第15日目 3月8日
①成都17:15(D358次)→8:50上海虹橋
②火車虹橋駅9:53(上海地铁10号線)→10:33豫園
③豫園11:55→南京東路(2号線)→12:25張江高科
④張江地铁駅12:55(路面電車)→13:25張東路金春路
⑤張東路金春路駅(原動自転車タクシー)→14:10張江地铁駅
⑥張江高科14:28(2号線)→15:11浦東国際空港
⑦上海浦東空港17:50(JL898)→20:55関西空港
上海は昨年11月以来、4ヶ月ぶりです。トランスロール撮影前に豫園で小籠包を食べたいと前回は未開通だった10号線に乗車して向かいました。やはり長蛇の列でしたが、美味しいものを食べるのには苦になりません。デイト中の若者と話しながら順番を待ちました。
▲ 蟹肉小籠包16個で20元(約390円)、朝兼昼食です。
まずは、お腹も満タンになりましたので南京東路で10号線から2号線に乗り換えてトランスロールの起点、張江高科駅に向かいました。インターネットを検索しましても詳細についての記述があまりありませんので、今回は詳しく掲載します。
【上海トランスロールへのアクセス】
①市内から張江高科駅に向かうには、どの路線に乗車しても最終的には2号線に乗り換えが必要です。
②上海浦東空港からは、空港駅から2号線に乗車して、广蘭路駅で一旦乗り継ぎ張江高科駅へ向かう。
③または、ここで下車して中間駅のトランスロール線に乗り換える。
④空港からリニア線に乗車される場合は、終点の龍陽路駅(龙阳路站)で下車して地铁2号線に乗り換え、上海浦東空港方向にバック乗車して1つ目の駅となります。
【注意】 なぜか地铁の駅構内や車内の路線図には何の乗り換え説明表示がありません。下車しても案内表示がないので初めてですと聞かないと分かりません。5号出口を上がってください。地上出口でもトランスロール駅は見えません。案内表示もありませんのでここでも聞くか、高架橋下に沿って歩くしか方法はありません。
地上に上がると平日ですのに沸いてきたかのような人ごみです。かき分けるように進むとトランスロールが発車して行きました。天津で走行しているのと同じ車両です。
【参考:天津のトランスロール】
【957】天津現代電車 ちょっと変わってます
【969】Re.天津現代電車 ちょっと変わってます
【970】あらためて、天津現代電車ご紹介
【973】Re.あらためて、天津現代電車ご紹介
【10610】秋の中国一人旅2010年 Part11 天津津濱軽軌、トランスロール
以上にて詳しく訪問記を載せておりますので、ご覧ください。
※ クリックしていただければ掲載記事が表示されます。
【上海の路面電車トランスロール(张江有轨电车)のご紹介】
上海のトランスロールは、天津と同じくフランスロール社の技術供与により2009年12月31日、上海浦東地区の張江ハイテックパークに開業しました。地铁2号線張江地铁駅から張東路金春路まで全長9.2キロ、15停留所が設置されています。
現在8編成が在籍し、運転間隔はラッシュ10分間隔、ラッシュオフは20分間閣で運行されています。運賃は全線均一2元(約26円)です。現在、延伸工事が進行中で張江ハイテックパーク東端の合慶鎮までの総延長約30キロが予定されています。
トランスロールは、天津、上海に次いで四川省遂寧市でも採用されると聞きますが、まだ開通したとのニュースはありません。
トランスロールは1本の案内レールをV字型に挟んで、コンクリート舗装された道路上の路面をゴムヤイヤで走行しますので、路面に凸凹がありますと安全走行に支障をきたします。先輩の天津と比べると路面が整備されていますので揺れが少なく安定走行されていました。電車の性能としては70km/h走行が可能ですが、路面状態やカーブの関係でしょうか天津での最高速度は30km/hに抑えられていました。上海では路面状態が改善されていて、1部区間では50km/hまでだしていました。先輩の難点だったコンクリート路面の問題をしっかりと研究して完成度は上がっています。
早速運転席真後ろの鉄ちゃん席に座っての全線乗車です。天津では発車してすぐに無電化区間で蓄電池走行がありましたが、上海には終点までありませんでした。
約30分で終点に着きましたので、平均速度は18.4km/hです。都市交通としてはもう少し速いほうが良いと思いますが、原産地のフランスではいったいスピードは通常どの程度だしているのでしょうか?
