写真をもう、桜の季節は去ったと思う。関東の桜は早く終わったのだがTVで競馬中継を見ていると仁川の阪神競馬場の桜が満開を過ぎようとしていた。そうか、関西はまだ桜が見られるんや。風が緑色になってくる前に、今年は盛大に祝うことのできなかった春を総括したいと思う(これを投稿している時期はこれより少し後で、季節感は一致しなくなりつつあります。スミマセン)。
Wakuhiro氏、総本家青信号特派員氏をはじめとして諸兄から桜を拝ませていただいたが、東のはずれの国からも、投稿の話題性は全くないけれど、デジ青の書面を汚してやろうと思った次第。東の国には、ひのとりはいない。でもこんな片田舎でも季節だけは訪れてくれる。せっかく春が来てくれたのであるから、都内の人ごみの中をうろつくわけにもいかないでしょうと家族から強く言われているが、いつものように拙宅の廻り、千葉県りをうろついてみた。
そういうことで、単純に春が来て、Stay home言っている間に過ぎ去ってしまった春を偲んでみたい。最近のロケの条件とは。
・場所:千葉県内、原則として拙宅近所か駅近、最低でも数分で歩ける場所
・時間:朝の通勤時、昼ごはん前の一瞬の時間、昼くらいからの少し遠出
・交通機関:歩き、老人優待バス券(乗り放題半年で16400円)、JR近距離のうち2つ以内の組み合わせ(車は家族から禁止されているので26万キロ走った〇〇も昔に売り飛ばして保有していない)。
・食料:昼に掛かりそうなときは、塩昆布を入れたおにぎりを自作携帯し、お茶の入った象印(トラではなくゾウ印)水筒と非常用のティッシュ!、ビックカメラのビニールのレジ袋(腰掛代用)、タオルを小型のリュックに入れて出かける。途中にコンビニもない場合がほとんどなので、おにぎりがなくなったら帰宅。
という、ヌルイ撮影ロケである。撮らねばならぬ目標は無いとは言わないが、どうしても取り損ねて深刻な問題になることはない。命があればまた出かければ良い。しかし桜は撮らねばならない。年寄りにはこれで良いのだ。
■春の予感
暖冬で春がうんと早く来そうだという。こっちの都合もあるが、彼岸には関西に不要不急と言うことで帰れそうもない。そんなころに、靖国神社が開花したとTVに写った。とにかく、動こう。
拙宅の坂道を下ると総武本線の横の畑にでる。梅が咲いているのを見つけた。千葉県は都内より12週間春が遅れるので、まだ梅である。梅の花は配置が思うようになっていないことが多いことと、意外高いところに咲いているので、どうして撮ってやろうか悩む。おまけにどぶ川の横と言う勝手な場所に咲いている。
ここは30分ヘッドで成田エクスプレスが来る。丁度、佐倉の辺ですれ違うことが多いので2回連続してチャンスがある。詰まらんE259系と言うなかれ。赤白の色の配合は写真写りには最適なのだ。花にピントを合わせたいが深度が浅いので仕方なく一輪だけに合わせ、後はこの辺に来た時に1回のシャッタで決めてやろうと思う。小生のカメラは初級機で連写がたった3コマ/秒と劣ることと、電車の速度が速すぎるので1発で決めるより仕方がない。果たして、真理は寒梅の如し、となったかどうか。昼ごはん時間なので、これにて帰宅。次の週に来てみるともはや咲いている梅花はなかった。ロケは春の初めに間に合ったらしい。
■桜を待つ(開花前らしい)
長い間、物井(総武本線)に行ってなかった。老人バスパスで物井に行ける(570円節約になる。JR使えば390円。いずれも片道で)便があることが分かった。菜の花は千葉県の県花であるが、これに加え桜が咲いているかも知れないと思い、おにぎりを作って出かけた。大カーブの線路わきには同業者が何人かいるが、小生が向かった川の土手には誰もいない、まだ季節が早いので草むらから長いものも出て来ない、従って草むらにも安心して入れる。まだ桜の影も形もなかった。千葉県は都内より1~2週間開花が遅いのである。仕方ないので菜の花を入れてE259系を撮る。春の雰囲気。ここまででも歩くのが面倒なので、今年は桜撮影の再訪を諦めた。
