北のC62 全記録 〈18〉

昭和46年3月20日 一人で再び目名へ

前掲の上目名での撮影を終えて、馴染みの倶知安ユースに泊まり、翌日、今度は目名へ向かいました。ずっと同行していたT君は、どうしも室蘭本線礼文でD52を撮りたいと一時的に離れて、本日は久しぶりの一人での目名行きとなりました。前回の目名下車は、蘭越寄りに歩きましたが、今回は上目名寄りに歩きます。上目名に向かっては、連続20‰勾配が続いています。
目名から上目名寄りに1キロほど歩いたところ、撮影地として特に知られていないところで、周囲には誰もいない。右手はなだらかな斜面で、目名の集落が眼下に広がっている。いつもどおり10分前ぐらいから、例のドラフト音が風に乗って聞こえてくる。カーブの向こうから、爆煙を吐いた巨体が見えた。フィルムを巻き上げ続けて、連続シャッターを切る。“つぎが本番!”と思った瞬間‥‥。

な、なんと、横からの強風にC62の煙が巻かれてしまって、アッと言う間に次位の本務機以下が隠れてしまった。風だけは予測がしにくいし、地形によって急に強くなったりする。このように、開けた地形のほうが横からの風を受けやすい。これが準特急さんの言うところの「2両目のC62が煙に隠れないように苦労した」なのだったと痛感した。▲▲去って行くC622の運転台付近。

つぎの列車で長万部へ。機関区へ行って、待機中のC622と対面する。何度行っても、同じ場所で、変わり映えはしないが、そこは華のC622のこと、フレーミングを考えて自分なりのアングルを求め続けた。 

 

 

 

 

 

下り「ニセコ3号」はどこで撮るか、もう長万部は撮り尽くした。春分の日のいま、北海道の日没も17時40分ごろになっていて、もっと奥へ入っても十分に撮影が可能になった。駅から近く手堅い場所として、一年半の夏にも行った、二股~蕨岱の二股川鉄橋へ行くことにした。ここなら二股で降りて10分程度で到達できる。残光を受けて、ツバメがギラリと輝いた。鉄橋上を6×6で一発撮りして、鉄橋を渡り切った列車を35ミリで追い続ける。夏なら無理でも、この時期は、邪魔をする草木は雪の下に隠れてしまい、完全ではないが、ずっと後追い撮影が続けられた。

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