▲ 張江地铁駅と張江中学駅を除いては長い駅名になっています。走行する張江ハイテックパークは、都市開発されていますのでほぼ条里制で道ができています。停留所は、交差する道路に設置されていますので、「烏丸今出川」のように交差する通りを駅名にしているようですが、「通り=路」を入れた駅名になっていますのでどうしても長くなります。ここでは、現地日本人が説明されている略称で掲載させていただきます。
終点に着いたところで撮影に入りたいのですが、地铁駅には荷物預り所がなかったので厄介なスーツケースを持ったままです。これでは徒歩での撮影は無理です。どうしようかと思っていたら電動自転車タクシーが行き過ぎていきました。丁度良い乗り物です。声を上げて呼ぶとUターンして戻ってくれました。
①終点の金秋路駅で発車待ちの001と002。
路面電車の写真を撮りたいので、併走して張江地铁駅まで行って欲しいというとOKが出ました。走り出しましたが、30km/hもスピードは出ません。当然路面電車に追い抜かれてしまいますが、停留所に停車している間に追いつき先に進められました。オープンカーですので頭さえ出せば、前方後方に自由な撮影ができます。気に入った場所ではすぐに止められ、すぐに降りての撮影もできました。まさに最適の乗り物でした。
②張東路から大きく左折して丹桂路へと入り集電港駅に到着。③
④集電港駅→青桐路駅、運河に沿った丹桂路を走る。
⑤青桐路駅、中国とは思えない清楚な丹桂路の町並みが続きます。
⑥丹桂路駅、丹桂路を直角に曲がり广蘭路に入る。
⑦广蘭路駅、この駅で地铁2号線と乗換えができます。この辺りからマンションが立ち並んできました。
⑧張江中学駅、登下校時間は中学生の集団が乗ってくるんでしょうね。
⑨張江中学駅~張江路駅、路線には運河の橋を数箇所渡りますが、1本のガイドレールですと、橋が何らかの要因でずれた場合のストッパー対策はどうなっているのでしょうか? 天津では橋がなかったので気がつきませんでしたが、安全性への課題だと思いました。
【安全性への課題】
トランスロールは前述しましたように1本の案内レールを挟んでの走行のため、幅広いV字型の溝があります。このため、溝に障害物が挟まると脱線の危険性があり、現在運行されている路線では脱線事故を起こしています。また広い溝に足を取られて転倒することも考えられ、横断者にとって注意が必要とされます。
2006年に建設費が安いのをウリに新交通システムとして登場したばかりですので、安全性や維持経費等の実績がないのが現状です。課題は他にも出てくると思われますが、どのようにして克服していくかの姿勢が問題です。
⑩張江路駅 2つの橋を渡ると道は、广蘭路から高斯路へと名前を変えます。
⑪ 高斯路駅、ようやく商店・飲食街があり街らしく賑やかになってきました。ここより直角に回って哥白尼路を走行します。
⑫李冰路駅、メイン道路の高科中路を横切り哥白尼路を走ります。
⑬李冰路駅~哈雷路駅、中間地点で哥白尼路から直角に曲がり蔡佗路を走行します。このようにトランスロールが走行する沿線の道路は、天津のようにメイン道路でなく広くはありません。メイン道路を沿ってジグザグに走行しています。走行する車両数は少なく渋滞に巻き込まれることはありません。定時走行が守られているようでした。
⑭哈雷路駅、このあたりは広い上海中医葯大学等の医療関係の研究施設が周囲に広がっています。
⑮金科路駅~科苑路駅、 まっすぐ蔡佗路を走行した後、金科路駅を発車すると直角に曲がり華佗路を走行します。
⑯左上:科苑路駅、⑰左下:華佗路駅、⑱右上:高科路駅、⑲右下:高科路駅~張江高科駅
⑳高科路駅~張江高科駅、正面高架橋手前を直角に曲がって張江高科駅に進入します。
張江地铁駅からすぐに電動自転車タクシーに乗車しての走行撮影のために集電港駅前から専用線がある車庫には訪問を忘れていました。次回の機会にしました。運賃は、20元(約290円)でした。
これからの課題がいろいろとあるようですが、利用客も結構多く地域に密着しています。なんといっても低床式ですので、乗りやすいのは密着できた大きな要因でしょう。できれば利用者が増加して、待たなくともいいような運行になればと思いました。広い中国です。これから採用される都市が増えることを願って帰途につきました。
トラブルや寝過ごしがあって過去2回JALさんにはご迷惑をおかけしましたので、今回は余裕の上海浦東国際空港着にしました。
今回は体調が100%ではなく準特急先輩にお世話いただき、おかげさまで14泊15日の「冬から春への中国鉄路の旅」を無事終える事ができました。 準特急先輩、ご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。ありがとうございました。
今後の一人旅へは体調維持という課題ができてしまいましたが、中国鉄路への訪問は短期間になろうとも、まだまだ続けていきたいと思っております。 次回も辺境の地に残る蒸気機関車撮影や、今年6月に開業する北京~上海間の京滬高速鉄道には何としても乗車する予定でしたが、東日本大震災で被害に遭われた方を考えると行くことへの罪悪感が出てきます。しかし、引きこもっていては自分自身の元気を失います。毎年老いてきて持病もあり、好きなことをしようとしても身体が許さなくなるのは近づいてきたような感覚をもった今回の旅でした。改めて健康な間に出かけて行きたいと思う反面、こんな時にとの自問自答で苦しんでおります。 Part19 総集編へ続く
ウルムチで別れて先に帰りましたが、ぶんしゅうさんはその後さらにお元気になられた様で結構でございます。いろいろな写友や中国の方々との出会い、高齢にもめげず相変わらずのツーショット等一人旅を思う存分堪能されたことと思います。23日の総会で再会することになりますが、道中全て立て替えてもらった借金返済が残っております。確定額を中国元にてお知らせ下さい。