線路わきのつくしんぼう。春の訪れの代表格であるが、あんまり写真には出ない。ここの場所はつくしが生えていないのであるが、少し前に見つけたのでついでに古い写真であるが載せた。
帰りのバスの時間が近づいたが鹿島貨物が来る。これを撮っても帰りのバスに乗れると思ったら、なぜか少し貨物が遅延。勿体なので撮ってからバス停へ急ぐ。昔なら余裕で歩けたはず。案の定、この足では間に合わず。次のバスは2時間来ない。仕方なくJRで帰る。完全無料で予定したロケが190円掛かった。撮影料は支払ったことになる。喉が渇きゾウのお茶を頂く。ギリギリお茶が無くなったが追加のドリンクは買わなくいて済んだ。金額ではなく、無料でロケという目標が崩れたのが悔いに残った。ついでなので、その貨物。よくみんなが撮るカーブの内側からではなく、外側からの写真で、こちら側は元の総武本線の路盤跡があぜ道として残っており、長さ2mほどの溝に架っていた橋梁(と言うほどではない)の鉄骨が放置されている。鉄骨といってもチャンネルを背中合わせにリベットで止めた2本の梁がコンクリートの擁壁に残っているだけである。
■桜が咲きました
StayHomeを無視して、というよりか、このときは未だ、この外来語が流行っていなかったので、仕事を放り出して八丁堀の仕事場から都電を見に出た。
都内は平日でも当然人は多いが、桜だけ見て地下鉄が混まないうちに高田馬場から帰ることにした。
■千葉県の桜
ローカルな話で恐縮であるが、千葉県では小湊鉄道(といすみ鉄道)が桜とコラボした写真を撮ろうとする同業者や「この時だけ鉄」チャンが名所に押し寄せる。人ごみは困るが鉄のある花見をしないと心穏やかでないので、昼前におにぎりとゾウの水筒、ビックカメラのレジ袋を持って出かけることにした。3月末であったが、桜は満開である。しかし、いつもはこの時期混んでいる小湊の列車も今年は単行でしかもガラガラであった。
五井の駅では切符売りと案内をしているおばさんがいる。このおばさんは、小生が以前写真を写真展で展示した「また来てね」のおばさんであるが、すっかり顔なじみになって、券売機からでなく、対面で切符を購入した。「リストラに合わず、ここで使ってもらっていて有難い」と。小生は小湊鉄道に限らず、特にローカルの鉄道の場合は出来るだけ切符を購入して、要するに歩きで撮影するようにしている。車の有無ではなく、撮影させてもらったお礼である。今回も駅から1分以内で撮影をして、おにぎりが無くなった時点で引き揚げた。世の中がどう変わっても桜はちゃんと忘れずに咲く。降り立った海士有木駅はおばさんが最後に勤務した場所であるが、台風で屋根が破損し、ブルーシートのまま。ブルーシートの錘の土嚢から草が生えて屋根が草原になりそうである。横の木造の倉庫も屋根と壁が破損し、内部がうかがえるが放置状態である。ここに限らず、中小私鉄には苦境を乗り越えなんとか生き残ってほしい。僅かではあるが運賃で撮影させていただき感謝。撮影は海士有木駅と馬立駅、ともに徒歩秒速。
■拙宅あたりの菜の花
拙宅から総武本線の土手まで数分なので、気が向いたら1日最大3回サンダル履きで出かけることがある。12時の下り、14時の上り、17時15分の上りの鹿島貨物の3回である。朝の5時の15分は早朝過ぎるので普通は出向かない。貨物以外に撮れるのはその前後に通る総武横須賀のE217系、E259 系、E209系、255・E257系だけである。どれも話題性がないが、そのうち必ずなくなる時が来るので 適当に撮っておかねばならない。
