと大津の86さん、Taxiに同乗するにはピッタリの4名です。
私は約1年ぶりの訪台です。最近は暑さにも寒さにも弱くになった老体ですので現地に慣れるために皆さんよりも一足早くの6月3日に旅立つ事に、行程は疲れが溜まらない程度の7泊8日の短い旅にしました。
続きを読む
田圃は水鏡-JR宝塚線
去る7日の日曜日、兵庫県三田市の永澤寺に花ショウブを見に行きました帰り、三田駅の東方、田圃に囲まれたJR宝塚線を眺めてきました。
INUBUSEさんの投稿記事『水ぬるむ北勢線』(4月30日~5月5日)から、遅れる事1ヶ月、この地方ではようやく田植えが始まりました。
この地点は、三田駅のすぐ東、およそ1.5kmに渉り両側が水田で、防護壁も柵も何も無く、見晴らしが極めて良いところです。駅から800mほどが直線、その後はカーブして山すそを通り、隣駅道場に向かいます。丁度最近、水が引かれ、苗が植わりました。
6月7日の昼間、14時15分。下り電車、カーブの中ほど、水への映りが弱い。

続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part57 最終日、帰国
長らく掲載させていただきましたルーマニア・ハンガリー鉄路の旅も今回が最終回となります。ご覧いただきまして大変ありがとうございました。
今回の旅はルーマニアの首都ブカレストのトラム・メトロとの対面から始まりました。そしてルーマニアでは初めて夜行寝台列車に乗って、ウクライナ国境に近いヴァッサー渓谷森林鉄道とモルドヴィツァ森林鉄道を訪問、蒸気機関車ツアーに参加しました。
ツアーが終わってからは一人旅でクルジュ・ナポカ、オラデア、ティミシュアラ、アラドを訪れてのトラム撮影、セルビア国境近くではルーマニア最古の鉄道線に乗車、レシタ鉄道公園訪問にも参りました。最後はハンガリーの首都ブダベストに移動してトラム・メトロに乗っての珍しいラック式や子供たちが運営に参加している鉄道を見て歩きました。どちらの国も鉄路は長く、全線見て行く事は限られた日程では難しく次回に宿題を残しました。また機会を作って老体が元気なうちに訪れてみたいと思っております。また投稿をさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。
それでは今回の最終投稿です。ご覧ください。
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part56 ブダベストのトラムに乗って その13 トラム夜撮③
Szent Gellért tér から47系統のトラムに2駅乗って降りたKálvin tér 電停。メトロ3・4号線が交差しての接続駅ですので乗換客も多く見かけます。後方の教会はカルバンプロテスタント教会(Kálvin téri református templom)です。
47・48・49系統が走る路線は連続5電停ともメトロ接続になっています。利用客が多いのでホーム幅も広く、3連接車が2編成入っても十分なスペースが確保されています。
かつての京都市電四条烏丸のような利用客が車道にはみ出した光景はここではありません
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part55 ブダベストのトラムに乗って その12 郊外電車

「お~い、電車を撮るなら俺も撮ってくれよ。」と、お呼びがかかって撮りました郊外電車の運転手さん。アゴヒゲをはやした中々ダンディなおじさんです。
ブダベストにはトラム・メトロ・ラック式登山電車・子供鉄道の他にも郊外電車と様々な鉄道が走り鉄道ファンにはこたえられません。述べ4日間もあれば回り切れるかなと思っていましたがちょっと甘かったようです。
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part54 ブダベストのトラムに乗って その11 ブダベスト西駅、鉄道歴史公園

1846年7月15日、ブタベストとVacを結ぶ初めての鉄道が開通しました。この時に建設されたのが初代のブダベスト西駅(Nyugati pályaudvar)です。現在の駅舎は、エッフェル塔で知られるギュスターヴ・エッフェルによって設計され、1877年10月28日に建て替えられました。ご覧のようにガラス窓が大きくとられた鉄パイプ構造は当時、画期的な快挙と言われました。
開業時にはまだトラムが走ってはいなかったようですが、現在の西駅前には6両連結の低床車コンビーノ・プラス(Combino)によるトラム4・6系統が2~3分に運行されて、常時発着しています。
※ 完成時の写真はブタレスト市公式HPからの転載です。
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part53 ブダベストのトラムに乗って その10 トラム夜撮②
ブダベスト市内を流れるドナウ川には9本の橋が架かっています。この自由橋は上流からは6番目の橋で、1896年に完成しました。くさり橋を模したガーバートラス橋で、長さは333.6m、幅20.1m、最大スパーンは170.75m、橋脚は4台(川の中2台)で当初からトラムと車の併用橋でした。橋脚の最上部にはハンガリーの建国神話に登場する鳥「トゥルル」が、中央にはハンガリーの国章が掲げられています。完成時、当時のハンガリー王国の国王から「フェレンツ・ヨージェフ橋」(Ferencz József híd )と命名されました。
1945年1月、ドイツ撤退時に爆破されましたが、直ぐの1946年7月に再建されています。老朽化が進み、走るトラムの重みに耐えられなくなった2006年には後世に残すために2年の工期と莫大な費用をかけて補強・修理されました。我々鉄ちゃんとしてもトラムがレトロな鉄橋を走る光景はかけがえのない財産です。いつまでも残して欲しいと願いました。
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part52 ブダベストのトラムに乗って その9 トラム夜撮①
17:42 ドナウ川のマルギット橋を渡ってベスト側に着くと、丁度と良い具合に夕暮れの街ムードになってきました。これからライトアップされた国会議事堂を目指します。夜撮開始です。やって来るトラム2系統はガンツKCSV7型です。
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part51 ブダベストのトラムに乗って その8 登山鉄道②、トラム
まずは家系が重んじられた共産国家ピオネール活動時代とは変わって、望む者は誰もがエントリーできるようになった憧れの子供鉄道の鉄道員、それでも厳しい試験に合格した選ばれた者が実習現場に入れます。車内改札で接客する少年少女たちには誇りに満ちた笑顔がありました。
続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part50 ブダベストのトラムに乗って その7 子供鉄道②

▲ ヒューヴェシュヴェルジ駅を出発してセーチェニの丘へと向かう列車。ここでも発車行ってらっしゃいと敬礼をおくる少年鉄道員がいました。
駅を出ますと少し上り坂になっています。この鉄路の最高速度は約25km/h、ゆっくりとカーブを曲がっていきました。 続きを読む
2015年 西方見聞録 ハンガリー鉄路の旅 Part49 ブダベストのトラムに乗って その6 子供鉄道①
登山鉄道との接続駅セーチェニの丘(Széchenyi-hegy)を出発してヒューヴェシュヴェルジ(Hűvösvölgy)へと向かう子供鉄道の列車。左側、敬礼を出すのはこの鉄道で学ぶ少年です。この鉄道ではこれからの時代を担う10歳から14歳の青少年少女たちが運営現場に入って、社会への一歩を歩き始めています。
続きを読む