第11日目 9月28日
今回の旅ではフィンランド⇒スイス⇒オーストリア⇒ドイツと4ケ国を訪問してきましたが次は5番目の国、ウクライナです。
【 ウクライナ 】
長い間ソビエト連邦の国でしたが1991年ソ連崩壊に伴い独立しました。1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原発事故で有名になっている国ですが今回は反対側の南寄りのルーマニア国境に近い地方を訪ねます。
全体の国土は日本の約1.6倍ですが人口は約4,520万人、ウクライナ人が人口の約78%を占めてロシア人は約17%、在留邦人は193名(2015年10月1日)とわずかな現状です。
独占する国営のウクライナ国鉄は、ロシアと同じ1,524㎜ゲージ路線が23,350㌔(電化率約39%)、1,435㎜ゲージ路線が201㌔(全線電化)と、そこそこはあります。しかし、欧州各国の鉄道とはゲージ幅が違っていますので直通する国際列車はなく、同じゲージのキエフ・モスクワ間の1日1本だけしかありません。運行されている列車はソ連時代の年代物ばかりのようで高速化もされてもいません。どんな古い車両と会えるのかも楽しみでした。私にとっては世界で24番目の訪問国です。
▲ チューリッヒからウクライナのリヴィウまで直行するフライトはありません。オーストリアのウイーンでトランジットして向かいましたが、丸1日を要しました。
チューリッヒZRH7:40(OS568)⇒9:30ウイーンVIE13:00(OS381)⇒15:15リヴィウLWD
▲ 5:50 チューリッヒでは搭乗する飛行機が早いので5時前には起きて空港へ向かいました。入った時のターミナルは空いているように見えましたがチェックインカウンターに近づくと結構な人出になっていました。
▲ 航空券予約と支払いはオーストリア航空のオンライン予約で日本で済ませました。
スターアライアンスグループですので私の持っているワンワールドグループの上級会員特権は使えません。ラウンジは入れないと思っていましたら、海外鉄研のあまらぼ鍋屋町さんとM代さんのお2人はスターアイランスの上級会員です。プラス1名がラウンジに入れますので4人で一緒に入って朝食です。
ちなみに豊中の8620さんと私はワンワールド会員ですので4人で行けばどちらのグループの飛行機に乗ってもラウンジに入れます。
▲ 6:30 ラウンジに入りましたがあまりバリエーションある朝食類は用意されていません。フィンエアーのヘルシンキ空港の方が良かったですね。ただビール等のアルコールは揃っていましたのでわたしの主食は十分カバーできました。
8:34 一応国際線なので機内食が出ましたが1時間半のフライトなので菓子パン1個とコーヒーだけでした。
【 ウイーン空港でのトランジット 】
9:10 なんの問題もなく飛んで定刻にウイーン空港に到着、まずはウクライナのリヴィウへと向かうためのトランジットの手続きです。海外へ行った時に飛行機の乗り継ぎは何回も経験していますが、出発時の搭乗手続き同様の結構な時間がかかります。今までは飛行機を降りてから近い場所にあったのですがここは首都空港だけあってとても広い空港で、検査場までは免税店等が並ぶコンコースを横断しなければなりません。結構長い距離を歩きました。
トランジットの検査場は次の搭乗機ゲート近くにありました。所定のX線検査を含めた手続き検査を済まして会員ラウンジへ向かおうとしましたが、搭乗機ゲート近くまでありません。
お聞きしますと検査場を通る前にあったそうで見過ごしていました。ここからは引き返さなければなりません。検査場を出るのは検査なしで簡単なのですがもう1度入る時には再度X線検査を含めた同じ厳重な検査を受けなければなりません。待ち時間が約3時間もありますのでビールを飲み軽食を食べながらゆったりとしたソファに座りたいと思いましたが、あまらぼ鍋屋町さんと豊中の8620さんは難色を示されました。
