秋の北海道 鉄道ひとり旅 【6】

長万部駅では乗り換え時間が2時間近くあります。撮るような列車もない時は、街歩きに限りますが、外を見渡してもシャッター通りが続くばかりで、期待した成果も見込まれないようなので、駅にある、みやげ販売を兼ねた観光案内所で聞き込みをします。ここで、思いもしなかった情報が入りました。つぎのダイヤ改正で、長万部町にある7つの駅のうち、北豊津、蕨岱の2駅が廃止になるということでした。聞いたときは衝撃が走りましたが、先週発表されたJR北海道の2017年3月14日のダイヤ改正のプレスリリースで、「ご利用の少ない駅を廃止します」と明示されており、今となってはスクープでも何でもありませんが、過去に撮影もしたことのある2つの駅が廃止になるのは、驚きのニュースでした。
大沼~森の前後にある、東山・姫川・桂川も廃止される。写真は、車内から見た姫川駅

蕨岱で列車交換のために運転停車する下り「ニセコ1号」、この日は、正真正銘のゴールデンコンビだった。僅かな停車時間、客車から飛び降りて、C62の前を横切って対向ホームへ渡り、編成を写した。助役氏が心配そうに見ていたが何も言われなかった。機関士は、タバコをくわえながら、休んでいる。

JR北海道ではダイヤ改正のたびに「ご利用の少ない駅を廃止します」として、つきつぎ駅の廃止を推し進めてきた。今回も、美々(千歳線),島ノ下・稲土別・上厚内(根室線)、五十石(釧網線)、東山・姫川・桂川・北豊津・蕨岱(函館線)の10駅が廃止されることになった。廃止理由は、「駅周辺に生活上必要としている民家がなく」「利用実態がほとんどない駅」としており、1日平均乗降数が0人台の駅が次々廃止されている。利用実態が無くても、駅の管理・清掃は定期的に行っており、とくに冬季の除雪費用がJR北海道の経営を圧迫していると言う。

蕨岱に着いた列車から写した交換列車、ヤマ線ではナメクジがけっこう幅を利かせていた。

長万部町内には、長万部のほか、室蘭線には静狩、函館線の函館方に中ノ沢、国縫、北豊津、倶知安方に二股、蕨岱がある。蕨岱はJR駅を五十音順に並べた場合、いちばん最後に来る駅としても有名だ。明治37年、北海道鉄道の駅として開業、その後、国鉄函館本線の駅となった。蒸機の時代は、写真のように、対向式ホームを持つ交換駅で、もちろん有人駅だった。昭和61年、無人化されるとともに交換設備も撤去され、現在のような一面一線の棒線駅となった。昭和56年のデータでは、1日の乗降客数が23人あったが、次第に過疎化が進み、現在では周辺に民家が見当たらず、1日平均乗降数は0人台である。
現在の蕨岱駅。ヨ3500を利用した貨車駅舎が鎮座、同様の駅舎は、北海道各地にあるが、ここは、ずいぶん派手に出で立ち、内部は清潔できれいな待合室になっているという。

周囲に民家はなく、国道5号をはさんで真っ赤な鳥居があるのみである。▲▲車内から見た蕨岱、一線のみの棒線駅、右がかつての対向ホーム跡。

当時の北豊津信号場を通過していく札幌行き急行「第一すずらん」10連、信号場だったが、開設当時から乗降場として客扱いを行っており、時刻表にも掲示されていた。横では土砂工事が行われていた。

いっぽう北豊津駅、こちらは昭和19年に開設された北豊津信号場が始まりで、昭和62年に駅に昇格した。現在でも相対式2面2線の構造で、信号場時代のまま変わっていないが、付近には全く民家が無く、茫々とした平原が広がっているのみである。

4 thoughts on “ 秋の北海道 鉄道ひとり旅 【6】

  1. いや~それらの駅名は懐かしくも寂しいですね。今回の廃止予定10駅のうち、五十石・桂川・蕨岱を除く美々・島ノ下・稲土別・上厚内、東山・姫川・北豊津の7駅はそれぞれキハ82系・56系・22、DD51等の撮影で利用した駅であり、想い出の詰まった駅なので寂しさひとしおです。これらの他今春に廃止された石北線の下・旧白滝や金華なども撮影には便利な駅でした。もう既に撮りたい列車・車両は無くなりましたが、仮に現在も運転されていたとしても、これらの駅が無くなれば列車減便と相俟って効率的な撮影は殆ど不可能になってしまうことだろうと思われます。
    小生のような撮影者の乗降はあるにしても、土民(昔の青信号誌にご当地の人の意味でこういう表現があった。現在では?の表現かも)の乗降客数0といわれれば廃止もやむを得ないと納得するしかないですね。それにしても撮りたい列車・車両が有るうちでなくてよかったと安堵の胸を撫で下ろす今日この頃です。
    掲載のようなD51の列車やDC急行華やかなりし頃の写真を見ると涙が出てきます。

  2. 1900生さま
    今回廃止される駅のうち、7駅に下車されていたとは驚きです。私などは下車したのは蕨岱だけで、ほかは列車から確認するだけでした。稲士別は、初めて聞いた駅名ですが、帯広の近くなのですね。やはりDC狙いだったのでしょうか。こんなマイナーな駅へ、よくぞ下車されたものと思います。一度、じっくり動画とともに、1900生さんの思い出をお聞きしたいです。
    これからも、涙の出るような?写真を載せていきますよ。

    • 稲志別は何の変哲もない畑の中の道路沿いにある停留所ですが、東方1km位にきれいなカーブがあり、キハ40釧路所原色(タラコ)車が朝の帯広への通学列車に入った時に撮りました。日中の40が殆ど単行で撮影機会が少ないのに対し、朝には3~4両編成が2本ほどあるため、編成中に入る確率が高いのと、前夜帯広で泊まるとそんなに遠出が出来ないため、この辺りが丁度手ごろなためです。ホーム長が昔の北海道支社設置の数メートルよりは長いものの、それでも1両半くらいのこじんまりした停留所でした。道路からの通路とホーム以外に何も無い素っ気ないものでした。
      別に秘境駅探訪をしていたわけではなく、景色の良いポイントを探して歩いた結果、たまたまそういう鄙びた駅で降りることになったものです。
      このためもしこれらの駅がなければ思ったポイントで撮れなかったでしょうね。

      • 1900生さま
        改めてネットで稲志別を検索すると、おっしゃるように原野の中の典型的な乗降場スタイルの駅ですね。時刻表を見ると、朝に名寄方面に4本程度のDCがあり、1900生さんが行かれた理由が分かりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください