第2日目 3月15日
【 太平山森林鉄道 】
今日は念願だった太平山森林鉄道に参ります。この鉄路は羅東森林鉄路終着駅の土場駅と太平山地区を結んでいた森林鉄道で、軽便鉄道とロープウエイ(索道)を組み合わせ、太平山林場の森林資源を外部へ輸送するために1921年に建設されました。1912年全通の阿里山森林鉄路との最大の違いはロープウエイによる輸送があったことです。路線総延長は、36.4 ㌔です。
今まで行きたかったのですが、宜蘭からのバスが毎週土・日曜日にしか、それも1往復だけが運行しているだけとのハードルがありました。乗りたいトロッコもオンラインでの予約発売はなく当日の7時から現地で窓口発売のみ、行かれた方の記事にも既に売り切れていたとの絶望的な内容でした。
でも行きたいと調べていましたら台湾でツアーを企画している地元の旅行代理店KKDay社から一人でも参加できる太平山ツアーを見つけられました。
台北発着のツアーですが途中からの宜蘭発も受け付けOKと分かり申し込みました。ツアー料金は、オンライン日本決済で納得の 4,747円でした。ただトロッコのきっぷ購入だけはご随意ということで、乗車できる保証はありませんでしたが今回は運まかせとして行くことを決めました。
▲ 隣町の羅東から土場まで出ていた森林鉄路、木曽森林鉄道のようです。
【 不安な集合場所 】
ツアー参加は宜蘭駅からです。駅正面のキリンのオブジェ下との指定ですが不安でした 。前日に宜蘭駅隣の宜蘭旅遊服務中心(観光案内所)に行きKKdayツアーに参加するが集合場所はここでいいのかと確認はしておきましたが、どんなバスが来るのか乗車誘導の係員は来るのか分かりませんでした。
▲ 7:15 ホテルをチェックアウトして宜蘭駅前で送迎車が来るのを只ひたすら不安げに待ちます。7:25、一台のフォルクスワーゲン・マルチバンが駅前に止まりました。これかなと様子を見ていますとどこからか女性が現れてバックドアを開けて荷物を積み込みましたので多分間違えないだろうと声掛けに行きました。向こうも親し気な様子を示しましたので名前を言って確認しました。車に乗り、ほっと一安心です。
▲ 運転手を入れて9人乗りのワゴン車には台北から乗られた5人の同乗者、案内人と運転手がおられました。これから森林鉄路が走る太平山荘まで約65㌔の道のりを行きます。途中蘭陽渓沿いは緩やかな片側1車線上り道でしたが山間区間に入ると一転、ヘアピンカーブが連続する急坂となりタイヤを鳴らしながら車は走ります。3列目の後部席に座って左右に揺られていましたら、あろうことか気分が悪くなってきました。今迄人生で車酔いしたことは一度もありませんでしたが嘔吐症状も出てきたので車を止めていただき席を前席に換えてもらいました。
途中で海抜300mにある1921年に開業した762㎜軌道、路線長36.69㌔の羅東森林鉄路終点土場站は止まらず通過しました。大平山で伐採した木材の運送中継地だったそうで当時使用された1号蒸気機関車や客車、ディーゼル車、駅舎も残されて「土場森鉄紀念站公園」として保存されていました。
次回は前もって3分でいいから停車して欲しいと依頼しておかねばと思いました。
▲ 8:38 太平山國家森林遊樂區-售票口に到着、パスポートを提示してIC観光カードで入場券 NT$150(一般優待・約760円)の決済です。
▲ 9:35 海抜約2,000mの太平山荘に到着。ただポンポン車乗場までは駐車場からの長い上り階段が待ち受けていました。
▲ 9:43 森林鉄路のきっぷ売り場に到着です。まだきっぷ販売していて一安心です。65歳以上の優待票NT$120(約580円)をIC観光カードでの購入です。これで2番目のハードルは越えました。
次の発車は 10:30です。待合室に展示されていたこの鉄路の見学です。
▲ 発車時刻表ですが1時間ヘッドは分かりますが1日8往復しか運行していません。1両のトロッコに乗車できるのは3人3列の9人です。トロッコの編成は10両ほどですので全車で90人になります。編成はもう1編成あって、続行で運用されていましたが満席でした。
1番の7:30と2番の8:30発の列車は太平山荘に宿泊した方が優先です。平日はともかく乗客が多くなる土日はきっぷ売れ切れになるのも分かります。
▲ 10:20 定刻よりも早めに発車です。進行方向には留置線があって機関車の機回しが出来るように転車台が設置されていました。
▲ 10:25 発車して直ぐに谷を渡る大きなカーブを描く橋梁を行きます。この森林鉄道が蹦蹦(ポンポン)車と言われるのは、機関車のエンジン音から、またトロッコに積載した材木がカーブでポンポンと当たる音から呼ばれるようになったようです。
▲ 10:38 あっという間に終点の茂興に到着です。かつては羅東森林鉄路の土場駅からの鉄路とロープウエイを経て太平山分岐点までの20.9㌔もの本線でしたが現在は3㌔が整備復元されています。太平山分岐点からの3支線(見晴線、茂興線、三星線)の内の1線でした。ウロウロしていましたら続行の列車が到着しました。こちらも満席でしたので金曜日に来て正解でした。
▲ 茂興站から先は軌道上に林道が整備されていました。約1㌔を散策して引き上げました。
▲ 12:00 復路の列車に乗車です。
谷の向こうに見えるのは出発駅の太平山です。
▲ 12:50 次に向かったのは世界で最も美しい小道に選ばれた見晴懐古歩道です。太平分岐駅から5.6㌔にありました。かつては太平山森林鉄路の見晴線で、滞在時間は40分と言われて若い同乗者に付いていきました。
▲ 12:50 再び車に乗って鳩之沢温泉へと向かいました。大平山で伐採された材木をトロッコごとロープウエイに乗せて下界へと降ろします。
全長1㌔、高低差は399mです。
▲ 14:05 鳩之沢温泉に到着です。ここで1時間の休憩時間が申し渡されました。水着着用の露天風呂、男女別裸OKの温泉がありました。入浴しようかとも思ったのですが面倒になってきてやめました。周囲を散策していましたらツアー同乗のお嬢さんから温泉卵と湯でトウモロコシの差し入れをいただきました。一人では買うのは多すぎるので諦めていましたがご好意を受けました。いつもながらやさしい台湾の方々です。ありがとうございます。美味しくいただきました。温泉の温度は89℃とやけどする熱さです。入浴する風呂は水を加えているのでしょうね。
▲ 15時過ぎ、ボチボチ帰路の時間となりました。宜蘭駅で降りて台北へ向かう台鉄利用も考えてはいたのですが台北へはトンネルで山を横断する高速道路も出来て車の方が早いように思えましたので台北駅まで車で行き台湾新幹線に乗って友人の待つ高鐵嘉義站に向かうことにしました。
① 台北 18:21(高鐵 673次)⇒19:48
高鐵台北駅はホームからはみ出すほど超満員でしたが運よく座ることはできました。勿論立ち席客は多く台中までは超混雑でした。 Part 3 へ続く