2014年 絶景の台湾鉄路、冬の旅 Part6 虎尾糖廠(虎尾製糖)、台湾最後のシュガートレインを撮る

00_製糖工場子供が描いた絵 04▲ 虎尾糖廠虎尾站に大きく掲示されていました絵です。
おそらく沿線に住まわれる子供さんが描かれた絵なのでしょうね。
製糖工場と虎尾站をバックに、台湾で残る唯一の現役シュガートレインと手を振る子供たちの姿が、生き生きと元気に描かれていて私にも伝わってきました。

もういつまで見られるか分からなくなった台湾のシュガートレインですが、この絵を見ながら、できるだけ長く活躍してほしいと願いました。
今日は、今夜来られる本隊一陣に備えて虎尾糖廠のロケハン調査を兼ねての撮り鉄です。

斗南~虎尾站は、この辺りでは最も早くの明治43(1910)年1月31日に開通しました。翌明治44(1911)年5月29日には北港(北港線)、同年9月10日には西螺(西螺線)まで延伸され、以降も建設が進められました。シュガートレインだけでなく旅客列車も運行されていました。
虎尾站は、1972年に旅客営業を終えて、駅舎内を喫茶や土産物を販売するお店にリニューアルされて保存されています。

00_虎尾周辺地図▲ 八田與一が肥沃な大地へと開拓した華南平野には戦前、収穫したサトウキビを運ぶナローゲージの糖業鉄道が網の目のように敷設されていました。しかし繁栄を誇った糖業鉄道も今はトラック輸送に切り換わり、地図中央上の虎尾からの約13キロを残して廃線となりました。

さあ、いよいよ虎尾糖廠へと向かいます。台鐡の斗南駅からは約20分ということなので、Taxiを使わず路線バスを利用します。まずは、站横の斗南バスターミナルで発車時刻を調べます。

02▲ 斗南駅前のバス乗り場はバスターミナルというよりバス停に屋根が付いた程度ですが、ちゃんと切符売場が設置されていました。
03▲ 11:08 虎尾に向かう時刻表を見ますと1時間に1本程度運行されていますが、運転間隔はバラバラです。運賃は26元(約100円)、切符を買うために窓口に参りますと、時刻表とは別の臨時増発運行の時刻表が手書きで張り出されていました。今からだと臨時増発11:15発です。前に停まっているバスに乗車しました。

① 斗南11:15(Bus)→11:33虎尾
01▲ 11:15 バスは我々ともう一人の3人だけの乗客を乗せて発車しました。予定通りに18分乗車で虎尾に到着しました。大津の86さんは、この間来た時とは降りる場所が違っている。もっとバスターミナルらしい所だったが・・・です。

05降りた前には雲林布袋戯館がありました。日本統治下時代の1931年に建築された元虎尾郡役所で、現在は布袋(台湾の伝統的人形劇)の劇場として使用されています。

隣も同じ歴史建造物の雲林故事館があります。
こちらは官舎だった日本式家屋で、取り壊される運命にあったそうですが、熱心な分化・歴史保存会の方々のおかげで完全な形で保存されています。
62_斗南市内地図路線付き2▲ 虎尾市内の路線図です。バスターミナルは林鉄路一段にあり、まっすぐ行くと虎尾糖廠の平交道(踏切)に出ます。
※ 地図を印刷されたい方は一旦デスクトップにドラック&ドロップしてから開けてください。詳細になりますので現地に行かれる方にお勧めします。Busの時刻表も同様です。

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台湾 虎尾
11:38 平交道に着きました。大津の86さんが投稿された台湾五分車のたでご紹介されていました踏切番のおじさんがおられました。
やあ、また来たねとニッコリ笑顔です。
左右を見渡すと確かに民家の中をレールが伸びています。
次の列車はいつ頃くるかかとお聞きしますと12時半ぐらいかなと申されますが、ここの列車にはダイヤなどありませんので申されるのは大体の目安としてお聞きしました。

列車はいつ来るかは分かりませんのでロケハン開始です。列車が町の中へどのように進入してくるのかを見ておきたかったのでフィールド方向に歩くことにしました。

06-111:55 街並みを過ぎると新しくできた橋を渡って真っ直ぐに線路が伸びていました。この先10数キロに積込場が点在しています。

私はこの手前の復興路と交差する付近が気に入りましたので、積込場から戻ってくるシュガートレインをここで撮影することにしました。一方の大津の86さんは工場出口まで行って見ますと向かわれました。私は民家の前の椅子をお借りして休憩です。
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141211▲ この辺りは舗装された道路も並行してありますので広い線路の両側は民家の庭です。何やら皮をむいた食べ物が天日乾燥中でした。

