富士急行ロハ901→流山電鉄クハ53

7月23日【37790】「富士山麓電鉄モハ603」で関 三平氏は後ろに連結されている「ロハ901」についても触れておられるが、準特急氏より流山電鉄に譲渡後の画像をご提供いただいたので関連事項を含めて記述する。
【38044】「富士山麓電鉄モハ603→富士急行モハ3604」と重複する部分があるが、改めてロハ901について解説する。
青梅電気鉄道モハ100形モハ103として昭和3年川崎造船所で新製され、19年4月1日鉄道省買収時にモハ100形モハ103となった。(書類上は25年小糸車輌製となっている)
鉄道省買収後、青梅電気鉄道の電動車は機器配置が特殊であったこと等により、早い時期に電装解除され制御車化、この車両も19年11月には制御車となった。その後、五日市線で客車代用になり24年3月28日付で廃車となった。富士山麓電鉄が譲り受け、半室を2等車に改造してロハ300となり、25年10月の改番でロハ901となった。

44年3月流山電鉄に譲渡され、西武所沢工場で運転台を設置してクハ53となり、元京浜急行デハ400形の旧車体を利用して43年8月西武所沢工場で作られたモハ1101とMT編成を組んで活躍したが56年6月廃車になった。

クハ53+モハ1101/ (45-10-20)  準特急氏撮影
撮影場所は赤城台(現平和台)~鰭ヶ崎間と思われる。
s-70.10.20流山53+1101
s-70.10.20流山53+1101横

〔参考〕クハ52+モハ101/ (45-10-20)  準特急氏撮影
クハ52は元西武鉄道クハ1213で昭和2年日本車両製、武蔵野鉄道モハ1321として新製された車両。
モハ101は元国鉄モハ107で昭和3年汽車会社製、南武鉄道モハ107として新製され、19年4月鉄道省に買収された。
s-70.10.20流山52+101

〔参考〕流山駅構内/上(45-10-20) 準特急氏撮影  下(平成25-4-28)
下は準特急氏撮影後43年経過しているが全体の雰囲気はさほど変わらない。
70.10.20流山
144_35A

〔参考〕青梅電気鉄道モハ100形について
モハ101、102が大正15年12月日本車輌、モハ103~106が昭和3年2月川崎造船所で新製された。
クハ101は昭和25年身延線で使用中に落雷による焼失で廃車、クハ105は23年客車化されナハ2330になったが25年には早くも事業車化され36年10月に廃車、クハ106は24年相模鉄道に譲渡され、28年6月の改番まで残ったのは、クハ102、104の2両であった。
クハ102→クハ6100、クハ104→クハ6101となり、いずれも30年1月廃車になった。31年3月2両とも小湊鉄道に譲渡され、帝国車両でDMH17Bのエンジンを取付け気動車化、車体は正面2枚窓に改造された。
車号はクハをキハに変えたのみで番号はそのままであった。キハ6100は49年10月、キハ6101は52年12月廃車になった。
国鉄時代の写真は、佐竹先輩の「私鉄買収国電」(2002年10月1日初版/ネコ・パブ社)を参照いただきたい。

〔参考〕小湊鉄道キハ6100/ (45-3-13) 五井
経歴は青梅電気鉄道モハ102→鉄道省(→国鉄)モハ102→クモハ二102→クハ102→クハ6100→小湊鉄道キハ6100
正面はHゴム支持の2枚窓に改造されたが手付かずの側面とアンバランスであった。ヘッドライトは当初屋根上1灯であった。
撮影当時は貨物列車を牽引していた。
小湊6100 45-3-13

 〔参考〕小湊鉄道キハ6101/ (45-3-13) 五井
経歴は青梅電気鉄道モハ104→鉄道省(→国鉄)モハ104→クモハ二104→クハ104→クハ6101→小湊鉄道キハ6101
6101 45-3-13

富士急行ロハ901→流山電鉄クハ53」への1件のフィードバック

  1. 藤本さんは鉄道同好会に入会当時、私が都電や横浜市電、さらに各地の車両の話をすると「(その車両)撮った、撮った」が口癖であり、つまり、当時の関心のある車両で撮れるものは全部撮ってしまおうという気概をお持ちであり、それを実行されていた。この姿勢はその後現在まで全く変わっておらず、発表内容も几帳面でその方面では内外ともに一目おかれている。撮影に際しても時間の余裕がなかったり、優先順位の関係でとり逃した車両もたまにはあったことと思います。今回は「(撮影しそこなったため)どなたかお持ちなら発表してほしい」と言われた車両であり、たまたま私が撮影していたので藤本さんへそれを送付して「料理してください」と申し上げた。料理(発表)の仕方がわかないからであります。

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