台湾鉄路全線乗車の旅 Part4 阿里山森林鉄路Ⅱ

第4日目 5月23日

① 沼平4:40→4:55祝山
② 祝山5:50→6:05沼平
③ 阿里山12:00→14:26トンネル
④ 樟脳寮15:05→16:09嘉義

 昨日、早くに睡眠をとりましたので、3:00には、目が覚めました。宿泊したホテルは、阿里山鉄路阿里山駅から、1つ先の沼平駅前にあります。ご来光を見る列車は、4:25発です。寒いだろうと、冬服でホテルを出ました。
沼平駅には、既に団体客が多数、待っていました。しかし、定刻になっても列車は、到着しません。かなり遅れて、客車4両+DL31+客車4両+DL46の長編成の列車が、満席の客を乗せて、入線してきましたが、停車せずに行ってしまいました。5分後、客車4両+DL25の空車が入線停車しました。

阿里山駅周辺は、ホテルも多いので、客車8両。沼平駅周辺は、少ないので、客車4両と、分けての運行なのですね。毎日こうなのか、土日だけの運行なのかは、分かりません。

標高2,274mの沼平駅から、3.95km、15分で、標高2,451mの祝山駅に到着しました。駅から日の出を見る展望台までは、100m余り。周辺には、朝ご飯や、土産物を売る店や屋台が、ずらりと、並んでいます。今日の日の出は、5:23。まだまだ、時間があります。思ったほど、寒くはありませんでしたが、名物の竹の子が入った温かいスープを買って、飲みました。

日の出ショーが終わると、さあ~と見物客は、消えてしまいます。私も、復路の列車時刻に合わせて、ホームへと戻りました。ホームで待っているのは、往路で乗車してきた列車です。客車8両もの列車は、引き込み線で待機しています。一体、他の客はどこへ行ったの?

早朝の原生的な中を、ゆっくりと、列車は下って行きます。並行する道沿いを、消えたと思った、多くの見物客が歩いています。ここは、こうやって徒歩下山をする所なのですね。

途中の十字分道駅から、石飛駅へと向かう眠月線(営業距離:阿里山から、8.9km)は、1999年の台湾大地震からの被害が大きく、未だ未開通です。一応、路盤、ホーム等の復旧工事は、1年前に完了したようですが、安全性確認の許可が、取れていないそうです。

高山の爽快な朝です。空気の美味しさも格別です。沼平駅を降りてから、阿里山駅1つ手前のスイッチバックの神木駅まで、整備された森林の遊歩道を、散策する事にしました。日本統治下時代には、日本国内の神社仏閣用に、伐採された多くの巨木が、阿里山鉄路で運ばれたそうです。現在でも、樹齢2000年を超える高い檜の巨木が、そびえています。

40分余りで、神木駅につきました。神社用の木材を運び出したので、『神木駅』と、名付けられたのでしょう。駅舎、ホーム、通路と、すべて木造で復旧された駅は、まさに神木と呼ぶに相応しい、造りです。

新木駅から、眠月線駅を目指しましたが、道が分からなくなりました。誰一人いない、あまりの静けさも、不安感になってきました。もと来た道を引き返し、一旦ホテルで、休息を取りました。

阿里山駅出発までは、まだまだ、時間があります。地図を見ると、ここから、もう1本の路線、水山線があります。勾配もなく、1.6kmで、そう遠くもありません。廃線か、休眠路線なのか、分かりませんが、探索する事にしました。小型デジカメだけを持って、出かける事にしました。

木漏れ日の中、沼平駅分岐線から歩きだしましたら、本線からエンジン音が聞こえ、慌てて戻ると、檜造りの3両の客車+DL30が、登ってきました。突然でしたので、撮影場所を選ぶ時間は、ありませんでした。

水山線のレールは、錆びていますが、バラスもしっかり入り、路盤は整備されています。今すぐにでも、走れそうです。鉄道ファンには、整備された散策道より、錆びてはいても、鉄路を歩く事の方が、爽快感は、勝ります。1.6kmを歩くと、簡素ながら木造の駅と、立派な木造橋がありました。水山駅です。観光用に整備された臨時運行の路線のようです。

沼平駅へと戻って、構内を再度見ますと、阿里山駅~沼平駅間に、平日4本、土日6本の往復列車の運行があるのが、分かりました。今からだと、1往復の撮影は、可能です。

しかし、列車は、定刻運行していません。探した撮影場所も、晴天から曇天へと変わり、木漏れ日の絶好の撮影地は、一転していきました。小型デジカメでは、限界です。一眼レフを持ってこなかった事を悔みましたが、後の祭りです。悔しさは、次回のリベンジに、取っておく事にしました。

撮影後、ホテルへ戻り、荷物を整理してから、ホテルバスで、阿里山駅へと向かいました。改札は、まだ閉まっていましたので、2階からの展望を見て、ふと反対側の構内ヤードを見ますと、留置された客車群の向こうに、数本の煙突が見えます。

改札が始まって直ぐに、荷物を先頭車両に置き、線路へ下りて、客車群をくぐりますと、朽ちたSLが、並んでいました。雑草が深く、近づけませんでしたが、SL3両と、DL1両がいました。

12:00 定刻の発車。DL49+SPC28+SPC31+SPC14+SPC19の編成でした。14:26、復旧工事中臨時駅着。重い荷物は、客室乗務員と、阿里山下山中のおじさんが、持って下さいました。今日も、優しい台湾人との出会いです。

樟脳寮駅では、約20分の時間が取れましたので、冷たいビールを飲んで、喉をうるおして、ゆっくりとできました。駅構内を見ると、今年5月18日改正、各駅の発着時刻が掲載された時刻表が、貼ってあります。

これで、昨日、竹崎で交換した列車が、時刻表に載っていない列車ではなく、定時運行列車と分かりました。臨時駅から、阿里山駅への臨時列車も載っています。

客車側の若い運転手から、どこから来た? 観光か? 趣味は?これからどこへ行く?等々、質問の嵐です。2人が一致した事は、鉄道ファンという事でした。彼は、携帯電話を取り出して、SLの動画を見せてくれました。これ、これです。明日、行く予定の昔は、砂糖きびを、運んだナローゲージのSLです。

見て感激していると、彼は、『明日は非番なので、僕の車で、連れて行ってあげる。』との、驚く返事をくれました。台湾鉄路の駅から、発着している鉄路では、ありません。出発する前に、インターネットで検索して、訪問記を見ましたが、行き帰りとも、皆さんかなり苦労されています。駅からも遠く、バス便の№も時刻も不明です。ぶっつけ本番の、現地対応しかなかったのです。大感激です。

嘉義駅で別れる際に、車の車種は、何と、聞きましたら、バイクとの答えです。息子2人は、オンロード&オフロードバイクには、乗っていますが、生まれてこのかた、バイクに相乗りした事などありません。不安です。今更、断れないし、大丈夫かなと思いながら、ホテルへ向かいました。

今日、明日と嘉義駅前のホテルに連泊です。溜まった衣類の洗濯を、しなければなりません。風呂場が、乾燥室兼用になっていて、大助かりでした。夜は、いつものように、台湾では、各都市にある夜市で、見学と夕食です。地元の料理が食べられて、楽しみでしたが、明日の事が、期待と心配で、一杯でした。 Part5へ続く

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