民家の中からは麻雀のかき混ぜる音が聞こえてきます。
椅子に座ってのんびりと時を過ごしていましたら大津の86さんが戻って参られました。
一回目は踏切番がおられる辺りで撮られることを決められたようです。

12:30 民家では麻雀が終わったようで皆さんが出て来られました。ご挨拶をしますと、出前されたのか便當が届いたのであなた方も食べなさいと勧めてくださいます。

椅子をお借りしているだけでも恐縮していますので、お礼を言って丁重にお断りしますと、今度はコーヒー罐の蓋をあけてストローまで付けて持ってきてくださいました。

初めての外国から来た、見も知らない訪問者に熱烈歓迎です。
もう断れませんのでお礼を言ってありがたくいただきました。
ここでも優しい台湾の皆さんです。ありがとうございました。
08▲ 12:55 レールの先の彼方からDLのヘッドライトが見え始めました。ゆっくりと近づいてきます。大津の86さんは選ばれた撮影ポイントへと走って行かれました。

0910▲ 12:59 復興路との平交道を通過していきます。最初に見た時はなかった車が駐車していて思い通りのアングルにはなりません。
踏切番さんが手を挙げられたショットを掲載します。

約50両の長~い編成が通過するには約50秒がかかりました。
サトウキビを積込む貨車をインドネシアではローリーと言いますが、こちらでは何というのでしょうか。

積んであるサトウキビですが、インドネシアで見たような1本そのままではなく、細かく裁断されています。この時は積込場に裁断機が設置されているものだと思っていました。15-1

ご馳走になった民家の皆さんにお礼を申し上げてから工場方向へと向かいます。
反対方向から積込場への列車がすぐに来るのかと思いましたが、どうも来る様子がないので、昼食タイムにしようと、大津の86さんの案内で飲食街へと向かいました。

中正路を歩いていくと煌びやかな門がありました。徳興宮との銘板がかかっています。どうやら台湾漢人の民間信仰の廊のようです。

181619-113:16、飲茶が良いなあと探しましたら、湯気を上げている店が見つかりましたので入りました。
昼を過ぎたので我々だけでしたので注文した料理はすぐに運ばれてきました。

小籠包はやはりスープが出ませんでしたが後は満足の味でした。

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13:53 再び線路に戻って工場門へと向かいます。
172120この辺りに来ますと未舗装の道路併用軌道そのものです。もっとも両側は駐車場と言った光景です。
ここで86さんは面白い物を見つけられました。
電柱前に貼り付けてあった注意書きで、「工場は12月11日に稼働します。
12月9日には列車が走りますので、路上に止めてある車は12月8日までには移動ください。放置されると警察によりレッカー移動させます。」といった内容の虎尾糖廠からの文言です。

注目すべきは車が駐車してある右側線は、1067㎜と762㎜ゲージの3線軌道となっている事でした。後で調べてみますと、虎尾~斗南斗南線3線軌道で建設されています。台鐡本線の車両も乗入れていたのです。

2323-1<4D6963726F736F667420576F7264202D208CD594F6939C8FB182CC8D488FEA814:00 工場門からヤードを見ますとDLが入れ替え作業をしていました。
平交道にもなっていますので、ここにも踏切番のお兄さんがおられました。小屋に入って机の上を見ますと出入庫する列車の時間が3日分、書いてありました。

見ますと情報通り8時の発車で間隔は日によって差はありますが、1時間後までに続行する列車があります。
積込場から戻ってくるのは、1時間半~2時間後。戻ってくると空貨車が再び積込場へと出ていくパターンです。1日、5~6往復があります。

これが求めていたデータでした。これで踏切番のおじさんから不確かな事を聞かずとも、列車ダイヤは想像できます。
※ 時刻表を印刷されたい方は一旦デスクトップにドラック&ドロップしてから開けてください。詳細になりますので現地に行かれる方にお勧めします。

昼食をとっている間に積込場への4番列車は発車してしまったようです。

急に腹痛がしてきましたので虎尾站へと急ぎました。洗面所に駆け込んでスッキリとした後、ゆっくりと駅舎内を見学です。86さんが前回撮られた写真をお渡しになられると、焼いておられたお菓子がプレゼントしていただけました。
24▼ ここで何気なく撮った、かつての時刻表ですが、よく見ますと何と上行には虎尾→林内、下行には虎尾→斗六の區間車が掲載されています。どちらも臨時ですが、1067㎜の車両運用があったのではと思ってしまいます。
28-128-224-1▲ 戦前の1906年、大日本製糖時代の五間厝工場として建設された、工場付近の配線図です。工場前には宿舎が立ち並んでいます。

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26▲ ホーム線にはかつて斗六糖廠で活躍した332号機が今にも走れるのではと思えるほど、綺麗に磨かれて展示されていました。1937年頃に日本車両で製造されました。いつの日か動態復元されるとの噂があります。

