▲ 13:42 中国・ロシア・北朝鮮、3国国境の見渡せる展望台(龙虎閣)に上がって滅多に走る事はないであろうロシア・北朝鮮国境に架かる橋を見ていましたら、それは突然にやってきました。慌てて小竹先生を呼んでの撮影です。DL、客車とも北朝鮮所属と思われます。霞みかかる中、ゆっくりと鉄橋を渡ってきました。
まさかこれが撮れるとは・・、幸運としか言いようがないショットでした。この图们江(防川)に架かる朝俄铁路大桥(俄はロシアの意味)は、戦後の1983年8月8日に完成しています。長さは650mの鉄路橋です。
▲ 今日は左上の図們からバスで琿春へ、琿春から3国国境へはTaxiをチャーターして向かいました。移動軌跡は黄色の線、北朝鮮鉄路は青線です。鉄道路線は日本統治下時代の昭和15年当時を記載(自作)しました。赤線は国境に架かる鉄橋路線です。
冒頭の戦後に架けられた朝俄铁路大桥は北朝鮮の洪儀~ロシヤのハサイ(赤丸内)を結んでいます。洪儀の先の羅津は天然の良港で中国が羅津港の使用権を獲得していましたが近年にロシアも取得し現在ロシアゲージによる鉄路も通じています。これにより朝俄鉄橋大橋は4線軌道になっています。
第10日目 1月4日
① 図們站BT 7:50(Bus)⇒8:52琿春BT
② 琿春BT 8:58(Taxi)⇒9:03聖豪賓館
③ 聖豪賓館 11:05(Taxi)⇒11:16琿春新站11:31⇒11:51琿春站
④ 琿春站 12:00⇒12:40トラス橋見晴らし台12:47⇒防川観光事務所
⑤ 防川観光事務所13:04(専用バス)⇒13:32展望台14:22⇒14:24入口
⑥ 入口14:26(Taxi)⇒15:32琿春聖豪賓館
【 長春~琿春高速鉄道 】
今日の訪問地は中ロ朝国境の町、「琿春」です。図們から琿春までは鉄路があるのですが、客扱いはなく貨物線です。現在、既に開業している長春~吉林高速鉄道(111キロ)から延伸された吉林~琿春高速鉄道(359キロ)が建設中です。橋とトンネルの占める比率が長さの66%にもなる難工事になっていて、昨年4月に工事中にトンネル崩壊事故が発生し予定より遅れてまだ開業には至っていません。地元民の話しでは2015年10月頃になるようです。完成しますと長春~琿春は2時間50分で結ばれ、今より7時間以上もの短縮になるそうです。北京行きも新設されるようでロシアとの貿易が増大している琿春では完成が大いに期待されています。
と、いう事で今日はバスで向かう事になりました。
▲ バスターミナルは図們站横に隣接されています。琿春までは約63キロ、運賃は17元(約340円)と他の物価が交渉する中、格安です。
▲ 7:50 小型バスは発車しました。途中から高速道路を走るかと思いましたが一般道をいきます。前回(2012年11月)に小竹先生とご一緒した時はTaxiをチャーターしましたが、この一般道は舗装は剥がれて穴ぼこだらけの凸凹道で5~20km/hの最徐行を余儀なくされました。2時間以上はかかるなあと思いましたが、何と整備再舗装されて前回が嘘のような快適道路に生まれ変わっていました。バスは50~90km/hの高速走行で走って行きます。
琿春BT到着は8:52、何と約1時間の所要時間でした。
BT(バスターミナル)からは地元のTaxiに乗換えてまずは宿泊ホテル探しです。
▲ ハングルとロシア語が掲示される市内を走り5分、選んだのは聖豪賓館です。
早速、通訳の姜小姐に外国人が宿泊できるか宿泊料の交渉を依頼しました。
外国人はOK、宿泊料は一部屋80元(1,600円)と格安です。
直ぐにチェックインしましたが、フロント周りはロシア人団体で一杯でした。
部屋は一般的なツインルームで、Wifiも飛んでいます。立派で綺麗とは言えませんが、我々にはこれで十分です。
哈密からここまで約5,100キロの移動距離、3泊4日連続の乗り鉄旅でした。荷物を置いて、しばし休憩を取ってから出かけます。
11:00 ホテルを出てTaxiをチャーターしてロシア、北朝鮮との3国国境に向かいます。最初の訪問は高速鉄道の琿春新駅です。
[googlemap lat=”42.898357″ lng=”130.39253199999996″ align=”center” width=”580px” height=”300px” zoom=”14″ type=”G_HYBRID_MAP”]琿春新駅[/googlemap]
