室木線の始発となる、鹿児島本線の遠賀川は、北九州と福岡のほぼ中間にある駅です。室木線は列車本数は少ないもの、本線を行く列車は頻発しています。新幹線の開業前だけに、東京・大阪発の優等列車から、貨物列車まで、さまざまな列車が、発着していました。今回は、蒸機に限らず、室木線のすぐ横を通り過ぎた、鹿児島本線の列車を見ていきます(すべて昭和47年11月)。▲室木線の8620が入換えに励む横を、481系熊本発岡山行き「つばめ3号」が高速で通過して行く。撮影当時、新幹線は岡山まで。岡山を発着とする特急、急行が多数、鹿児島本線を走り抜けていた。
▲遠賀川は二面三線の駅で、室木線は3番ホームから発着していた。
▲駅舎側から朝の室木線列車を望む。▲3番ホームに隣接して側線が数本あって、8620のために小さな給炭台、給水塔も設けられていた。
▲貨物も多く通過して、電機も大活躍だった。ED73 1019の引く下り貨物、ED75 302の引く上り貨物が相次いで通過して行く。▲こちらはデカ窓のクハ421-1、421系の先行試作車で、クハ421のうち1~16は低窓、17以降は高窓となった。裾に60Hzを示す帯が残っていて、初期車から廃車が始まっていた時期で、低窓車は貴重だった。▲こちらはノーヘッダーのオハ35 419(門ワカ)が室木線の編成に組み入れられていた。小倉工場の製造。▲遠賀川に到着した室木線の列車は、ここでも機回しを行い、客車の後部に連結、逆向で室木に向かう。
最近「鬼滅の刃」という漫画が巷で評判らしく、我が家でも本を全巻そろえて取り合いしながら読んでいます。昨日もテレビを点けるとアニメで放送しており、最後の場面が流れていました。8620が客車を牽いて走っていました。
ネットニュースでは特派員氏の解説でも出ていた熊本の86が「無限」のプレートに換えて走るとかで大人気です。家族の証言によると、時代は大正の初めだそうです。8620は大正三年ですから合います。ところがチラッと見たラストシーンの客車は20m級でシングルルーフのボギー車です。しかも車端はオープンデッキですから展望車以外は国鉄にはありません。
と、思っていると昨日のスマートニュース(ネットニュース)で同じ事を書いている記事が出ていました。
曰く、『本では客車はダブルルーフの17m級に見える。映画ではシングルルーフで20m。連結器が自連だから時代は大正末期か昭和の初期にではないか』記事は記者の記名記事ですから責任取材で本気の本気。“いやはや大変な時代になったな”と感心しました。
私が撮っていた『シングルルーフのボギー車でオープンデッキの20m客車』です。
特派員さんの投稿記事にへんなコメントを入れてゴメンナサイ。
でも、ちょっと季節記事でしたのでお許しください。
「鬼滅の刃」とやら、私は全く関心も興味も無いのですが、この流行ぶりに、必ず悪ノリする輩が出てくるものです。神聖な蒸機のプレートを「無限」に変えてしまうのは、その典型でしょう。以前、室木線でプレートを盗まれたハチロクを紹介しましたが、ペンキ書きにしてでも蒸機のシンボルを守り抜きたいとした現場の心意気を見習って欲しいです。下の梅小路のハチロクも「無限」になってしまいました。