31323315:18 斗南に向かって線路が延びる、虎尾川にかかる虎尾鉄橋に参りました。
大日本製糖時代に開業した当初はナローゲージの木造橋で建設されましたが、生産増により昭和6(1931)年にイギリスWest wood社設計で1067㎜との台湾で唯一の3線軌道の鉄橋につけ代わりました。橋梁は、汽車会社大阪の製造です。
1942年の台風被害で損傷、1959年に再び台風被害を受け再建の結果、橋の北側がアーチ型、南側は違った鉄橋となりました。そして、2012年に3度目の被害を受け観光用として渡れるように整備されていた鉄橋は、中央50mが欠落した状態になっています。

写真をよく見ていただけますと3種類の橋梁となっています。真ん中のトラス橋は何と東海道本線京都~大阪で使用されていた鉄橋なのだそうです。貴重な虎尾鉄橋は、虎尾県の歴史産業遺産に指定されています。
37343816:43、今日最終の第5列車が戻ってきました。町へ入る平交道では旗を振って安全を知らせています。
撮影は南国らしくパパイヤを入れてのアングルとしました。

今日は大陸から寒気団が来ると朝のTVで報道があった通り、夕刻で10℃とグ~ンと冷えてきました。風も北風が吹いて南国の冬本番です。これにて今日の撮影は終了です。バスターミナルへと急ぎました。

35▲ 16:53 虎尾バスターミナルに着いて時刻表を見ますと、17:15がありました。寒いのでバスターミナルの見えるマクドに入って、熱いコーヒーを飲みながら待ちました。

② 虎尾17:15(路線Bus)→17:36斗南
414042▲ 17:36 夕闇迫る斗南站に戻ってきました。駅前広場に展示されていたシュガートレインは色とりどりのライトが点いて着飾られていました。

③ 斗南18:07(區間車)→18:12斗六
區間車は学生たちの下校列車です。

斗六到着後は預け荷物を受取って、站の目の前にある華安大酒店にチェックインしました。本隊一陣の到着は10時過ぎです。
こんなに冷えてくると夜市に行くにはつらいものがあります。フロントで美味しい店が近くにないかをお聞きしますと、ホテルからすぐの庶民食堂を紹介していただきました。
4339▲ 19:08 紹介いただいた津味園は15人も入れば満席となる小さな食堂です。メニューは日本語も記載されていました。うどんがありましたので注文しましたが、関西風で味もしっかりとしていて中々でした。小籠包も頼みましたらスープも口の中にこぼれて、今まで食べた店の中では1番美味しかったです。

今日は朝からフル活動で、収穫多しで大成功の一日でした。大津の86さんと台湾ビールで乾杯でした。 Part7へ続く

2 thoughts on “2014年 絶景の台湾鉄路、冬の旅 Part6 虎尾糖廠(虎尾製糖)、台湾最後のシュガートレインを撮る

  1. ぶんしゅう様
    おはようございます。いよいよ虎尾のシュガートレーンの話に入って来ました。昨年は何も分からない状態で訪問したため、とりあえず撮影できたと言うだけでしたが、今年はぶんしゅう様という心強い同行者と御一緒させて頂き、2日間充分な収穫を得ることができました。翌日の本隊に備えてのロケハン、やはり、ぶんしゅう様の目のつけどころは違っていて、運行の実績表を入手され、これによって、翌日の集積場での撮影、いっそう充実したものとなりました。ありがとうございました。

    • 大津の86様、おはようございます。
      運行の実績表を見つけられたのは、今までの海外鉄での経験からでした。中国の炭鉱専用線やインドネシアの糖業鉄道もきっちりとした定期ダイヤそのものがありません。そんな時はいつも信号所や踏切番がおられる所に行きます。大概は毎日の出入庫・発着や通過した時間をこまめに記録されています。
      大津の86さんが前回に通過時刻が分からず、また聞いても曖昧な返答しかもらえなった事は紀行記を読ませていただいて分かっていました。ここを訪れておられる鉄ちゃんのプログをみても、同じく苦労されていたようです。
      記録簿さえ発見できましたら、鉄ちゃんなら容易に今日のダイヤはこうなるのだろうと推測できます。
      これも大津の86さんが昨年3月に訪問されていた最新情報があったればこそ予備知識として頭に入れていたおかげです。ありがとうございました。初めての虎尾糖廠の訪問でしたが、バスの選択といい、市内に走っている鉄路線の位置等の把握といい、ご経験されて案内していただけたので迷うことなくロケハンに集中できました。初めては何かと余裕がなくなり肝心なことを忘れてしまったりで失敗することが多いので、今回はご一緒させていただいて大いに助かりました。また、よろしくお願い申し上げます。

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