その訳は、ご両人がデジタル一眼の他に6×6サイズのフイルムカメラも使っておられることにありました。X線検査では使用・未使用のフイルムともX線を受けます。フイルムはこの影響を受ける可能性があります。かつてX線は強いものでしたが最近は影響を受けない程度に改良されていますが、何度も検査を受けていますと感光による障害を受けてしまうのではないかと疑問を持っておられる写真家は多いそうです。ご両人とも撮影時のシャッターを切るまでの用意とこだわりは半端ではありません。特に大型カメラ使用となると三脚にがっちりと固定してアングルを決め、露出とシャッタースピードはマニアル、ピント合わせも同様で拡大ルーペを見ての確認もしておられます。苦労して撮った写真なのに障害を受けてしまえば今までの苦労は徒労になってしまいます。
日本出国時、海外での搭乗時にX線検査を受けている。これからも数回はある。X線検査の影響を受けないと断言できずの現状ではせめて1回でも少なくしたい。ラウンジでゆったりしたいがフイルムへのX線検査対策を優先したいというご意見でした。
ご両人の意見はごもっともとラウンジへ向かう組とゲート前で待つ組と分かれることにしました。
▲ 9:34 ラウンジに到着、ターミナル本館にもっと大きくて立派なものがあるそうで、入ったのはちょっと小ぶりの2番目のラウンジでした。それでも軽食としてはまずまずの用意がされていました。主食のビールと共に約3時間の待ち時間を快適に過ごせました。
▲ 12:20 ご両人が待たれるゲート前の待合室に到着。
搭乗はバス移動です。
出発15分前の12:45から搭乗が開始されました。
搭乗機は初めてのオランダ製小型双発ジェット旅客機のフッカー70(70人乗り)です。1997年にフォッカーが倒産したため、生産数もわずか48機と少数でした。ほぼ満席の機内でした。
時刻表では2時間15分のフライトとなっていますが時差の関係で、実際はわずか1時間15分です。それでも機内食にビールを選べたのは国際線だからでしょうか。
▲ 15:20 定刻より少し遅れてウクライナのリヴィウ( Львів)空港に到着。機内から見たターミナルビルです。新しそうですが、そんなに大きくはありません。ここで欧州の他の国から来られたSL撮影ツアーの皆さんと合流です。
▲16:12 到着ロビーで皆さんの集合を少し待ってからリーダーからの説明を聞きます。この時点でどこに連れていかれるのか全く知りませんでした。
ここからはチャーターした専用中型バスに乗って行くようです。目的地は南のイヴァーノ=フランキーウシク地域、Vorokhtaと言う所だそうです。
16:42 荷物も満載してチャーターバスは発車しました。外国語が堪能なあまらぼ鍋屋町さんはお知り合いがおられたようで早くも親交を深めておられました。
▲ 目的地は以前に行ったルーマニアとの国境の森林鉄道近くにあるようです。しかし、この空港から南へバスに乗って約228㌔、実際の所要時間は約4時間余りと半端ではありませんでした。
▲ 21:13 到着後ホテルから少し離れた駅前レストランで遅い夕食です。美味しいビールは勿論の他、山の中でしたので対して期待はしていませんでしたが中々の料理が選択できました。
▲ 22:13 夕食後近くにあるBopoxta駅に行ってみました。初めて見るウクライナ鉄道の駅待合室です。待っている方が数名おられますが寝袋に入っている方はどう理解したらいいのでしょうか、まさかステホではないでしょうね。室内の表示はウクライナ語で記載されていますので駅名を含めてさっぱり分かりません。
撮影地 Google座標; 48.293279, 24.564514
▲ 22:24 駅から徒歩5分ほどのホテルの部屋はそれぞれ選択するように言われて入った3階の私の部屋ですが何とベットルームとリビングもある豪華な個室でした。これは快適そうです。初めてのウクライナで戸惑うことがありそうですが部屋と料理は満点です。後は肝心の撮影ですが、いったいどんな蒸気機関車がやってくるのかどうかです。楽しみにして爆睡体制に入りました。 Part26へ続く