さて本稿で言ったように菜の花は県花なのでこれを写し込ねばならん、と思っているのでこの日もその時間になるとふらっと出かけることにした。
まずは、12:00の73レ鹿島貨物。この時間になると線路わきにへばりついている同業者が必ず何人かいるが、その反対側に菜の花の群生を見つけた。ここから写真をとる人間は滅多にいないので、場所を取り放題である。へばりついている同業者も見えない。
ついでに、滅多に写真の対象にならない?と思われる総武快速E217系 。成田寄3両がセミクロスであるが、近々に山手線E235 系由来のオールロングの車両に置き換わる。撮っておいて損はないと思うが・・。ついでにこのオールロング化であるが不思議とハンターイの狼煙は上がらない。首都圏の人は大人しい? JRはムサコ(武蔵小杉)の輸送力増強対策で少しでも詰め込みたいからということらしい。違う?小生としては成田空港、鎌倉への利用も考えて欲しいが、そんな民意はJR東は聞くフリはしても考えないらしい。なんとかゲートウエー駅名もそうであったし・・・。置き換えにしても片側1列、片側2列のセミクロスで、ドア横の一部を置き場(ラッシュ時は立ち席)とするというのはどうだろうか。ロングシートでも通路に足が出るので、片側1列のクロスとしても通路の幅は殆ど変わらない。従って立ち席定員は変わらない。座席の数もドア間8+6=14=7x2で変わらない。ドア横の一部のロングは折り畳み荷物置き場にする。ラッシュ時は立ち席になる。こういう発想は出来ないのかな。いずれにしても不細工なE235 系、オールロングは嫌である。それから置き換えといってもこの車両は行き場がないので廃車。先ほどの弱小私鉄でも書いたが如何にも勿体ない。何とかならないものかなあ。子会社の車両製造の仕事も関係しているのかなあと思うけど。
■最後にいつも使う京成本線
小生が通勤で使う京成電鉄であるが、せせこましい軒先かすめて走っているので自然は少ない。しかし、居を構える佐倉辺りからは正に田舎で、菜の花もみられる。春と言うことで、滅多に紹介されない京成の写真も追加しておこうとおもう。
佐倉を出た上野行き3500形。
鹿島川を渡るところ。今や唯一となったツーハンドル車。電車はワンハンドルマスコンではなく、ツーハンドルでなくては。なお、この川の土手を超えて昨年越流が発生し、市街地に無尽蔵にある印旛沼からも濁流が流れ込んだ。土手は現在嵩上げ工事中である。この写真はその反対側の直結する印旛沼側からである。
春の仕上げ、チューリップ
佐倉にはオランダから輸入した風車を中心に広場が湖畔に広がっており、春にはチューリップが一面に咲く。これが春の仕上げとなる、はずであったが、コロナの影響で、集近閉を避ける、いわゆる三密を避けようと言うことで祭りが中止、それでも花を見に市民が来るので、とうとう花を刈り取ることになった。場所が広いのでそんなに密ではない。人の間隔が2mなんて原っぱではありえないが、要するに中止と決めたのに、チョロチョロ来る奴がいる。習近平総書記の指示ではないが、絶対に人を集めない。どうするねん?花が無くなったら見に来る意味が無く、人は来ないで。ほな、切ろか、となったのかな。やることはしたし、自粛の広報も責任を果たしたんだから、役所としてはちゃんとしたと言うことなのだろう。ところで、これは花を切ると公開した3日前の写真。朝の通勤のザシ特急は殆ど乗客がいなかった。人が2人写っていて市の言うようにやはり混んでいる?
早く、線路わきに安心して立てる日が来るように。
これで今年の春は終わりにしたい。