「カウントダウン京成3300」に寄せて

藤本哲男氏の「カウントダウンを迎えた京成電鉄3300型」のなかで金町線の写真がでてきます。これにひっかけて 昨年夏に私が柴又を訪ねた際のヒトコマをご紹介します。私は京成電鉄のことは全く素人で(正直 あまり興味もないのですが)、なぜ柴又を訪ねたかというと「寅さん」です。寅さんというと葛飾柴又、葛飾柴又というと寅さんです。今は亡き渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズは 昭和44年の第1作に始まり、平成7年まで48作が作られました。数年前NHK BSで全作が放映され 結局全作を見てしまいました。なぜそんなにひきつけられたかと言うと、山田洋次監督のこだわりでもある鉄道風景を見るのが楽しみだったからです。48作には数作海外ロケもありますが、基本的には国内ロケであり ロケが行われなかったのは富山県と埼玉県だけだそうで、寅さんは全国各地を旅しています。昭和44年が第1作ですから、地方線区ではまだ蒸機列車、客車列車が活躍していた時代です。我々が学生時代に見なれた風景がよみがえります。美しいカラー映像で各地の鉄道風景が見られるこのシリーズは貴重な記録映像だと思って見ていました。そしてもうひとつ 必ず出てくるシーンが柴又駅で寅さんやマドンナが電車に乗って出発してゆくシーンです。何度も柴又駅のシーンを見ていたため、現在の柴又駅はどうなっているのだろうと思うようになり、一度訪ねてみたいと思ったわけです。

柴又駅改札口風景

柴又駅改札口風景  40年以上を経て自動改札になってはいるが雰囲気は同じ

映画で柴又駅に入ってくる赤い電車が何型だったか私にはわかりませんが、走り去るシーンは釣りかけモーター音でした。柴又駅周辺が高架になっておれば昔の雰囲気は消えてしまっているのでしょうが、幸い地上線のままなので雰囲気をよく残しています。 映画ではプラットフォームのうしろは開放的な柵で民家が見透せるのですが、今は壁になっています。でも線路やホームの曲がり具合は 昔のままです(当たり前ですが)。

出て行く電車は3513

出て行く電車は3513    何度も見た出発シーン

柴又駅から土産物屋が立ち並び 団子屋もある参道を通って帝釈天にお参りし、その先にある寅さん記念館にも立ち寄りました。その展示の中に帝釈人車軌道のジオラマがありました。

帝釈人車軌道のジオラマ

帝釈人車軌道のジオラマ

人車には寅さんがちょこんと乗っている

人車には寅さんがちょこんと乗っている

このジオラマはよく出来ていて 川土手のように高くなっている背景部分が戻りのレールで 複線ではなく単線のエンドレスになっています。人車を押す車夫の足も動きます。

初めて金町線に乗り 柴又を訪ねたのですが、スカイツリーにもほど近い都内に 盲腸線ではありますが単線の路線があるのは意外でした。でも阪急嵐山線も、嵐電北野線は今も単線でしたね。思いがけずジオラマにも出逢い、楽しい新旧比較の柴又訪問でした。

「カウントダウン京成3300」に寄せて」への4件のフィードバック

  1. 今晩も、映画『寅さん』を観る予定です。

    西村さんのように、NHKでなく、BS7チャンネル(BSジャパン)で観ています。2012年から2014年にかけて全48編が放映されました。そして今年また、1月から再度、第1作から放送が始まり、2月14日(土)の『土曜日は寅さん』は第7作『奮闘編』です。

    観るのは、西村さんと同じく、懐かしい日本の原風景や鉄道情景です。毎度の騒動はそっちのけです。最近の第5作では北海道で機関区も機関助手も登場。そしてD51曳く貨物列車をタクシーで追いかける寅さん、D51の驀進は迫力大有りでした。

    映像に写らなくとも、小さな田舎の駅前旅館で聞こえる蒸機牽引列車の通過音、入れ替えをする蒸機のブラスト、貨物の通過時聞こえる線路のかすかな音、そんな『音の風景』も楽しみの一つです。

    私鉄もよく登場します。上田丸子電鉄別所線、島原鉄道、大井川鉄道などの電車、汽車に夫々の会社のバスです。バス側面の会社名を逃さぬよう見るのも楽しい苦労です。

    第22作大井川鉄道の、同じ場所から撮影をしましたが、あれから37年、同じ民家の屋根は綺麗な色瓦に葺き変わり、おまけにソーラー付き、すっかり様変わりでした。その画像はこちらからご覧いただけます。

    http://kabutogoe.web.fc2.com/ooigawa/densya/keihan/3050413.html

    塩郷駅は列車交換が出来る線路配置だったのに、今は改築され1本だけ、『えーっ、そうだったの?』。そんなこんなの柴又から始まる『寅さん映画』の積もる話でした。

  2. 乙訓の老人も土曜日の6:55はBS7を楽しんでいます。映画では48作も有ったとは驚きです。
    それを26年にわたり製作したとは、これも驚きです。寅さんは殆ど変わらないのに妹さんはウイウイしさがなくなり普通のオバサンになって行きますが、電車も再放送の始めから先週までは窓上緑味を帯びたくすんだ肌色、窓下はくすんだ濃い青でしたが、そろそろ赤を中心とした色に変化するのでしょうか?汽車は行く行く残るは煙のシーンが多いようですが、先日の貨物駅での撮影は印象深いものが有りました。バスはとんでもない車両が時々でて参りますので、藤本君にメーカーと年式、ボディは何処のものか解説が有れば良いのになぁーと思ったりしています。
    今晩も転寝しないようにしょう!寅年うまれの乙訓の老人です。

  3. 西村 雅幸様

    柴又駅と「寅さん記念館」の投稿有難うございます。

    柴又駅まで自転車で20分の場所に自宅があり、3300形の撮影と4両編成の運用調査のため日常的に訪れています。

    寅さんの映画の終わりの方に、オレンジ色時代の3300形が出ていたと思います。

    15年くらい前のこと、職場に柴又生まれで帝釈天の傍にある「ルンビニ幼稚園」「柴又小学校」出身の方がおれらました。
    その方の話によると「寅さん」のモデルになった「源ちゃん」という方がおられ、その方の生き様から寅さんの映画が作られたそうです。

  4. 14日の【寅さん】は京阪特急まがいの4連らしき編成でした。扉は両開でした。4連らしきとしたのは連結面が一瞬移ったからです乗車のシーンに目がとられ窓下の帯塗色が有ったかどうか記憶に有りません。恐らく大量生産の3200系ではないかと思います。正面が映し出されると、「こいつや!」となるのですが・・・。また更新後のスタイルも重要な系列判断の材料になると思うのですが、乙訓の片隅から眺めているので良く分かりません。

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