▲ 11:16 市内繁華街から走る事約15分で建設中の琿春新駅に着きました。地図をご覧のように町外れの農地の中、市内から北東約6キロにありました。まだ站へのアクセス道路は全くありません。工事用の未舗装凸凹道でした。
▲ ご覧のようになぜか工事は止まっています。気温が氷点下に達するほど低い中でコンクリートを打設すると、初期段階で水分凍結する可能性が高くなり、コンクリートの強度や耐久性の著しい低下につながると聞いた事があります。このために厳寒の地では冬季の工事を見合わせているのでしょうか。
[googlemap lat=”42.815303″ lng=”130.39171599999997″ align=”undefined” width=”580px” height=”300px” zoom=”14″ type=”G_HYBRID_MAP”]琿春貨物駅[/googlemap]
▲ 11:54 続いて前回も訪問した琿春貨物駅に寄ってみました。1,435㎜ゲージと1,525mmのロシアゲージが設置されるヤードが広がっています。ロシアゲージにはセキが止まっていました。ロシアからの石炭輸送の拠点のようです。レールバスや作業員車も集結していました。
[googlemap lat=”42.564751″ lng=”130.52699299999995″ align=”center” width=”580px” height=”300px” zoom=”14″ type=”G_HYBRID_MAP”]中朝国境道路橋[/googlemap]
▲ 12:40 3国国境を目指します。途中で北朝鮮との立派な国境トラス道路橋が見えましたのでお立ち台で見学です。この辺りは観光地になっていますがさすが厳寒期では観光客はいません。それでも望遠鏡を置いて商売されている方がおられました。望遠鏡を見るのは3元(約60円)です。
▲ 13:04 中国、ロシア、北朝鮮の国境見物の観光案内事務所に到着。
ここでTaxiは降りて入場料を支払ってから専用バスに乗換えます。
▲ 13:32 バスに乗ったのはわずか2分で展望台の龙虎閣に到着。
▲ こちらは中国の軍施設です。中国領地はこの先の橋手前まででここでは日本海は中国とは接していません。
▲ 13:35 展望台に上がり遠く日本海を見ますが、今日は薄曇りで霞みの中に日本海は見えません。ロシアと北朝鮮に架かるロ朝友好橋は、長さ650mの戦後に建設された朝俄铁路大桥です。
今まで中朝に架かる国境鉄路橋の撮影にはいつ列車が来るか分からずで何時間も待ち、苦労をしました。今回も情報調査方法自体が分からず、見るだけと諦めていました。小竹先生もロシア側のハサン站構内にカメラを向けておられます。私の方はもうこんなもんだろうと帰ろうと、橋の方を振り返って見ますと何やら列車が渡ってくるのが見えました。まさに抜群のタイミングでした。ビックリして先生を呼んで撮影開始です。
▲ 13:42 こんなチャンスは滅多にありません。とにかく連続シャッターの切りまくりです。これで晴れていて日本海が見えれば最高ですが、そんな贅沢は言っておれません。
【DATA】 ズーム300㎜ F8 1/800秒 ISO400 露出補正-0.3段
▲ 13:44 列車は橋を渡ったところでしばらく止まりました。ここがイミグレのようです。
▲ 13:58 約10分強、イミグレで停車した後列車は動き始めてロシア側のハサン站に向けて向かいました。これには先生も私も大喜びです。撮った展望台最上階は屋外に出る事が出来ずガラス越しで薄曇りもあってフルサイズカメラをもってしても鮮明な画像とはなりませんでしたが撮れただけでも感激でした。
▲ これが最大限で車両番号は残念ながら読み取れません。
【DATA】 ズーム300㎜ F5.6 1/800秒 ISO400 露出補正-0.3段 ※写真は拡大しています。
▲ 14:40 帰りに中朝国境線の鉄条網が設置してある豆満江を見ながら撮影です。この解放されていない対岸の国ではどんな生活が営なわれているのでしょうかね。
▲ 17:03 琿春は朝鮮料理の町です。今日の夕食は焼き肉にしました。お腹一杯に食べ込みました。
今日は誰もが撮られたことがないと思われる写真が撮れて大満足です。明日は中朝国境沿いに南下します。私も3度目ですので慣れた者ですが思いもかけずの落とし穴が待っていました。 Part12ni続く