梅小路に集まった蒸機18両
50年前の京都で、もうひとつ忘れられない出来事がありました。梅小路機関区で、昭和46年11月24日に、国鉄百年の記念映画「蒸気機関車-その百年」のファーストシーンの撮影が行われ、全形式の現役蒸機18両が、一時的に梅小路へ有火または無火で回送、集められたのです。翌昭和47年10月には、梅小路蒸気機関車館が開館し、再び保存・動態蒸機が集められます。そのメンバーと重複する蒸機もありますが、あくまで現役のため、異なる蒸機も集められました。
以前に本欄で、このことを掲載したところ、「立ち入り禁止で写せなかった。うらやましい」とか、「極秘に進められたのに、どうやって知ったんや」とか、いろいろな意見をもらいました。実は、どう情報を知り得たのか、全く記憶に残っていませんでしたが、最近、片付けのなかで当時の日記が見つかり、日々の動きがよく分かりました。情報の入手先は、ふたつあって、ひとつは、M模型へ行った時に「もうじき梅小路に蒸機が来るらしいで」と店主から聞かせてもらったこと。そして、決定的だったのは、同年11月18日に、国鉄に就職された、2年先輩のGさんが、午前にBOXへ来訪されて、「梅小路にC622が来とるぞ」と知らせてもらったことでした。“それっ”と午後に、数人で梅小路に出かけました。この時はカメラの持参はなく、見ただけで終わっていますが、C622をはじめ、9633、C551、C59164、D612が来ていて、日記には、「一回で小樽築港、旭川、糸崎へ来た気分」と書かれています。その翌日、10時に改めて十数人で梅小路に集結、平日午前のため、小中学生も見られず、自由に撮影できたのでした。授業は、どうしたんやと聞かれそうですが、学校は、学費値上げに端を発した紛争が再度起こって、キャンパスは校舎が封鎖中、授業に行きたくても行けず、のびのびと撮影に専念できたのでした。これも、50年前らしい背景でした。
▲梅小路で再会したC62 2、函館本線で見たのは、この3ヵ月前だった。まさか、京都で見られるとは、夢を見ているようだった。撮影した午前は光線もバッチリ、ロッドも下りて、撮影に良好な状態だった。下の表を見ると、11月16日に到着、撮影後、ただちに返却されているので、梅小路にいたのは8日間だけだった。
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