“散歩鉄”で 電機を撮る(2)
▲青空に似合う電機は?となると迷わずEF510を上げたい。19.5mの長い大きな車体、胸の張った前面、ドイツで見た赤い電機101形、111形を思わせる電機で、東海道線で赤い交直機が見られるのも、この区間ならでは。正面勝ちに青空を大きく入れて、その魅力に迫ってみた。長岡京~山崎
雨がもう一週間以上降り続いています。九州の鉄道も大きな被害を受けましたが、地元、叡電鞍馬線の貴船口付近でも土砂崩れが発生し、復旧までには相当日数掛かる見込みです。叡電は2年前の台風でも大規模な倒木、土砂流入で長期間不通になりました。やっと復旧したと思ったら、その傷跡がまだ癒えないうちの災害で、鉄道事業者の落胆はいかばかりかと思います。ここしばらく“散歩鉄”も出かけられず、自粛期間以上に家で籠ることが多くなりました。青空のもとで、気ままに貨物列車を撮っていた、つい先週までの行動様式に早く戻りたいものと、今回は、良い天気の下で各種の電機が牽く貨物列車見てもらいます。
▲長岡京駅を通過するシーンを駅前の歩道橋から狙う。赤いEF510は、サイドから見ても存在感がある。最近では側面のロゴを消して出場した機もあり、赤がより目立つ配色となった。▲▲トップナンバーのEF510-1を斜め後ろから。
▲同じEF510でも、あまり青空に映えないのは青ガマ、銀ガマだ。JR東日本の旅客用500代をJR貨物が購入して、引き続き同色で使用している。長距離を走るためか、汚れが目立ち、かつて豪華な寝台編成を牽いていた面影もない。▲貨物列車では、列車単位で一社が貸し切る専用コンテナ列車がある。この「カンガルーライナー」も西濃運輸が吹田(タ)~仙台港の貨物列車を貸し切り、青に黄帯の専用コンテナを積載して、日中の東海道線を運転し、往復でトラック60台分のモーダルシフト効果があると言う。東海道線の牽引は所定EF66だが、EF210が代走することも多く、時には、下のように、セノハチ用のEF210 300番代が牽くこともある。300番代は車体長が、基本番代より長く、専用コンテナ編成に似合っている。長岡京~山崎▲JR貨物の電機のなかで、一番の注目は“ニーナ”ことEF66 27だろう。原色のまま残る、唯一の0番代だ。弁当箱と呼ばれる冷房機が目障りで、とくに関心も無かったが、若い世代には人気があるらしく、私も「貨物ちゃんねる」を読み解いて運用を推測するようになった。月に2、3回は、近所で日中の撮影も可能と分かり、重い腰を上げるようになった。▲いっぽう平成に入ってから増備されたEF66 100番代は33両の全機が健在、レール運搬の返却1881レを牽く。▲▲1881レと言うのは、安治川口から陸揚げされた定尺レールを向日町のJR西日本レールセンターへ運搬し、空になったレール運搬のチキを、安治川口まで返却する列車、前回掲載の5087レの直後を走るため、遭遇する機会も多い。この日は、EF210 300番代が牽引。▲EF65 2000番代のように原色回帰の傾向は、他機にも及び、愛知機関区のEF64も国鉄時代の原色に塗り直して検査出場している。近所でEF64が見られるのは、稲沢~吹田(タ)で、水・土曜日に運転される配給列車である。JR貨物の配給列車は、無動力で基地へ回送される機関車が多く、この写真のように、2両とも原色機のEF64となることもある。▲▲EF510を次位に連結したEF64の配給列車8865レ
あんなに毎日のように出掛けていたのに、ずっと雨空つづきで、“散歩鉄”にも出られない(出たくない)状態が続いています。いまは“貨物ちゃんねる”で、当日の牽引機や、ニーナの所在を確認しているだけです。はぁ~、早く青空のもとで写真を撮りた~い。